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152号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 4月 2日(日)12時09分29秒
返信・引用
  A部門  全88句
01●いかなごの高値に箸の迷ひけり
02●イタリア製尻形の椅子めかり時
03●一盞の酒一輪の紅椿
04●一歩づつ遊びながらの日永かな
05●ヴィタミンIタッパー詰むるはうれん草
06●うぐひすの声のさなかに郵便夫
07●うぐいすや鏡のごとき山の池
08●うららかや陽の中に見る綿埃
09●大粒の真珠のピアス春愁ひ
10●音もなく山茱萸の花朝告げる

11●衰へし耳目や春愁なるもまた
12●階段に踊り場のある日永かな
13●陽炎やシルク着て撮るレントゲン
14●河童来て春の魚を振舞へり
15●亀鳴くや酵素と酸素まちがへる
16●鴨三羽残され春は刻こくと
17●黄水仙主なくとも庭に咲く
18●北窓を開くやばさと鳥の影
19●鏡面の端に映りて春の月
20●「黒髪」を舞う人卒寿恋の猫

21●県境の看板はすに蕨狩
22●子を送るバスを待つ間のおぼろ月
23●囀やわが静脈の洗はれて
24●四月馬鹿マイナンバーは十二桁
25●子規庵に線路の響き鳥ぐもり
26●しやぼん玉の中に入りたる心地かな
27●修復の瓦積まれて草青む
28●しゃくしゃくと新玉葱を刻みけり
29●春日や時間の止まるボルガ川
30●春昼てふ空虚の中を歩みけり

31●春灯や妻を美人にする睡魔
32●スピーチのまだまだ続く春の雨
33●滑り台経由シーソー行きの蝶
34●すり寄りし猫のくしゅんと花粉症
35●千年の後の世にほふ花疲れ
36??即興の今様で舞ふ雪柳
37●卒業の花道に悲喜友の垣
38●ダイエット椿のやうに落ちぬかナ
39●卵かけご飯の口福春の宿
40●つくしんぼ爬虫類にもなりさふな

41●つり目しておきあげ雛居並べり
42●デイサービス無き日や夫の春炬燵
43??天上の作家目指して辛夷咲く
44●菜の花や光匂へる画用紙と
45??二十度を超えず三月終はりけり
46●白木蓮(はくれん)や夜目に袖振る天女かな
47●初虹の淡きプリズム陽の吐息
48●花束のやうな言の葉すみれ草
49●花祭り仏陀を聞いてアーナンダ
50●母は子を婆は犬抱き梅仰ぐ

51●春雨の後(のち)のしじらの東山
52●春の風更地にホンプ井戸ひとつ
53●春の蚊やふっと現われふっと消ゆ
54●春の航子の声はじけ親の声
55●春の昼パンになりたい強力粉
56●春の夕指の間を落つる本
57●パンケーキに蜜のさざなみ春の風邪
58●彼岸餅山まだ白き湖北かな
59●日の暮れて巣箱がからのままだから
60●ひるがおや弥生遺跡の丘に立ち

61●病窓に一年振りの桜見ゆ
62●故郷の鉄路廃され土筆採り
63●フローラにゼフュロスのキス不意に春
64●まだ揺れてゐるふらここを懐かしむ
65●真つ直ぐな男雛の視線受け止める
66●丸顔のキャッチャーミットいぬふぐり
67●ミキサーの鰆を食みて老ひてゆく
68●身の内のからつぽの管山櫻
69●ミモザ咲く谷中銀座の屋根に猫
70●虫たちも一気の春に慌てをり

71●虫の寄る音聞き流し養花天
72●闇に咲く椿の命猫走る
73●ヨット数多島影を出て春の声
74●檸檬忌やひとりにひとつ手榴弾
75●路地裏にラードの匂ひ燕来る
76●わらびもち露天で売って二十年
77●クリップの曲線きらり燕来る
78●少年も少女もおぼろ遠筑波
79●のどけしや日誌の損じ多くあり
80●花菜雨遺影の額を磨きけり

81●花の世の一期の酒に酔ふばかり
82●春の日にチャリまたいで風に乗る
83●春の夜のウオーキングはまた楽し
84●一人身の春めく日々の虚しさよ
85●雲雀野に巡る季節の万華鏡
86●愛魚女や煮付けも楽し春本番
87●桜待ち右往左往の皆の衆
88●白ウオや室見の簗で春すくう

