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157号

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 9月 1日(金)07時01分39秒
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  A部門  全81句

01●赤とんぼ舞ふヒマラヤへ続く空
02●秋うらら指先細きタイ仏陀
03●秋虹や通りすがりの容人
04●朝顔の色とりどりに深呼吸
05●朝寒に一枚羽織る夜明けかな
06●足跡に水溜めて去る秋時雨
07●無花果や柱時計のねじ二つ
08●いつもごとはみ出て威張る赤芙蓉
09●稲妻や十指残らず指輪嵌め
10●稲の花生まれ変はりの男の子

11●馬で行くブータンの谷秋高し
12●海行きのバスに乗り込む残暑かな
13●うらはらな言葉のうらや梨を剥く
14●永遠の少女の肖像空高し
15●送り火を乗せし小舟の海静か
16●落ち蝉や死んだふりしてひと休み
17●蜉蝣やジャコメッティの立像群
18●蜉蝣や十時過ぎると出る女
19●風の詩(うた)てんこ盛りなる大花野
20●かなかなや闇のうごめく獣道

21●カナリアの唄思い出す星月夜
22●木の香る渡り廊下や涼新た
23●教会の更地となりて秋の風
24●句会欠席魚になりて泳ぎをり
25●くの一のしなやかに来る秋燈
26●月孤月腹に抱ふる瘤あり
27●苔庭に蝉の骸の二三四五
28●小鳥来る移動パン屋のカレーパン
29●この度の無口は長し秋愁い
30●鷺草の樫原湿原風の中

31●差し伸べる手を触れ合ふて薄紅葉
32●寂しさも消えてさみしき秋の風
33●地獄にも階級ありて猴酒(ましらざけ)
34●島尾敏雄ミホ交感記敗戦忌
35●仕舞はれぬホースのうねり秋めけり
36●白壁に闘牛士の衣ロルカの忌
(1936年8月19日、詩人のフェデリコ・ガルーシア・ロルカ銃殺さる)
37●新米を収め農協のプラッシー
38●新涼や指をこぼるる湖の青
39●蝉の声陽炎真似て溶けちゃった
40●大殺界憂う後輩秋の空

41●大小の甚平の行く肩車
42●「大」の字のはらひに火が来如意ヶ岳
43●台風は何処に行くやと追い回し
44●断崖にラマの僧院鳥渡る
45●田んぼアート眺め燕の帰りけり
46●父の忌や雲の変わりて秋立ちぬ
47●父母の座布団加へ今日の月
48●ちちははの魂去り難き大文字
49●駐在の息子の帰省片ピアス
50●つんつんと台風つつく予報官

51●掌に余る有の実とどきけり
52●透析に遅れぬ父の秋暑かな
53●扉の向かうすずむし鳴ける帰宅かな
54●長崎忌セピア色した天主堂
55●夏空や竜宮城の亀もゐて
56●日曜の朝の静けさ法師蝉
57●猫の餌喰らう狸は大文字
58●能舞台射る篝火や白木槿
59●墓参りせずに動画の母と会ふ
60●八月尽スーパー床屋に親子連れ

61●ハチ公に跨つてゐる夜の秋
62●ひぐらしや今日の余りのやうな風
63●ひとはみな墓石となりぬ鬼灯熟るゝ
64●日めくりの二日前なる秋思かな
65●ひょっとして妻を好きかも秋茄子
66●昼は蝉夜は鈴虫風の中
67●ふらり入る地元のバーの〆秋刀魚
68●ベランダで花火を見詰め鬱も消え
69●弁財天は女性なりや?と兜虫
70●法師蝉今日を限りのごとく鳴く

71●鬼灯のぐいと大気に滲み赤
72●宝満の朝ぼらけにも秋の声
73●僕たちは集ふ銀河の真ん中に
74●待ちびとの声高らかに秋簾
75●待宵や葉巻煙草の香りふと
76●身も心も夜空ただよふ虫しぐれ
77●身を隠し何を語るや法師蝉
78●虫鳴くやサーモンピンクの雲の峰
79●黙祷に地軸かたむく原爆忌
80●ゆつくりとめくるアルバム盆の月
81●ワインもう一杯と言ふ生身魂

B部門 「稲妻」「巻」全75句

01●秋白し巻きタバコ嗅ぐ父の癖
02●秋の中手巻時計の妻の腕
03●秋めきてコートに巻く風足止める
04●アボカドの手巻き並びぬ良夜かな
05●板谷越え稲妻に虹色艶も
06●一巻の終りかこの世八月尽
07●稲妻来涙に寝落つ幼子や
08●稲妻に誘われ猫の髭ピンと
09●稲妻に鳴く声止まる秋の蝉
10●稲妻の幾重に割れて田の広き

11●稲妻の隠す三つの嘘暴く
12●稲妻の遠し触れたる指と指
13●稲妻の閃き空を泣かせたり
14●稲妻は天上からのアラート音
15●稲妻やいまの中へと引きこもる
16●稲妻や憶ひ出す人ありにけり
17●稲妻や鏡の裏のむき出しに
18●稲妻や木々妖怪の影落とす
19●稲妻や湖底に柱立上る
20●稲妻や添ひ寝の嬰の夢まどか

21●稲妻や卒業名簿の二本線
22●稲妻や棚田にかかる波しぶき
23●稲妻や遅々と進まぬ針仕事
24●稲妻やついそこまでの宿の下駄
25●稲妻や葉巻咥えるチェゲバラ
26●稲妻やひとり夜業のビルの窓
27●稲妻やまたぶり返す片頭痛
28●稲びかり鏡の中の人は誰
29●いなびかり車窓に浮かぶ富士の影
30●稲びかり茶わんにひとつ小さき欠け

31●稲光猫は何処か音もなく
32●稲光毎夜降る雨夏去りぬ
33●稲の殿または稲妻稲光
34●渦巻の真ん中に浮く穂草かな
35●絵師の業(ごう)下巻読み終え大夕焼
36●おにぎりに海苔巻く係文化祭
37●オルゴールそつとねじ巻く夜の秋
38●女川絵巻物語またも秋
39●くだを巻く奴も頼りや月見豆

40●警官の埠頭に立てる稲光
41●巻雲の空を深むる筆さばき
42●百日白(さるすべり)原爆ドームの眩しけり
43●死と生を残し稲妻去りにけり
44●しなやかに林檎巻き取る象の鼻
45●秋灯や手巻きの寿司の取りやつこ
46●秋霖や源氏絵巻の中へ入る
47●真夜なれば稲妻の音夥し
48●すててこの柱に凭れ稲光
49●走馬燈最終巻はゆうくりと
50●爽籟や巻物運ぶ修行僧

51●魂迎普段着のまま手巻寿司
52●月あかりゆつくり竜頭巻いてをり
53●天空の城をうしろに稲光
54●天井に渦巻のあり金木犀
55●とぐろ巻く少年背負ふ月明り
56●ナーガ巻ける仏陀の笑みや星月夜
57●二巻目の治虫を捲る夜長かな
58●膝折りて探す図書館稲びかり
59●左目はテールランプ右目は雲の稲妻へ

60●閃きやどこかしこにも稲光
61●巻貝の奥の暗やみ星月夜
62●巻貝の螺旋をなぞる浪の秋
63●巻き髪を良夜の風に解きけり
64●巻き舌で決める十八番や生身魂
65●巻き寿司やテープを切りし運動会
66●巻き爪に難儀のはさみ秋暑し
67●巻き戻し叶はぬ生や墓洗ふ
68●枕辺へ白き巻貝秋の声
69●真つ黒な雲うつくしき稲光
70●身構へて音来ぬけふの稲光

71●みちのくの稲妻驫き汽車ひとり
72●三日の月源氏絵巻を紐解けり
73●夕暮れに稲光して蝉が飛ぶ
74●妖怪の絵巻にゴロロ稲光
75●若煙草巻く指先の仕草かな

 
 

156号

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 8月 1日(火)07時24分18秒
返信・引用
  A部門  全84句

01●青柿のままに葬る里豪雨
02●青空と向き合うておりハンモック
03●赤ん坊の髪のぽよぽよ葛桜
04●悪友も老友となり宿浴衣
05●朝目覚め?しぐれ浴び驚きぬ
06●蟻の列仏足石を越えゆけり
07●あれこれを忘れるやうに髪洗ふ
08●井戸の水汲み尽くしけり焼夷弾
09●空蝉の割れし背中に射す夕陽
10●空蝉や歩く姿は手にスマホ

11●海酸漿鳴らしていつまでも日暮
12●斉魚(えつ)喰はな筑後大川雨あがる
13●大西日ゴジラのやうな雲睨む
14●大旱山には崩すほどの雨
15●大夕焼よぎるは悔ゆることばかり
16●おごそかに開く蕾や夜の秋
17●革新はやがて守旧派星流る
18●かなかなや寝返り打つ子ふと笑む子
19●蚊遣火や風も無いのにドアの開く
20●烏瓜咲いて夜空といふヴェール