B部門  「鳥曇」「鳥雲に」「取」 全73句

01●愛嬌無し取り柄はひとつおぼろ月
02●相寄りて翔ちし鳥あり春の海
03●灰汁取りののの字が描く斑雪
04??油山姿うつろな鳥曇
05●枝々に弾ける兆し鳥曇
06●遠投の球の行方や鳥曇
07●送られる身の軽重や鳥曇
08●お水取火の粉抱くべき人の群
09●面影も想いも連れて鳥雲へ
10●亀鳴きぬ取材テープのこのあたり

11●ガレージの使はぬ車鳥曇
12●川べりの場所取り合ひて花見かな
13●気がつけば齢取っている鳥曇
14●口笛のとぎれとぎれや鳥雲に
15●熊本は土筆のはかま取りし祖母
16●クロサワの「どですかでん」や鳥雲に
17●コンビナートの煙の流れ鳥曇
18●三両の電車東へ鳥雲に
19●歯科出づる涙目の子鳥雲に
20●春塵や爪先立ちで取る小箱

21●春昼や錆びたる鍬を取り出しぬ
22●水紋の二重に三重に鳥雲に
23●すれ違ふ石のふたつよ鳥雲に
24●静電気来るや来るぞと取っ手引く
25●関取のピンクの背中百千鳥
26●忖度の取つ散らかつてゐて朧
27●楽しさと言ふ春の声鳥の声
28●チェロ弾きの漏らす吐息や鳥曇
29●褄取りて急ぐ白足袋月おぼろ
30●出合橋縁を取り成す桃の花

31●手を取りて進む吊り橋鳥雲に
32??天下取り十日で良けれ大桜
33●頭取のような氣分で春の宵
34●図書館のいねむる人や鳥雲に
35●取っ組み合いの仕方を忘れ蒙古風
36●鳥風や絵には恋人たちが飛ぶ
37●鳥雲に入りたるほどにロブ上げる
38●鳥雲に追われて子らの急ぎ足
39●鳥雲に玄海灘に浮かぶ島
40●鳥雲に五色の味のあんこ玉

41●鳥雲に過ぎ去るものと残るもの
42●鳥雲に整列の笛鳴り渡る
43●鳥雲に東京タワーのトリミング
44●鳥雲に取り越し苦労ばかりして
45●鳥雲にポッケに残る五円玉
46●とりぐもりけふはしわたるかいつうび
47●鳥曇カラスは群れて低く啼く
48●鳥曇り水道管の水の音
49●鳥曇止まり木何処甲高し
50●鳥曇日本列島逆さ地図

51●鳥曇目をくらませるメイクラブ
52●鳥曇リハビリ室は混みあつて
53●取りて見む荒れ野の中の花菫
54●取りどりにおもんばかつて花の冷
55●菜の花や竹取姫待つふじの山
56●入試問題一枚取りて芋を剥く
57●遺されて守るマイホーム鳥雲に
58●初蝶や取り替えばやと小さき声
59●初虹を取らんと伸ばす白き腕
60●花と酒ことほどさやうな取り合わせ

61●春トマト取りどり古都のカフェテラス
62●尾てい骨したたかに打つ鳥曇
63●不登校の子の落書きや鳥雲に
64●補助輪の取れてジグザグ春帽子
65●ポリープのあるやなしや鳥曇
66●待ちわびるぬる燗もよし鳥曇
67??水城より遥か対馬を鳥雲に
68●目の下の隈がとれない春の雪
69●盛りあがるミルクの表面鳥雲に
70●夢を取る網を仕掛けて鳥交る

71●予備校のひしめく街や鳥雲に
72●ラマのゐるボリビア国旗鳥雲に
73●腸(わた)取られ一物もなしするめ烏賊
74●老ノ坂手を取る孫や紫木蓮
75●お地蔵の遠き眼差し鳥雲に
76●下萌えや取説に無き恋心
77●そよ風に鳥風聞きて巣立つ人
78●鳥帰る再の字多きテレビ欄
79●鳥風に耳を澄ませば笑みが湧く
80●鳥雲にまだ寒かりし夕陽映え

81●鳥曇週末ひとりの出勤日
82●秘密基地見取り図に無き桃の花
83●鳥取の若桜を目指す土筆道
84●取手から勿来の関や春休み
85●若鳥や流氷越えて鳥曇り

http://www.geocities.jp/gekkason/

 
 

152号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 4月 1日(土)23時09分49秒
返信・引用
  A部門  全88句

01●いかなごの高値に箸の迷ひけり
02●イタリア製尻形の椅子めかり時
03●一盞の酒一輪の紅椿
04●一歩づつ遊びながらの日永かな
05●ヴィタミンIタッパー詰むるはうれん草
06●うぐひすの声のさなかに郵便夫
07●うぐいすや鏡のごとき山の池
08●うららかや陽の中に見る綿埃
09●大粒の真珠のピアス春愁ひ
10●音もなく山茱萸の花朝告げる