21●黄はちまき赤はちまきや子供山笠(やま)
22●キンキンのアイスの棒のあたりの字
23●草刈り機の音の波打つ大西日
24●雲の峰高中杵島根子烏帽子
25●クーラーの風に包まれまどろみぬ
26●夏至の日の机は広し過去遠し
27●古墳から古代の蓮の花ひらく
28●座布団に足る乳飲み子の大昼寝
29●百日紅口づけしたく存じます
30●三伏や息詰め眺む砂時計

31●紫煙巻くバーで聞く詩や熱帯夜
32●少年の午後の気怠き薔薇の門
33●ジョッガーの腿の筋肉風死して
34●白南風や上り詰めたる蔓の先
35●真柏の幹のうねりや冷し酒
36●甚平やぼりぼりと掻く脛の傷
37●涼しさや名刺ほのかにかほる人
38●蝉しぐれ子らの歓声かき消され
39●蝉時雨ソフトクリーム溶けちゃった
40●蝉しぐれ忘れえぬ人忘れ果て

41●蝉静か昼にはうだり鳴きもせず
42●誰でせうオクラの葉つぱ揺らすのは
43●尊厳に満ちてしやまず蝉のこゑ
44●ちさき秋木陰の地蔵供物棚
45●伝はり来もののけ烏瓜の花
46●釣銭の切れた自販機梅雨湿り
47●転院を告げられてゐる西日かな
48●遠ざかる恋の思ひ出蝉の声
49●ドリブルの少年に蝉ひとしきり
50●蜻蛉とぶ雲より高き空のあり

51●夏生まれ優しき顔の母が逝く
52●夏空へジョッキ高々猛女達
53●夏惜しむシャガールの青きタピスリー
54●夏の海故郷の海凪の海
55●夏の月尾の無き猫の野生化す
56●夏果ての海を見に来し友の黙
57●夏休みラジオ体操いちにっさん
58●生温き芝の匂いや夜の蝉
59●西日さす手押車の生身魂
60●二十万トンの流木梅雨明ける

61●這い潜る小さき鳥居や夏木立
62●初蝉や通ひ慣れきし西病棟
63●初ライヴ燃ゑ青林檎熟れはじむ
64●母逝きし病院前や炎天下
65●半夏雨ずぶ濡れでゆく男坂
66●半月をヒョリと横切る蛍かな
67●ハンモツク自立のできぬ息子買ひ
68●彦星や吾擦れちがふばかりなり
69●向日葵の背高き幟峠茶屋
70●向日葵の窓から見てる喫茶店

71●昼と夜のあはひ水中花の咲いて
72●昼寝覚こんなところに消しゴムが
73●風鈴の連打我が家に尾瀬便り
74●故郷の岬巡りて帰省船
75●ほろ苦く憂きこと絞るゴーヤかな
76●眩しくて恨めし白き雲の峰
77●眩しさやミニスカ美人の脚の色
78●みんみんみんみんみんみんや大欅
79●猛暑日にメロンソーダとかき氷
80●山笠走り博多の街の膨れけり

81●浴衣着てランプの宿に酒語り
82●夕焼や壁にボールの跡あまた
83●緑陰や沼に鬼百合映りたる
84●病葉や斜めってるといはれても
B部門 「汗」「猫」全77句

01●揚花火ぴくりと長き猫のひげ
02●青芝やブランチに猫紛れ込む
03●汗いくつ海に集めてしょっぱいな
04●汗かいて悲喜こもごもと夢の夢
05●汗かいて魂はすもものにほひ
06●汗かいてメザシの塩気沁み渡る
07●汗隠し祇園囃子の雅かな
08●汗涼し少女のままの笑ひ声
09●汗舐めて我より強き陽に向かふ
10●汗にじむラジオ体操出欠簿

11●汗の顔池にうつれる藻刈かな
12●汗を拭く農婦の腰のしゃんとして
13●新しきシャツに替へよと汗伝ふ
14●暑き日に猫背の老婆涼みおり
15●あの猫は今頃どこに大夕立
16●家路まで中間地点汗拭ふ
17●イエスの汗拭ふマリアの若きかな
18●家元の舞の合間の汗拭ひ
19●石に座し石の声聞く寺の猫
20●一日生く存在証明玉の汗

21●一日の終りの汗を畑にやる
22●いつになく汗したたりて見上ぐ空
23●芋の葉の影黒猫となりにけり
24●岩清水つと汗忘る一合目
25●梅干せば猫は髭から眠りをり
26●駅に着く同時に汗と格闘す
27●遠雷やねまる黒猫眼のひかり
28●お狐のお面の匿す婀娜な汗
29●尾曲がりの猫のいる坂夾竹桃
30●かき山の男の子汗や駆け抜ける

31●片陰を行く猫の尾のピンと立ち
32●客人来猫垣間見のかき氷
33●草むしり腰を伸ばして汗拭う
34●黒猫とビクトリアンの夏邸
35●コツを得て扱ふ工具汗を拭く
36●木下闇赤くざらりと猫の舌
37●鷺草に猫の横目の日暮かな
38●弱冷房気合いで汗を押し込める
39●試合果つ汗も涙も一緒くた
40●惜敗の拭ふ汗とも涙とも

41●涼しさや自動車下の猫世界
42●背の「1」の背負ひし汗の重さかな
43●そこここに猫夕暮の三丁目
44●体温計汗疹を叩く校医かな
45●玉の汗明日のジョーも力石も
46●玉の汗湯上がりの帰路渡る風
47●梅雨の月タイヤで猫が爪をとぐ
48●籐椅子に寄り来る猫と怪奇譚
49●飛石を伝ふ少女の汗匂ふ
50●夏あざみ猫の額に向う傷

51●夏神社御朱印怗の猫の印
52●虹消えてふところの猫重くなる
53●猫舌は父親譲り冷奴
54●猫じゃらし思い思いの物思ひ
55●猫の尾のくるんぷるんと星涼し
56●猫の背をそっと押しやり三尺寝
57●猫用の爪切を置き夕端居
58●寝転べば猫の目線の夏薊
59●敗戦に泳ぐ応援団の汗
60●半眼で眠る大猫熊(パンダ)の涼しさよ

61●日盛りや礼拝堂へ消へし猫
62●二人乗りバイクのエンジン音と汗
63●ぶち猫の大きくあくび木下闇
64●船虫や猫に追われて船底へ
65●噴水の真中に据る招き猫
66●斑猫やけふ木漏れ日を落延びし
67●宮を掃く若き咎人汗に汗
68●湯浴みして着替える端から玉の汗
69●夕涼し葉擦れの音と猫のひげ
70●夕涼みする飼い猫にクラクション

71●夕立やピクと震える猫のヒゲ
72●夕端居猫はいつもの距離保ち
73●夕端居見かけぬ猫の来てをりぬ
74●夜の秋や土踏まぬまま猫は老い
75●流木に猫も流され大惨事
76●吾輩のやうな黒猫夕焼曇
77●吾輩は猫の駅長夏休み

http://www.geocities.jp/gekkason/

 

155号・A部門

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 7月 1日(土)07時42分37秒
返信・引用
  A部門  全84句
01●朝涼や列なす傘は五線譜に
02●紫陽花の十八番を忌むや蝸牛
03●紫陽花をいとをかしとはかたつむり
04●汗流る弱冷車の外どんよりと
05●穴子寿司つまみ故人を惜しみけり
06●雨垂れの音符となりて虹の立つ
07●天地に等しく時の日を刻む
08●あめんぼう跳ねる水面は雨模様
09●ある百寿俳人の死や白菖蒲
10●威嚇する親鳥の声舟遊び

11●生ききつてて高地に青き芥子の花
12●イケメンの駆け抜けてゆく立葵
13●一斉メール父の日を促せり
14●熟るる枇杷デートのシャツを着比べる
15●縁側の鮎釣る川の眺めかな
16●大夕焼追ひ行く先の角打屋
17●思ひ出に辛きことあり虎が雨
18●驕れる者聞く耳持たぬ青葉木菟
19●角砂糖の街を探せばさみだるる
20●風薫る役立つ菌の増殖中

21●伽羅の間を抜けて川床(ゆか)へと出でにけり
22●九十五歳香水はシャネルの五番
23●空気より軽き声聴く青葉風
24●黒雲へ凛凛たりき立葵
25●月光に蟷螂生る散り散りに
26●香水や闇を動かす人の影
27●木下闇白く灯るは何ならむ
28●ご破算に願ひましては冷奴
29●市議選の街宣遠く青田風
30●しつとりと日の出日の入り夏至の雨

31●仕舞た屋に夜雨の連打夢破り
32●初演待つ譜面の音符月涼し
33●聖火のごとソフトクリーム掲げ来る
34●狭き地に背筋伸ばして立葵
35●線香花火はぜてわたくしだけの闇
36●全身で語る紫陽花あの人を
37●泰山木の花に抱かれし夜のしじま
38●滝風や定家葛の花散らし
39●丹精の初収穫のさくらんぼ
40●ダンベルのころがっている夏座敷

41●父の日やコツコツコツと家族愛
42●小さき滝素足に飛沫渡る風
43●角ふつて肉をのばして蝸牛
44●梅雨明けや貧乏ゆすり止みてをり
45●梅雨入りて涼しげな風頬なでる
46●梅雨空に蛙競ふや大合唱
47●梅雨なれど晴天続き田植え待ち
48●梅雨晴れて何事もなく雀鳴く
49●梅雨晴や工事現場の雨合羽
50●梅雨晴間旅の写真をUPする

51●鉄橋や大音響の遊び船
52●でで虫はしろがねいろの全音符
53●登山電車スイッチバックしてあぢさゐ
54●亡き母の手紙に涙外は梅雨
55●夏風邪や恋の媚薬の匙加減
56●夏利根の排水機場静かなり
57●夏の月微動だにせぬ蛙の目
58●生ぬるき風を呼び込み薪能
59●合歓の花息と背筋を整へり
60●眠るるや吾と一匹の蠅と
61●売国の種子法廃止かはづ泣く
62●はんざきのあぶくは刻の黙となり
63●万緑の風来る箱根峠かな
64●東御苑泰山木の花見上ぐ
65●一雨を呑み干す今朝の額の花
66●ひとの死の美学に触るる花氷
67●ふる里の宙へ草矢の幾度も
68●ほうたるやつらいのつらいのとんでゆけ
69●また傘を買う嵌めになり送り梅雨
70●水海月チュチュの少女の細き脚

71●群るるほど冷たかりきやほうたるの
72●もの言はぬ母も見ている梅雨の月
73●約束の時間忘れし夏衣
74●屋根を打つ梅雨音で寝る心地よさ
75●夕涼し女子高生の靴の音
76●夕焼けて池の面金の帯をなす
77●ゆったりと妊婦のくぐる茅の輪かな
78●百合の香のわつと溢ふるる楽屋口
79●夜半は来ぬただほうたるを待つてゐて
80●欄干にバナナの皮の乾びたる

81●緑蔭や放課後を待つすべり台
82●老鶯や雨の合間の茶をゆらす
83●路地集め大路となりぬ祭かな
84●生ききつてて高地に青き芥子の花



http://www.geocities.jp/gekkason/

 

155号・B部門

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 7月 1日(土)07時41分38秒
返信・引用
  B部門  「蛇」「楽」 全76句
01●青大将を踏んづけた夜レース編む
02●浅草の路地裏にある蛇の衣
03●紫陽花の上に蛇の子ねまりをり
04●紫陽花や写楽の謎に魅せられて
05●アスファルト凪いでながむし濡れている
06●餡蜜や友と楽しむストレッチ
07●石垣の続く古刹や蛇の衣
08●一炊の夢楽むや生身魂
09●羅の前のめりなる神楽坂
10●美味いもん気楽な話梅雨晴るる

11●炎天に影の疲れし辻楽士
12●大利根や蛇も真菰も群育つ
13●音楽とヨットを愛し逝ける友
14●音楽の沁み込んでゐる髪洗ふ
15●楽隊のひとり草笛吹きはじむ
16●蝸牛デクノボウをば楽しめる
17●伎楽面外し吹き出す汗拭ふ
18●くちなはに騙されてゐる女学院
19●くちなはの喉を卵の通過中
20●庫裏の山禁の立札蝮在り

21●ケーブルで夏温泉の楽天地
22●公演の楽日はるかな夕焼雲
23●この世には男と女蛇の衣
24●さようなら一言残し蛇の衣
25●三度目の血液検査蛇すすむ
26●信楽の狸の笑う青時雨
27●自棄自嘲初め楽しき登山口
28●蛇の目傘雨音奏で散歩道
29●写楽絵の閉じた世界に風薫る
30●少女期の畳に脱げる蛇の衣

31●饒舌な「小熊楽団」夏の星
32●少年のふざけて蛇を首に巻く
33●白蛇や神の使ひか舌を出し
34●水郷を風に吹かれて蛇の首
35●太陽に艶めく蛇や息潜む
36●打楽器のスティックさばき送り梅雨
37●田亀と蛇AI と人格闘す
38●滝壺に女の執念白蛇抄
39●黄昏を楽々喰らふ蚊喰鳥
40●棚飾る黒楽茶碗祇園鉾

41●ちぎれたる琴の楽譜や夕焼けて
42●妻の見し蛇だんだんと長くなり
43●つややかな眉その先に蛇の棲む
44●梅雨さえも楽しく遊ぶ子らの声
45●梅雨楽し世界に一つのワンピース
46●梅雨の道小蛇が這って逃げ行きぬ
47●手賀沼に白蛇伝説夏木立
48●手のひらの火照り楽焼窯開き
49●時計より出づる楽隊明易し
50●鳥飲みて膨れる蛇のしたり顔

51●名も知らぬ異郷の楽器いうがとう
52●飲み会が楽しみで来る祭りかな
53●初傘を楽しみにする梅雨の朝
54●分校の守護神ならん青大将
55●蛇苺道草食ひし田舎道
56●蛇来るよ脅され飛びのくディレクター
57●蛇クンに道を譲られ畦の道
58●蛇使ひの蛇の赤青黄色かな
59●蛇となり父愛用のイスに坐す
60●蛇逃げてなほドキドキの肥大せり

61●蛇のごと一つ上座へ押しやられ
62●蛇の予感妻は一生蛇嫌ひ
63●便所から蛇現れてとぐろ巻く
64●頬擦りし泣きいる母は蛇のやう
65●星注ぐ大地に解きて蛇の衣
66●星の夜は空とぶ夢をみる子蛇
67●ボッティチェリの楽園の香や昼寝覚
68●松の木に蛇悠々と巻くどくろ
69●豆蒔くや最終楽章告ぐる生
70●真昼間の水を渡りぬ青き蛇

71●山案山子お通り暫し高野みち
72●指回しとんぼの心算蝮捕り
73●世渡りが下手で現世は蛇なのさ
74●楽園に遷りゆくひと虹立ちぬ
75●楽天家同士の会話ところてん
76●楽々と自転車舟に併走し

http://www.geocities.jp/gekkason/

 

154号

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 6月 2日(金)06時08分10秒
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  A部門  全81句
01●藍染の匠五代目夏来たる
02●愛と死の男女の舞や火取虫
03●青い目の人形抱いて泉まで
04●赤ワイングラスに揺れる夏の月
05●明けやすし小鳥の声とイチ ニ サン
06●朝涼やペダルは軽し通勤路
07●紫陽花やおかまおなべにホモもゐて
08●雨宿り旅人らしき国訛り
09●いくつかの死語かたりあふ子供の日
10●泉の名囁くやうに告げられて

11●泉への心もとなき手書き地図
12●古えを超えよあの日の初蛍
13●卯浪寄す島にひつそりマリア像
14●お品書きは異国の文字やアマリリス
15●織姫の染まる両の手聖母月
16●風薫るふた子の座る乳母車
17●傍で聞く女教師の謂五月闇
18●カーテンになりきつている青葉風
19●哀しみを吸ふては吐いて蛍袋
20●義太夫に傾ぐ頭や夏近し

21●黄ビタキの虫くわえ来てけたたまし
22●黒揚羽ひと巡りせり能舞台
23●紺絣染めて手洗ふ五月の水
24●五月晴れシーツ裏返り青に入る
25●五月晴れ空と風とに笑みこぼる
26●思案する濡れたくもあり五月雨
27●四国まで見ゆる館や鯖づくし
28●自転車に油を注して更衣
29●自転車の荷乗せや鉢の薔薇揺るる
30●十薬や母の手紙を束ねたり

31●心臓のみ動く蜥蜴の空見上ぐ
32●吸殻の彷徨つてゐる夜の噴水
33●すずかけの新緑武蔵国分寺
34●声援の首のタオルや夏来たる
35●聖五月白い花咲く保育園
36●善人に秘密のありしサクランボ
37●空と海溶けてプールはコバルトに
38●空見上げ立ち尽くすまま五月晴れ
39●発つ鳥や食べ尽くしたか桜の実
40●手網でとる実梅の熟れや雨あがり

41●旅に居て神輿を担ぐ夢見たり
42●たましひの軌跡を描く蛍かな
43●淡然と白鷺立てる水田かな
44●茅花流し蛇籠の石のなまめいて
45●飛魚や羽を伸ばして命継ぐ
46●友の忌にCAMELを吹かす聖五月
47●鳥語聴く博士の丸きサングラス
48●薙刀の稽古袴や風薫る
49●七十路きて清掃道の汗の夏
50●夏霞一打の行方鳥笑ふ

51●夏立つや黄砂にけぶる日本海
52●夏は夜猫の餌食う狸かな
53●南天の花や雨粒匂ひそむ
54●脱ぎつぷり良きマネキンの更衣
55●麦秋に田起こし終えて水鏡
56●鉢選ぶ友に初孫千団子
57●母の日や完食褒めて笑顔かな
58●母の日や妻にブーケを贈りけり
59●母笑ふ日傘の作る影の中
60●薔薇の門騒ぐ子犬と潜りけり