11●衰へし耳目や春愁なるもまた
12●階段に踊り場のある日永かな
13●陽炎やシルク着て撮るレントゲン
14●河童来て春の魚を振舞へり
15●亀鳴くや酵素と酸素まちがへる
16●鴨三羽残され春は刻こくと
17●黄水仙主なくとも庭に咲く
18●北窓を開くやばさと鳥の影
19●鏡面の端に映りて春の月
20●「黒髪」を舞う人卒寿恋の猫

21●県境の看板はすに蕨狩
22●子を送るバスを待つ間のおぼろ月
23●囀やわが静脈の洗はれて
24●四月馬鹿マイナンバーは十二桁
25●子規庵に線路の響き鳥ぐもり
26●しやぼん玉の中に入りたる心地かな
27●修復の瓦積まれて草青む
28●しゃくしゃくと新玉葱を刻みけり
29●春日や時間の止まるボルガ川
30●春昼てふ空虚の中を歩みけり

31●春灯や妻を美人にする睡魔
32●スピーチのまだまだ続く春の雨
33●滑り台経由シーソー行きの蝶
34●すり寄りし猫のくしゅんと花粉症
35●千年の後の世にほふ花疲れ
36??即興の今様で舞ふ雪柳
37●卒業の花道に悲喜友の垣
38●ダイエット椿のやうに落ちぬかナ
39●卵かけご飯の口福春の宿
40●つくしんぼ爬虫類にもなりさふな

41●つり目しておきあげ雛居並べり
42●デイサービス無き日や夫の春炬燵
43??天上の作家目指して辛夷咲く
44●菜の花や光匂へる画用紙と
45??二十度を超えず三月終はりけり
46●白木蓮(はくれん)や夜目に袖振る天女かな
47●初虹の淡きプリズム陽の吐息
48●花束のやうな言の葉すみれ草
49●花祭り仏陀を聞いてアーナンダ
50●母は子を婆は犬抱き梅仰ぐ

51●春雨の後(のち)のしじらの東山
52●春の風更地にホンプ井戸ひとつ
53●春の蚊やふっと現われふっと消ゆ
54●春の航子の声はじけ親の声
55●春の昼パンになりたい強力粉
56●春の夕指の間を落つる本
57●パンケーキに蜜のさざなみ春の風邪
58●彼岸餅山まだ白き湖北かな
59●日の暮れて巣箱がからのままだから
60●ひるがおや弥生遺跡の丘に立ち

61●病窓に一年振りの桜見ゆ
62●故郷の鉄路廃され土筆採り
63●フローラにゼフュロスのキス不意に春
64●まだ揺れてゐるふらここを懐かしむ
65●真つ直ぐな男雛の視線受け止める
66●丸顔のキャッチャーミットいぬふぐり
67●ミキサーの鰆を食みて老ひてゆく
68●身の内のからつぽの管山櫻
69●ミモザ咲く谷中銀座の屋根に猫
70●虫たちも一気の春に慌てをり

71●虫の寄る音聞き流し養花天
72●闇に咲く椿の命猫走る
73●ヨット数多島影を出て春の声
74●檸檬忌やひとりにひとつ手榴弾
75●路地裏にラードの匂ひ燕来る
76●わらびもち露天で売って二十年
77●クリップの曲線きらり燕来る
78●少年も少女もおぼろ遠筑波
79●のどけしや日誌の損じ多くあり
80●花菜雨遺影の額を磨きけり

81●花の世の一期の酒に酔ふばかり
82●春の日にチャリまたいで風に乗る
83●春の夜のウオーキングはまた楽し
84●一人身の春めく日々の虚しさよ
85●雲雀野に巡る季節の万華鏡
86●愛魚女や煮付けも楽し春本番
87●桜待ち右往左往の皆の衆
88●白ウオや室見の簗で春すくう

B部門  「鳥曇」「鳥雲に」「取」 全73句

01●愛嬌無し取り柄はひとつおぼろ月
02●相寄りて翔ちし鳥あり春の海
03●灰汁取りののの字が描く斑雪
04??油山姿うつろな鳥曇
05●枝々に弾ける兆し鳥曇
06●遠投の球の行方や鳥曇
07●送られる身の軽重や鳥曇
08●お水取火の粉抱くべき人の群
09●面影も想いも連れて鳥雲へ
10●亀鳴きぬ取材テープのこのあたり