61●馬鈴薯の花怯ゆるや薔薇の陰
62●ひともとを妻に捧げり母の日に
63●紐緩め犬と見上げる初夏の月
64●ピンヒール絡めるタンゴ蜘蛛の糸
65●ぶんぶんの一撃喰らふ木偶坊
66●僕の番早く代わって浮いてこい
67●米兵も見たり箱庭の呉
68●ポケットからよれたメモ書き茄子の花
69●ポケットに小さき秘めごと捩花
70●蛍見よう気もそぞろなる初デート

71●ぽつねんとひゅうひゅうひゅるりと姫女苑
72●水瓶の底の十円硬貨夏
73●ミルク飲むカフェの奥や若葉雨
74●野菜ゼリー匙にくずるるスロージャズ
75●郵送の介護保険証夏も来ぬ
76●夕立や傘さす女(ひと)とささぬ男(ひと)
77●湯の窓に鳥の声あり新樹光
78●若葉から言霊宿る便り有り
79●ワイシャツに孕みし風や雨呼びぬ
80●「わくわく」を巨大活字で若楓

81●をさな子の玉虫拾ひきたりけり

B部門  「泉」「青」 全74句
01●青々と新緑映し泉満つ
02●青嵐左周りに馬駆ける
03●青梅をちぎり候へ梅雨近し
04●青山河道なき道を抜けてくる
05●青時雨父より好きな男現る
06●青空にそれ徘徊も五月晴れ
07●青空を待つ砂浜に虹現る
08●青田まで応援団の声ひびく
09●青蔦の伸びゆく先の窓深し
10●青葉みな薄墨色となる水面

11●紫陽花の青へ助走の七日間
12●足晒し命の洗濯泉川
13●幾重にも谷筋走る青葉山
14●勇みつつ帰る子の手の青蛙
15●泉殿ひと動きたる気配して
16●泉へと青空色のポリタンク
17●泉より汲む一瓶の青き森
18●うら若き巫女が歌詠む青葉の夜
19●大空の真中より湧く泉かな
20●カーナビの行きつ戻りつ青田道

21●嘉例川コンコンと湧く泉かな
22●崖線を旅する泉静々と
23●写真展への急な階段青紅葉
24●翡翠は青き矢印漁れり
25●京町家奧の厠の青蛙
26●雲を生み泉を宿し山は夏
27●グラナダの夕日を抄ふ泉かな
28●木漏れ日の柄杓に踊る泉かな
29●紺青の湖静かなり夏の月
30●子羊の鼓動のごとく泉湧く

31●サウダーデの意味知るファドや青時雨
32●酒談義こんこんここんと泉湧く
33●五月晴れ透き通るよな青い空
34●しのぶれど枯れることなき泉かな
35●神宮の泉清しく石揺らす
36●新緑を肴に飲みて泉湧く
37●空青しテッペンカケタカ時鳥
38●大都市を遥かに島の泉陰
39●地下鉄の出口上がれば青嵐
40●地に泉空に雲巻き水還る

41●どこまでも青き空なり晶子の忌
42●どの家も薔薇を咲かせて空青し
43●夏のよう青空見上げ汗拭ふ
44●鳴神や青鮫の這ふ二面記事
45●鋼光りの青き残像蜥蜴去る
46●麦秋に隣青田の輪廻かな
47●早変わり葉桜青く見得を切る
48●春の夜に温泉浸かり鼻歌ふ
49●秘境ぞと思ふ泉に仏あり
50●冷やさるる牛の機嫌や泉川

51●光るコイン弁財天の泉透く
52●陽を浴びてはしゃぐ葉裏や青嵐
53●ひんやりと野菜の浮かぶ泉かな
54●麓には佐賀ナンバーや泉くむ
55●噴水やおかつぱあたまの母のかほ
56●星の夜を映して泉渾渾と
57●迸る阿蘇の泉のご神体
58●本棚に詩もなき高三青葉冷
59●負けそうなくらいに青き五月の陽
60●窓越しの海の青さや日雷

61●マングローブの根に沸く泉夕あかね
62●南阿蘇泉あふるる里の駅
63●目ばかりが目立つあかんぼ青葉梟
64●薮内の悲し泉に敵の声
65●夕凪や青空見えぬ国に居て
66●夕闇をなほ深くする青き薔薇
67●妖精の気分泉に足濡らし
68●若楓瞼の裏を青に染め
69●若葉風青き頭の駆け抜けぬ
70●病葉や青の時代のピカソの眼

71●をさな子とあそぶ噴水かくれんぼ
72●青時雨四阿に子の見え隠れ
73●ナップサックの青き行列雲の峰
74●野仏の顔の苔むす泉かな



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153号

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 5月 1日(月)07時06分25秒
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  A部門  全86句
01●青空がキラリと光る春の朝
02●アカシアの花まめまめと白くあり
03●朝ドラにゆるむ涙腺昭和の日
04●あどけない母とあの日の春に居り
05●石くれのみな菩薩なる春の風
06●苺煮る香り少女の忌の近し
07●一日中雨の中なる桜かな
08●一片のすあまやさしき復活祭
09●牛冷やす眼下に大き都市を見て
10●繧繝の層つまびらか木の芽山

11●液晶の焼け焦げさうな躑躅かな
12●遅れる子振り返る母花の雨
13●惜しみなく桜蘂降る飛鳥山
14●朧月ワゴンはラップ響かせて
15●改築のどんどん進むつばくらめ
16●蛙子の無限集合黒黒と
17●顔合わすだけの出張春時雨
18●カタカナにひらがなのルビ桃の花
19●風光る運転免許のゴールドへ
20●鴨川の水の音散る花の声

21●切りそろふ前髪のそこここに春
22●靴底の花屑ならむゆくえなり
23●球磨川の緑も萌える広葉樹
24●暗闇に吸われし紫煙春愁い
25●国際線ゲートから顔つばめ来る
26●苔むして外人墓地に風光る
27●骨盤に背骨つらなる卯月かな
28●小手毬の後ろめたくもなく咲けり
29●古都の春喧騒の後暮れ泥む
30●湖北なり土手にも田にも桜咲く

31●コンパスをくるりと廻しつばくらめ
32●囀や柱時計のうす埃
33●桜吹雪勝沼ぶどう郷通過
34●桜舞ふ雪のごとくに敷き積もり
35●山水の詩画書三絶春の雨
36●残雪に青沼の風心地よし
37●自転車の別れてゆける夕桜
38●昭和の日秘密を語る胡瓜草
39●新緑や熊本道をそろそろと
40●澄み渡る四方八方囀れり

41●千年の空見守りぬ滝桜
42●大都市をはるかに島の猫の恋
43●旅の果て一人静の白き糸
44●タンポポの絮も螺旋のDNA
45●チューリップ頭採られて列乱る
46●霾るや寺の柱に天狗面
47●鳥交る電話回線工事中
48●罪咎を匿ふてをり小手毬の
49●テント芝居の役者ずぶ濡れ蝿生る
50●飛び入りのブレイクダンス花吹雪

51●菜の花や愛でて食して酔いしれて
52●菜の花を仏花に足して墓参り
53●菜の花や岸の漣打ち消しぬ
54●南無不動明王の幟はためく春嵐
55●奈良漬を試食してをり花の雲
56●な忘れそあの日あの時飛花落花
57●入学式大きく走る鞄の子
58●のどかさを切り裂いて行く漁船かな
59●バゲツトの端の堅さや暮の春
60●葉桜の揺れてをみなの笑ひ声

61●初蝶を追ひし童の髪は宙
62●花筏お堀に映る天守閣
63●花霞島の社の静もりて
64●花種蒔く等しからざる世を生きて
65●花は葉に家訓ある家出でてより
66●花満ちて別れを惜しむやうな空
67●薔薇の門くぐる一輪車の少女
68●春落葉霧吹ほどの雨が降り
69●春の風邪持ち飛行機に乗り込みぬ
70●春灯母の日記の途絶えけり

71●春の日に散歩がてらに菓子を買ひ
72●晴れて来て光と陰の藤の棚
73●飛花落花その数秒の主旋律
74●日長なりもう一畝と稼ぐ妻
75●不等辺三角形の花筏
76●故郷の浜辺は遠し汐干狩り
77●平安の大客星や花の宴
78●ホーホケキョさくら山吹春の風
79●保母さんのお尻に八人新樹光
80●目尻より零るる春の夕焼かな

81●メーデーの集ひの終へし拡声器
82●もう一度撫づる墓標や鳥雲に
83●やはらかく寝息を撫でる春の月
84●行く雲や囀り近く均す畑
85●夜桜やしじまにベール掛けるごと
86●四十年大樹言祝ぐ若葉なり


B部門  「春落葉」「惜」 全句
01●青き目の大道芸や春惜しむ
02●空き箱にほのとチョコの香春惜しむ
03●あざやかな世代交代樟落葉
04●穴ぼこの丸と三角春落葉
05●雨止みて音符なき歌春落葉
06●新たなる春落葉に樟の香や
07●内股で歩く鴉や春落葉
08●うらおもてうらうらおもて春落葉
09●裏の空き地の伐られし桜惜しみけり
10●駅前の広場かしまし春落葉

11●大楠のパワースポット落葉舞ふ
12●大島を仕立て直すや春落葉
13●惜しみなくただ惜しみなく花吹雪
14●惜しみなく吹き込むおぼろ笛一管
15●惜しむよにまだ散るまいぞ桜花
16●風の来て春惜しむもの幾萬ぞ
17●亀鳴いて過ぎたる日々を惜しみけり
18●歓送のエール交々春落葉
19●強敵に二点差の負け春惜しむ
20●串揚げのまだ十二本春惜しむ

21●グランドの春落葉まで大フライ
22●恋惜しむ涙こらえて桃の花
23●庫裏からの湯気のたつぷり春落葉
24●惜命の尼ぞせつなき花の冷
25●シャコンヌはニヘ変ロ澄み春落葉
26●借景はスカイツリーや春落葉
27●新緑や惜しみなく声使ひきり
28●惜春の言葉知らずや鼻病ひ
29●惜春の砂浜に足取られゐて
30●惜春のマリンライナー北上す

31●惜春の最中に詰める餡子かな
32●惜春のらせん階段かけ登る
33●惜春やあふるる水に貝洗ふ
34●惜春やいつもの奥のカウンター
35●惜別の笑顔が滲む春の夜
36●惜別の駅舎に見たり初燕
37●惜別の桜吹雪や命継ぐ
38●惜別を薫風宥む峠駅
39●空色の飛び出す絵本や春惜しむ
40●散る花や別れを惜しむ若葉かな

41●築山にビル群眺め春惜む
42●土を踏む音のやはらか春落葉
43●摘草の母子に日ざし惜しみなき
44●同窓と散策の間に春落葉
45●遠き地の惜しまれし人春に逝く
46●砥の粉色の鳩の落雁春惜しむ
47●今帰仁のグスク若葉や博多惜し
48●パスポート切れ列島の春惜む
49●鳩一羽舞い降りて来て春惜しむ
50●花屑の混じりてゐたる春落葉

51●母連れし駅までの道春落葉
52●春惜しみけり十五回目の忌の花篭
53●春惜しむ風の囁き陽の匂ひ
54●春惜しむカップの縁に紅移し
55●花惜しむ手締めのあとの寮歌かな
56●春落葉一枚毎の物思ひ
57●春落葉受けちんまりと道祖神
58●春落葉おほふ職員駐車場
59●春落葉三渓園は夢の中
60●春落葉資源ごみの日忘れけり

61●春落葉春を過ぎれば海原へ
62●春落葉ひとひら窓に張り付きて
63●春落葉不時着までの時間あり
64●春落葉箒は子等の刀なり
65●春落葉来世を遠き事として
66●春落葉利休最期の茶を立てし
67●春落葉我が身と同じ老いにけり
68●磐梯の残雪惜しむ爆裂火口
69●ハンバーガー頬ばって春惜しみけり
70●風雨来(らい)籠りて春を惜しみけり

71●古里に猫バスありて春惜しむ
72●放課後の長き補習や春落葉
73●歩道橋の風に蕊ゐて春落葉
74●ぼんやりと連休の窓春惜しむ
75●まなざしに触れてよろこぶ春落葉
76●満開を過ぐる車窓や春惜しむ
77●見てみられ触れてふれられ春惜しむ
78●耳澄ませば鼓笛の音や春惜しむ
79●柔き苔の上にも春落葉降る
80●わが余命惜しや楽しや春落葉

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152号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 4月 2日(日)12時09分29秒
返信・引用
  A部門  全88句
01●いかなごの高値に箸の迷ひけり
02●イタリア製尻形の椅子めかり時
03●一盞の酒一輪の紅椿
04●一歩づつ遊びながらの日永かな
05●ヴィタミンIタッパー詰むるはうれん草
06●うぐひすの声のさなかに郵便夫
07●うぐいすや鏡のごとき山の池
08●うららかや陽の中に見る綿埃
09●大粒の真珠のピアス春愁ひ
10●音もなく山茱萸の花朝告げる

11●衰へし耳目や春愁なるもまた
12●階段に踊り場のある日永かな
13●陽炎やシルク着て撮るレントゲン
14●河童来て春の魚を振舞へり
15●亀鳴くや酵素と酸素まちがへる
16●鴨三羽残され春は刻こくと
17●黄水仙主なくとも庭に咲く
18●北窓を開くやばさと鳥の影
19●鏡面の端に映りて春の月
20●「黒髪」を舞う人卒寿恋の猫

21●県境の看板はすに蕨狩
22●子を送るバスを待つ間のおぼろ月
23●囀やわが静脈の洗はれて
24●四月馬鹿マイナンバーは十二桁
25●子規庵に線路の響き鳥ぐもり
26●しやぼん玉の中に入りたる心地かな
27●修復の瓦積まれて草青む
28●しゃくしゃくと新玉葱を刻みけり
29●春日や時間の止まるボルガ川
30●春昼てふ空虚の中を歩みけり

31●春灯や妻を美人にする睡魔
32●スピーチのまだまだ続く春の雨
33●滑り台経由シーソー行きの蝶
34●すり寄りし猫のくしゅんと花粉症
35●千年の後の世にほふ花疲れ
36??即興の今様で舞ふ雪柳
37●卒業の花道に悲喜友の垣
38●ダイエット椿のやうに落ちぬかナ
39●卵かけご飯の口福春の宿
40●つくしんぼ爬虫類にもなりさふな

41●つり目しておきあげ雛居並べり
42●デイサービス無き日や夫の春炬燵
43??天上の作家目指して辛夷咲く
44●菜の花や光匂へる画用紙と
45??二十度を超えず三月終はりけり
46●白木蓮(はくれん)や夜目に袖振る天女かな
47●初虹の淡きプリズム陽の吐息
48●花束のやうな言の葉すみれ草
49●花祭り仏陀を聞いてアーナンダ
50●母は子を婆は犬抱き梅仰ぐ

51●春雨の後(のち)のしじらの東山
52●春の風更地にホンプ井戸ひとつ
53●春の蚊やふっと現われふっと消ゆ
54●春の航子の声はじけ親の声
55●春の昼パンになりたい強力粉
56●春の夕指の間を落つる本
57●パンケーキに蜜のさざなみ春の風邪
58●彼岸餅山まだ白き湖北かな
59●日の暮れて巣箱がからのままだから
60●ひるがおや弥生遺跡の丘に立ち

61●病窓に一年振りの桜見ゆ
62●故郷の鉄路廃され土筆採り
63●フローラにゼフュロスのキス不意に春
64●まだ揺れてゐるふらここを懐かしむ
65●真つ直ぐな男雛の視線受け止める
66●丸顔のキャッチャーミットいぬふぐり
67●ミキサーの鰆を食みて老ひてゆく
68●身の内のからつぽの管山櫻
69●ミモザ咲く谷中銀座の屋根に猫
70●虫たちも一気の春に慌てをり

71●虫の寄る音聞き流し養花天
72●闇に咲く椿の命猫走る
73●ヨット数多島影を出て春の声
74●檸檬忌やひとりにひとつ手榴弾
75●路地裏にラードの匂ひ燕来る
76●わらびもち露天で売って二十年
77●クリップの曲線きらり燕来る
78●少年も少女もおぼろ遠筑波
79●のどけしや日誌の損じ多くあり
80●花菜雨遺影の額を磨きけり

81●花の世の一期の酒に酔ふばかり
82●春の日にチャリまたいで風に乗る
83●春の夜のウオーキングはまた楽し
84●一人身の春めく日々の虚しさよ
85●雲雀野に巡る季節の万華鏡
86●愛魚女や煮付けも楽し春本番
87●桜待ち右往左往の皆の衆
88●白ウオや室見の簗で春すくう

B部門  「鳥曇」「鳥雲に」「取」 全73句

01●愛嬌無し取り柄はひとつおぼろ月
02●相寄りて翔ちし鳥あり春の海
03●灰汁取りののの字が描く斑雪
04??油山姿うつろな鳥曇
05●枝々に弾ける兆し鳥曇
06●遠投の球の行方や鳥曇
07●送られる身の軽重や鳥曇
08●お水取火の粉抱くべき人の群
09●面影も想いも連れて鳥雲へ
10●亀鳴きぬ取材テープのこのあたり

11●ガレージの使はぬ車鳥曇
12●川べりの場所取り合ひて花見かな
13●気がつけば齢取っている鳥曇
14●口笛のとぎれとぎれや鳥雲に
15●熊本は土筆のはかま取りし祖母
16●クロサワの「どですかでん」や鳥雲に
17●コンビナートの煙の流れ鳥曇
18●三両の電車東へ鳥雲に
19●歯科出づる涙目の子鳥雲に
20●春塵や爪先立ちで取る小箱