11●ガレージの使はぬ車鳥曇
12●川べりの場所取り合ひて花見かな
13●気がつけば齢取っている鳥曇
14●口笛のとぎれとぎれや鳥雲に
15●熊本は土筆のはかま取りし祖母
16●クロサワの「どですかでん」や鳥雲に
17●コンビナートの煙の流れ鳥曇
18●三両の電車東へ鳥雲に
19●歯科出づる涙目の子鳥雲に
20●春塵や爪先立ちで取る小箱

21●春昼や錆びたる鍬を取り出しぬ
22●水紋の二重に三重に鳥雲に
23●すれ違ふ石のふたつよ鳥雲に
24●静電気来るや来るぞと取っ手引く
25●関取のピンクの背中百千鳥
26●忖度の取つ散らかつてゐて朧
27●楽しさと言ふ春の声鳥の声
28●チェロ弾きの漏らす吐息や鳥曇
29●褄取りて急ぐ白足袋月おぼろ
30●出合橋縁を取り成す桃の花

31●手を取りて進む吊り橋鳥雲に
32??天下取り十日で良けれ大桜
33●頭取のような氣分で春の宵
34●図書館のいねむる人や鳥雲に
35●取っ組み合いの仕方を忘れ蒙古風
36●鳥風や絵には恋人たちが飛ぶ
37●鳥雲に入りたるほどにロブ上げる
38●鳥雲に追われて子らの急ぎ足
39●鳥雲に玄海灘に浮かぶ島
40●鳥雲に五色の味のあんこ玉

41●鳥雲に過ぎ去るものと残るもの
42●鳥雲に整列の笛鳴り渡る
43●鳥雲に東京タワーのトリミング
44●鳥雲に取り越し苦労ばかりして
45●鳥雲にポッケに残る五円玉
46●とりぐもりけふはしわたるかいつうび
47●鳥曇カラスは群れて低く啼く
48●鳥曇り水道管の水の音
49●鳥曇止まり木何処甲高し
50●鳥曇日本列島逆さ地図

51●鳥曇目をくらませるメイクラブ
52●鳥曇リハビリ室は混みあつて
53●取りて見む荒れ野の中の花菫
54●取りどりにおもんばかつて花の冷
55●菜の花や竹取姫待つふじの山
56●入試問題一枚取りて芋を剥く
57●遺されて守るマイホーム鳥雲に
58●初蝶や取り替えばやと小さき声
59●初虹を取らんと伸ばす白き腕
60●花と酒ことほどさやうな取り合わせ

61●春トマト取りどり古都のカフェテラス
62●尾てい骨したたかに打つ鳥曇
63●不登校の子の落書きや鳥雲に
64●補助輪の取れてジグザグ春帽子
65●ポリープのあるやなしや鳥曇
66●待ちわびるぬる燗もよし鳥曇
67??水城より遥か対馬を鳥雲に
68●目の下の隈がとれない春の雪
69●盛りあがるミルクの表面鳥雲に
70●夢を取る網を仕掛けて鳥交る

71●予備校のひしめく街や鳥雲に
72●ラマのゐるボリビア国旗鳥雲に
73●腸(わた)取られ一物もなしするめ烏賊
74●老ノ坂手を取る孫や紫木蓮
75●お地蔵の遠き眼差し鳥雲に
76●下萌えや取説に無き恋心
77●そよ風に鳥風聞きて巣立つ人
78●鳥帰る再の字多きテレビ欄
79●鳥風に耳を澄ませば笑みが湧く
80●鳥雲にまだ寒かりし夕陽映え

81●鳥曇週末ひとりの出勤日
82●秘密基地見取り図に無き桃の花
83●鳥取の若桜を目指す土筆道
84●取手から勿来の関や春休み
85●若鳥や流氷越えて鳥曇り

http://www.geocities.jp/gekkason/

 

151号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 3月 1日(水)07時59分14秒
返信・引用
  A部門  全79句

01●暁に浮かぶ影絵やうかれ猫
02●空缶に煙る吸殻鳥の恋
03●値千金雛に壺酒と俳の友
04●アネモネや恋の終りは紫に
05●淡雪に触れてあの夜の火の記憶
06●いい顔で君逝きしとふ梅の朝
07●痛痒し春一番の鞭と愛
08●一見で祇園巡りて川光る
09●一輪にこぼれる程の美し梅
10●いつまでも見送る母や雪残る

11●居眠りのよだれ拭うや涅槃西風
12●鶯のこゑ裏返るインスタグラム
13●薄氷に歪みし貌を踏みゐたり
14●梅が香に日増しの光り子等の声
15●梅日和組紐の色変えてみる
16●うららけしさざ波の背に夕日乗る
17●朧夜や電子辞書より声のして
18●思ひ出のごとくぬるくて春炬燵
19●堅雪も笑う陽だまり靴の跡
20●加齢なる女系家族の雛の宴