21●春昼や錆びたる鍬を取り出しぬ
22●水紋の二重に三重に鳥雲に
23●すれ違ふ石のふたつよ鳥雲に
24●静電気来るや来るぞと取っ手引く
25●関取のピンクの背中百千鳥
26●忖度の取つ散らかつてゐて朧
27●楽しさと言ふ春の声鳥の声
28●チェロ弾きの漏らす吐息や鳥曇
29●褄取りて急ぐ白足袋月おぼろ
30●出合橋縁を取り成す桃の花

31●手を取りて進む吊り橋鳥雲に
32??天下取り十日で良けれ大桜
33●頭取のような氣分で春の宵
34●図書館のいねむる人や鳥雲に
35●取っ組み合いの仕方を忘れ蒙古風
36●鳥風や絵には恋人たちが飛ぶ
37●鳥雲に入りたるほどにロブ上げる
38●鳥雲に追われて子らの急ぎ足
39●鳥雲に玄海灘に浮かぶ島
40●鳥雲に五色の味のあんこ玉

41●鳥雲に過ぎ去るものと残るもの
42●鳥雲に整列の笛鳴り渡る
43●鳥雲に東京タワーのトリミング
44●鳥雲に取り越し苦労ばかりして
45●鳥雲にポッケに残る五円玉
46●とりぐもりけふはしわたるかいつうび
47●鳥曇カラスは群れて低く啼く
48●鳥曇り水道管の水の音
49●鳥曇止まり木何処甲高し
50●鳥曇日本列島逆さ地図

51●鳥曇目をくらませるメイクラブ
52●鳥曇リハビリ室は混みあつて
53●取りて見む荒れ野の中の花菫
54●取りどりにおもんばかつて花の冷
55●菜の花や竹取姫待つふじの山
56●入試問題一枚取りて芋を剥く
57●遺されて守るマイホーム鳥雲に
58●初蝶や取り替えばやと小さき声
59●初虹を取らんと伸ばす白き腕
60●花と酒ことほどさやうな取り合わせ

61●春トマト取りどり古都のカフェテラス
62●尾てい骨したたかに打つ鳥曇
63●不登校の子の落書きや鳥雲に
64●補助輪の取れてジグザグ春帽子
65●ポリープのあるやなしや鳥曇
66●待ちわびるぬる燗もよし鳥曇
67??水城より遥か対馬を鳥雲に
68●目の下の隈がとれない春の雪
69●盛りあがるミルクの表面鳥雲に
70●夢を取る網を仕掛けて鳥交る

71●予備校のひしめく街や鳥雲に
72●ラマのゐるボリビア国旗鳥雲に
73●腸(わた)取られ一物もなしするめ烏賊
74●老ノ坂手を取る孫や紫木蓮
75●お地蔵の遠き眼差し鳥雲に
76●下萌えや取説に無き恋心
77●そよ風に鳥風聞きて巣立つ人
78●鳥帰る再の字多きテレビ欄
79●鳥風に耳を澄ませば笑みが湧く
80●鳥雲にまだ寒かりし夕陽映え

81●鳥曇週末ひとりの出勤日
82●秘密基地見取り図に無き桃の花
83●鳥取の若桜を目指す土筆道
84●取手から勿来の関や春休み
85●若鳥や流氷越えて鳥曇り

http://www.geocities.jp/gekkason/

 

152号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 4月 1日(土)23時09分49秒
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  A部門  全88句

01●いかなごの高値に箸の迷ひけり
02●イタリア製尻形の椅子めかり時
03●一盞の酒一輪の紅椿
04●一歩づつ遊びながらの日永かな
05●ヴィタミンIタッパー詰むるはうれん草
06●うぐひすの声のさなかに郵便夫
07●うぐいすや鏡のごとき山の池
08●うららかや陽の中に見る綿埃
09●大粒の真珠のピアス春愁ひ
10●音もなく山茱萸の花朝告げる

11●衰へし耳目や春愁なるもまた
12●階段に踊り場のある日永かな
13●陽炎やシルク着て撮るレントゲン
14●河童来て春の魚を振舞へり
15●亀鳴くや酵素と酸素まちがへる
16●鴨三羽残され春は刻こくと
17●黄水仙主なくとも庭に咲く
18●北窓を開くやばさと鳥の影
19●鏡面の端に映りて春の月
20●「黒髪」を舞う人卒寿恋の猫

21●県境の看板はすに蕨狩
22●子を送るバスを待つ間のおぼろ月
23●囀やわが静脈の洗はれて
24●四月馬鹿マイナンバーは十二桁
25●子規庵に線路の響き鳥ぐもり
26●しやぼん玉の中に入りたる心地かな
27●修復の瓦積まれて草青む
28●しゃくしゃくと新玉葱を刻みけり
29●春日や時間の止まるボルガ川
30●春昼てふ空虚の中を歩みけり

31●春灯や妻を美人にする睡魔
32●スピーチのまだまだ続く春の雨
33●滑り台経由シーソー行きの蝶
34●すり寄りし猫のくしゅんと花粉症
35●千年の後の世にほふ花疲れ
36??即興の今様で舞ふ雪柳
37●卒業の花道に悲喜友の垣
38●ダイエット椿のやうに落ちぬかナ
39●卵かけご飯の口福春の宿
40●つくしんぼ爬虫類にもなりさふな

41●つり目しておきあげ雛居並べり
42●デイサービス無き日や夫の春炬燵
43??天上の作家目指して辛夷咲く
44●菜の花や光匂へる画用紙と
45??二十度を超えず三月終はりけり
46●白木蓮(はくれん)や夜目に袖振る天女かな
47●初虹の淡きプリズム陽の吐息
48●花束のやうな言の葉すみれ草
49●花祭り仏陀を聞いてアーナンダ
50●母は子を婆は犬抱き梅仰ぐ

51●春雨の後(のち)のしじらの東山
52●春の風更地にホンプ井戸ひとつ
53●春の蚊やふっと現われふっと消ゆ
54●春の航子の声はじけ親の声
55●春の昼パンになりたい強力粉
56●春の夕指の間を落つる本
57●パンケーキに蜜のさざなみ春の風邪
58●彼岸餅山まだ白き湖北かな
59●日の暮れて巣箱がからのままだから
60●ひるがおや弥生遺跡の丘に立ち

61●病窓に一年振りの桜見ゆ
62●故郷の鉄路廃され土筆採り
63●フローラにゼフュロスのキス不意に春
64●まだ揺れてゐるふらここを懐かしむ
65●真つ直ぐな男雛の視線受け止める
66●丸顔のキャッチャーミットいぬふぐり
67●ミキサーの鰆を食みて老ひてゆく
68●身の内のからつぽの管山櫻
69●ミモザ咲く谷中銀座の屋根に猫
70●虫たちも一気の春に慌てをり

71●虫の寄る音聞き流し養花天
72●闇に咲く椿の命猫走る
73●ヨット数多島影を出て春の声
74●檸檬忌やひとりにひとつ手榴弾
75●路地裏にラードの匂ひ燕来る
76●わらびもち露天で売って二十年
77●クリップの曲線きらり燕来る
78●少年も少女もおぼろ遠筑波
79●のどけしや日誌の損じ多くあり
80●花菜雨遺影の額を磨きけり

81●花の世の一期の酒に酔ふばかり
82●春の日にチャリまたいで風に乗る
83●春の夜のウオーキングはまた楽し
84●一人身の春めく日々の虚しさよ
85●雲雀野に巡る季節の万華鏡
86●愛魚女や煮付けも楽し春本番
87●桜待ち右往左往の皆の衆
88●白ウオや室見の簗で春すくう

B部門  「鳥曇」「鳥雲に」「取」 全73句

01●愛嬌無し取り柄はひとつおぼろ月
02●相寄りて翔ちし鳥あり春の海
03●灰汁取りののの字が描く斑雪
04??油山姿うつろな鳥曇
05●枝々に弾ける兆し鳥曇
06●遠投の球の行方や鳥曇
07●送られる身の軽重や鳥曇
08●お水取火の粉抱くべき人の群
09●面影も想いも連れて鳥雲へ
10●亀鳴きぬ取材テープのこのあたり

11●ガレージの使はぬ車鳥曇
12●川べりの場所取り合ひて花見かな
13●気がつけば齢取っている鳥曇
14●口笛のとぎれとぎれや鳥雲に
15●熊本は土筆のはかま取りし祖母
16●クロサワの「どですかでん」や鳥雲に
17●コンビナートの煙の流れ鳥曇
18●三両の電車東へ鳥雲に
19●歯科出づる涙目の子鳥雲に
20●春塵や爪先立ちで取る小箱

21●春昼や錆びたる鍬を取り出しぬ
22●水紋の二重に三重に鳥雲に
23●すれ違ふ石のふたつよ鳥雲に
24●静電気来るや来るぞと取っ手引く
25●関取のピンクの背中百千鳥
26●忖度の取つ散らかつてゐて朧
27●楽しさと言ふ春の声鳥の声
28●チェロ弾きの漏らす吐息や鳥曇
29●褄取りて急ぐ白足袋月おぼろ
30●出合橋縁を取り成す桃の花

31●手を取りて進む吊り橋鳥雲に
32??天下取り十日で良けれ大桜
33●頭取のような氣分で春の宵
34●図書館のいねむる人や鳥雲に
35●取っ組み合いの仕方を忘れ蒙古風
36●鳥風や絵には恋人たちが飛ぶ
37●鳥雲に入りたるほどにロブ上げる
38●鳥雲に追われて子らの急ぎ足
39●鳥雲に玄海灘に浮かぶ島
40●鳥雲に五色の味のあんこ玉

41●鳥雲に過ぎ去るものと残るもの
42●鳥雲に整列の笛鳴り渡る
43●鳥雲に東京タワーのトリミング
44●鳥雲に取り越し苦労ばかりして
45●鳥雲にポッケに残る五円玉
46●とりぐもりけふはしわたるかいつうび
47●鳥曇カラスは群れて低く啼く
48●鳥曇り水道管の水の音
49●鳥曇止まり木何処甲高し
50●鳥曇日本列島逆さ地図

51●鳥曇目をくらませるメイクラブ
52●鳥曇リハビリ室は混みあつて
53●取りて見む荒れ野の中の花菫
54●取りどりにおもんばかつて花の冷
55●菜の花や竹取姫待つふじの山
56●入試問題一枚取りて芋を剥く
57●遺されて守るマイホーム鳥雲に
58●初蝶や取り替えばやと小さき声
59●初虹を取らんと伸ばす白き腕
60●花と酒ことほどさやうな取り合わせ

61●春トマト取りどり古都のカフェテラス
62●尾てい骨したたかに打つ鳥曇
63●不登校の子の落書きや鳥雲に
64●補助輪の取れてジグザグ春帽子
65●ポリープのあるやなしや鳥曇
66●待ちわびるぬる燗もよし鳥曇
67??水城より遥か対馬を鳥雲に
68●目の下の隈がとれない春の雪
69●盛りあがるミルクの表面鳥雲に
70●夢を取る網を仕掛けて鳥交る

71●予備校のひしめく街や鳥雲に
72●ラマのゐるボリビア国旗鳥雲に
73●腸(わた)取られ一物もなしするめ烏賊
74●老ノ坂手を取る孫や紫木蓮
75●お地蔵の遠き眼差し鳥雲に
76●下萌えや取説に無き恋心
77●そよ風に鳥風聞きて巣立つ人
78●鳥帰る再の字多きテレビ欄
79●鳥風に耳を澄ませば笑みが湧く
80●鳥雲にまだ寒かりし夕陽映え

81●鳥曇週末ひとりの出勤日
82●秘密基地見取り図に無き桃の花
83●鳥取の若桜を目指す土筆道
84●取手から勿来の関や春休み
85●若鳥や流氷越えて鳥曇り

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151号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 3月 1日(水)07時59分14秒
返信・引用
  A部門  全79句

01●暁に浮かぶ影絵やうかれ猫
02●空缶に煙る吸殻鳥の恋
03●値千金雛に壺酒と俳の友
04●アネモネや恋の終りは紫に
05●淡雪に触れてあの夜の火の記憶
06●いい顔で君逝きしとふ梅の朝
07●痛痒し春一番の鞭と愛
08●一見で祇園巡りて川光る
09●一輪にこぼれる程の美し梅
10●いつまでも見送る母や雪残る

11●居眠りのよだれ拭うや涅槃西風
12●鶯のこゑ裏返るインスタグラム
13●薄氷に歪みし貌を踏みゐたり
14●梅が香に日増しの光り子等の声
15●梅日和組紐の色変えてみる
16●うららけしさざ波の背に夕日乗る
17●朧夜や電子辞書より声のして
18●思ひ出のごとくぬるくて春炬燵
19●堅雪も笑う陽だまり靴の跡
20●加齢なる女系家族の雛の宴

21??寒明や鴉の声に力あり
22●恐竜の骨のボルトや冴返る
23●草青む大道芸の触れ太鼓
24●嘴の飛び出しさうな春列車
25●靴音は軽く月冴ゆ金星冴ゆ
26●罌粟の花大きな傘を傾けて
27●化粧水減るは二月の素肌美人
28●獣ゐた気配や根開く寒の明
29●黒板の傘形の傷春浅し
30●寒き朝風に吹かれし葉一葉

31●事務室に受くる卒業証書かな
32●周辺は中心となり木の芽かな
33●しゅんかんやここにわたしのゐるふしぎ
34●春暁や夜汽車の刻む四拍子
35●春光のかけら啄む白き鳩
36●純白は汚れ易きよ辛夷の芽
37●上京の予定の知らせ雨水の日
38●捨て舟にさざ波寄する日永かな
39●静寂といふ音を聴く冬の夜
40●大宰府や人妻の春美しく

41●紬着て坂道多き雛の町
42●鯛の身の薄くれなゐや春浅し
43●強気です宣伝部長春一番
44●手鏡に笑ひかけたる朧月
45??飛ぼうにも梅の花びら丸過ぎる
46●鳥雲にスマートフォンの鳴らない日
47??奴の国や古今東西山笑ふ
48●猫屋敷白き小さき梅の花
49●涅槃会や子犬も寝間に横たわり
50●能登の海春打ち寄せてうちよせて

51●野火のごと初めて父に褒められし
52●春浅しアイスホテルで過ごす夢
53●春一番列車遅延のアナウンス
54●春風や花は愛され花になる
55●春風や春樹の本を読み始む
56●春時雨濡れて行くにはまだ早し
57●春の雨傘をささずに立つ少年
58●春の鴨雌雄ほどよき距離にあり
59●春の旅アリバイ工作ままならず
60●春の雪幻住庵へ下る径

61●春待ちて人は愛され人になる
62●ピカソの女の顔して花粉症
63●美術館の真白き壁や春愁
64●美術室よりニスの香や鳥の恋
65●一人ぼち春一番の隣かな
66●ぶらんこや羽化する時を待つ気分
67●古き写真のおかつぱ頭けしの花
68●ふる里に土管公園犬ふぐり
69●降る雪や忘れずにゐる難しさ
70●ベクトルの向き夢駅の新卒者

71●ペン先より生るる音符や風光る
72●窓のある絵本窓の形にかげろへる
73●迷い入る尾道の猫日向ぼこ
74●山茱萸の花の弾けて小腹空く
75●雪の日に窓越しに見ゆ山の峰
76●雪降るや子の歩幅とは狭きもの
77●リリカルな風を纏ひて初蝶来
78●惑星の水の胎動蝌蚪生るる
79●をみなよりをんな流るる雪解川

B部門  「土筆」「出」 全77句

01●愛犬の名を教へ合ふ土筆かな
02●青空を大地に吸い込む土筆かな
03●あぜ道の土ほつこりやつくしんぼ
04●嵐呼ぶ屋根の出入りや恋の猫
05●淡雪やペコちやん永久に舌出して
06●いつせいに尿(ばり)する子らや土筆出づ
07●裏山は宝の山よ土筆摘む
08●絵手紙の土筆がすくと背伸びする
09●大雪に出るに出られず靴揃え
10●幼子がざるに競いしつくしんぼ

11●お握りの丸と三角土筆ん坊
12●思い出を抱きたる母や大野焼
13●思ひ出をコピー機にかけ春うらら
14●朧夜や砥石をさがす出刃包丁
15●塊を掘り出すやうに畑起こす
16●木津川を通勤電車つくし摘む
17●昆布出汁にほろほろ揺れる白き肌
18●寒き朝布団くるまり夢心地
19●爺いつも後出しのぐう山笑ふ
20●静けさや外出た途端息白し

21●出航やミモザの花のゆさゆさと
22●出立に結いし黒髪匂う梅
23●春愁に出店覗きて息一つ
24●春愁の詩的部分を抽出す
25●春泥や心閉ざして目出し帽
26●スキップのうまくできないつくしんぼ
27●すずさんがやって来さうな土筆かな
28●掃除機に掃除機をかけつくつくし
29●早春や出口宏てふ神友
30●地虫出づルーマニアより友来たる

31●出汁巻の卵ふつくら草青む
32??筑後川土手はつくしの演舞場
33●土筆摘む外人一家都府楼址
34●土筆出て吾子は近江の人となる
35●土筆採り袴取り賃先払ひ
36●土筆野の一本づつの孤独かな
37●土筆野ややがて消えゆく筑紫郡
38●土筆生ふトロッコ列車のとおりみち
39●つくしんぼあれは幼き恋でした
40●つくしんぼ丘の校舎は二階建て

41●つくしんぼ出張先の土手ひかる
42●つくしんぼそっとおひさまかかえこむ
43●つくしんぼ摘んで故郷遠くせり
44●つくしんぼ振るや緑の粉に未来
45●つくしんぼ見つけられずに夕鴉
46●つくづくし追ひつ追はれつつんのめる
47●つくづくし恋が生み出す言葉かな
48●坪庭や陶の河童と土筆んぼ
49??鶴帰る出水の空はがらん堂
50●連れ合いがまた前に出る土筆摘み

51●出かけるとお膳にメモや風光る
52●手づくりの小鉢つくしの卵とじ
53●遠き日にさそはれて摘むつくしかな
54●遠出して春の形を見つけたよ
55??どんどんと問題解けるつくしんぼ
56●ニョキニョキと土筆軍団背~比べ
57●袴取り土筆の母子イヤンバカ
58●鉢植の土筆や宰府人の列
59●馬糞には良き土筆摘み手戦く
60●光る風三たび拙句の世に出づる

61●日の出荘お散歩道のふきのとう
62●風天の歩みを止めし筆の花
63●プーさんはいつもの出窓ひな祭り
64●筆の花いっき呵成のエネルギー
65●ふる里の思ひ出辿る雪解川
66●ベーグルのチーズはみ出す余寒かな
67●星空を早く見たくて蛇出づる
68●見送りは島を総出や卒業子
69●耳たぶを撫でる癖ありつくしんぼ
70●瞑想の出湯の猿や春の雪

71●やはらかく我を締め出す春の闇
72●山笑ふ出土の壺に耳二つ
73●夕やみの色の次第につくづくし
74●離任の日土筆の浴びし夕陽かな
75●留学の出船霞みし脊振山
76●湧き出づる手水は春の音なして
77●わり算の出来ぬ関係雛の夜


http://www.geocities.jp/gekkason/

 

150号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 2月 1日(水)09時59分20秒
返信・引用
  A部門  全82句
01●愛犬の逝きて八年日向ぼこ
02●あたふたと乗り込む窓に初日の出
03●銀杏枯る学徒動員ありし道
04●凍てし空水煙燻り龍なりぬ
05●凍蝶や次のルフラン声に出ず
06●うつし世の闇を吸ひたる雪明り
07●お年玉肩叩く手に渡りけり
08●鬼すべや鬼待つ人のえびす顔
09●オリオンや父ベテルギウス母リーゲル
10●過去の街三十年後の月冴ゆる

11●風花やお城の石に残る家紋
12●風花や国境の壁高く積む
13●悴める手にぬくもりや七等星
14●変わりなしと妻のメールや寒椿
15●寒月や泣く子の口に乳ぼうろ
16●寒晴れや青きシュプール目に痛し
17●寒旱磨くガラスに夕日差す
18●寒北斗連れてトンネル出でにけり
19●きのうまで荒星けふはマシュマロに
20●黄の蕊の冬椿見ゆ一人散歩

21●草なぎの剣はねむり梅早し
22●クラリネット窓越しに聞く春隣
23●クレヨンの小箱へ春の近づき来
24??校長の作りし汁粉鏡割
25●声上ぐるデモ行進や寒きびし
26●子と叩く音の大小初詣
27●言祝ぐや150迎え梅の花
28●冴え返る鉄の門扉の軋む朝
29●砂漠這う猟犬の目の鋭さよ
30●冴ゆる夜の白米の白ことさらに

31●純愛は移ろひ易すき冬の雲
32●焦点をあわす眩暈や寒昴
33●水仙や死にゆく母を見つくして
34●節分に徐々迫りて運転ず
35●大寒の上着を脱いでやせがまん
36●大寒や独居老人認知症
37●たい焼やかけらついばむ鳩の冬
38●角の先撫ぜて小鬼は春をを待つ
39●地吹雪やパンドラの箱開いたのか
40●店員の勧め上手や春隣

41●灯油屋のやつて来る音寒夕焼
42●どの恋も進化の過程春隣り
43●トランプは神か悪魔か冬ざるる
44●どんどの火果てて青空人と風
45●七草や土鍋をこそげ食べ尽くす
46●波立てて三寒四温がやって来る
47●ナレーターはあの大女優淑気満つ
48●猫のゆく方がすなはち恵方道
49●猫膝に片手は猪口の寒の内
50●野良猫の硬き眠りや春遠し

51●裸木のは歯向かつてゐる空の青
52●初旅や十八きつぷの二人連れ
53●パノラマの光る稜線雪信濃
54●陽射し受け星座のごとく浮寝鳥
55●久女の忌「株式会社・女」です
56●火を囲む施設の子らよ年新た
57●冬空や枝に残れる黒き柿
58●冬蝶や客観写生てふ呪縛
59●冬の池かけやと木杭置きしまま
60●冬の薔薇昔密かにひと愛す

61●冬ぼたん五重塔の空青し
62●ブルカ越し彫りの深さや冬の薔薇
63●星の空 雪のから松林かな
64●マラソンの掛け声遠く山眠る
65??土竜打えばりんぼうの大統領
66●焼葱や一升瓶がからつぽに
67●山路越え母待つ里の木守柿

68●山深し黒白緋色寒の鯉
69●夕月の紙のごと透く三日かな
70●行き生きて碁盤の街や息白し

71●雪しずり子役十五に為らんとす
72●雪の絵の切腹の間や山眠る
73●雪深き富士山頂に観測所
74●湯けむりの合間見つけし寒北斗
75●夢ひとつ黒髪に落つ風花や
76●蓮根の香り残れる雑煮かな
77●ローソンのスイーツ前の御慶かな
78●150お粗末900我の四季
79●150号を重ねて春隣
80●ピラカンサス寒禽を呼ぶ魔法かな
81●冬萌や細道分けて曾良の墓
82●分骨の墓に虚子の字久女の忌

B部門  「三日」「和」 全76句
01●藹藹と和やかなるは初日の出
02●上がり手は平和(ピンフ)ドライチ四方の春
03●いつもごと三日坊主のダイエット
04●凍星や昭和三十五年生れ
05●ウイスキービール甘酒はや三日
06●駅伝に飽きて居眠る三日かな
07●尾道や三日の露地に迷い入る
08●風花や和菓子屋覗く舞妓さん
09●和子さんの米寿の笑顔三日かな
10●風邪癒えて三日の午後の泣き笑い

11●竈猫三和土に降りて髭ぴんと
12●川向うの草を食む鹿三日かな
13●寒オリオン三日三夜さの宿し込み
14●寒の明ワインの深紅和紙に透く
15●くっついて離れぬ血筋三日かな
16●月曜毎三寒四温巡り雪
17??琴の音のBGMや三が日
18●酒蔵の暗き三和土や隙間風
19●傘寿なる三日酒中にて終へる
20●施設より一時帰宅の三日かな

21●昭和から妖艶だとは雪女
22●霜の夜や和式便所のLED
23●新年会三代目にはをのこ和す
24●空淡き大和まほろば冬雲雀
25●大寒に沿ふや和箪笥軋む音
26●待春の指輪のやうな和菓子かな
27●托鉢の異人和尚や初御空
28●暖を取り和やかなるも震えつつ
29●妻と老ひ三日静かな時を受く
30●遠富士も少し見飽きし三日かな

31●年初め三日過ぎ行き暗くなり
32●屠蘇を酌み去年の和みを語るかな
33??飛び立つる鳥の形の和三盆
34●鳶笛の時計回りや寒日和
35●酉の図の飾り寿司巻く冬日和
36●眠る山昭和の夢を見てをらむ
37●初恋の甘味儚き和三盆
38●初孫に小梅の匂ひ和三盆
39●母好みに大納言炊く三日かな
40●はや三日朝湯朝酒いい女将

41●春隣和綴じの本の赤き糸
42●晴れの日も三日ぼうずで雪が降る
43●抽斗にジョーカー戻る三日かな
44●氷面鏡三日坊主と言はれても
45●夫婦まだ相和してゐる三日かな
46●福寿草のレジ横にある和菓子店
47●冬凪や昭和の人と括られて
48●冬日和宙を吸ひ込む河馬の鼻
49●ブラックの珈琲にする三日かな
50●文庫本手に馴染みゐる三日かな

51●平和の字大きく子らの筆始
52●平和呆け気づかぬ人ら初恵比寿
53●舞ひ降りしつがひの凍鶴平和なり
54●またしても三日坊主とや雪催い
55●まだ三日帰京の吾子のもう三日
56●松過ぎの和服着て行くクラス会
57●ミシン踏む昭和の母のちゃんちゃこ
58●味噌和へにしてみたき草春近し
59●三日かな配達人の小走りに
60●三日経てばみんな忘れて寒の木瓜

61●三日はやスーパーのレジ混み合ひぬ
62●三日はや性善説を捨てさりぬ
63●三日はや永久の形に眠る猫
64●三日はや揺るるハートのマグカップ
65●もう一度札並べたし三日の夜
66●屋根の角無くす三日目朝の雪
67●雪合戦に交じつてゐたる和尚かな
68●リビングに和を設ひて初硯
69●ルパンはや徘徊しだす三日かな
70●和菓子屋のま白き暖簾冴え冴えと

71●和ダンスの傷を数へて春隣り
72●和の一字総てを包む雪の国
73●倭の和の輪の國や初富士ゆるぎなし
74●繋がらぬ襷に涙する三日
75●鳶の声和む公園春近し
76●楪の末広がりぬ三日かな

 

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