21??寒明や鴉の声に力あり
22●恐竜の骨のボルトや冴返る
23●草青む大道芸の触れ太鼓
24●嘴の飛び出しさうな春列車
25●靴音は軽く月冴ゆ金星冴ゆ
26●罌粟の花大きな傘を傾けて
27●化粧水減るは二月の素肌美人
28●獣ゐた気配や根開く寒の明
29●黒板の傘形の傷春浅し
30●寒き朝風に吹かれし葉一葉

31●事務室に受くる卒業証書かな
32●周辺は中心となり木の芽かな
33●しゅんかんやここにわたしのゐるふしぎ
34●春暁や夜汽車の刻む四拍子
35●春光のかけら啄む白き鳩
36●純白は汚れ易きよ辛夷の芽
37●上京の予定の知らせ雨水の日
38●捨て舟にさざ波寄する日永かな
39●静寂といふ音を聴く冬の夜
40●大宰府や人妻の春美しく

41●紬着て坂道多き雛の町
42●鯛の身の薄くれなゐや春浅し
43●強気です宣伝部長春一番
44●手鏡に笑ひかけたる朧月
45??飛ぼうにも梅の花びら丸過ぎる
46●鳥雲にスマートフォンの鳴らない日
47??奴の国や古今東西山笑ふ
48●猫屋敷白き小さき梅の花
49●涅槃会や子犬も寝間に横たわり
50●能登の海春打ち寄せてうちよせて

51●野火のごと初めて父に褒められし
52●春浅しアイスホテルで過ごす夢
53●春一番列車遅延のアナウンス
54●春風や花は愛され花になる
55●春風や春樹の本を読み始む
56●春時雨濡れて行くにはまだ早し
57●春の雨傘をささずに立つ少年
58●春の鴨雌雄ほどよき距離にあり
59●春の旅アリバイ工作ままならず
60●春の雪幻住庵へ下る径

61●春待ちて人は愛され人になる
62●ピカソの女の顔して花粉症
63●美術館の真白き壁や春愁
64●美術室よりニスの香や鳥の恋
65●一人ぼち春一番の隣かな
66●ぶらんこや羽化する時を待つ気分
67●古き写真のおかつぱ頭けしの花
68●ふる里に土管公園犬ふぐり
69●降る雪や忘れずにゐる難しさ
70●ベクトルの向き夢駅の新卒者

71●ペン先より生るる音符や風光る
72●窓のある絵本窓の形にかげろへる
73●迷い入る尾道の猫日向ぼこ
74●山茱萸の花の弾けて小腹空く
75●雪の日に窓越しに見ゆ山の峰
76●雪降るや子の歩幅とは狭きもの
77●リリカルな風を纏ひて初蝶来
78●惑星の水の胎動蝌蚪生るる
79●をみなよりをんな流るる雪解川

B部門  「土筆」「出」 全77句

01●愛犬の名を教へ合ふ土筆かな
02●青空を大地に吸い込む土筆かな
03●あぜ道の土ほつこりやつくしんぼ
04●嵐呼ぶ屋根の出入りや恋の猫
05●淡雪やペコちやん永久に舌出して
06●いつせいに尿(ばり)する子らや土筆出づ
07●裏山は宝の山よ土筆摘む
08●絵手紙の土筆がすくと背伸びする
09●大雪に出るに出られず靴揃え
10●幼子がざるに競いしつくしんぼ

11●お握りの丸と三角土筆ん坊
12●思い出を抱きたる母や大野焼
13●思ひ出をコピー機にかけ春うらら
14●朧夜や砥石をさがす出刃包丁
15●塊を掘り出すやうに畑起こす
16●木津川を通勤電車つくし摘む
17●昆布出汁にほろほろ揺れる白き肌
18●寒き朝布団くるまり夢心地
19●爺いつも後出しのぐう山笑ふ
20●静けさや外出た途端息白し

21●出航やミモザの花のゆさゆさと
22●出立に結いし黒髪匂う梅
23●春愁に出店覗きて息一つ
24●春愁の詩的部分を抽出す
25●春泥や心閉ざして目出し帽
26●スキップのうまくできないつくしんぼ
27●すずさんがやって来さうな土筆かな
28●掃除機に掃除機をかけつくつくし
29●早春や出口宏てふ神友
30●地虫出づルーマニアより友来たる

31●出汁巻の卵ふつくら草青む
32??筑後川土手はつくしの演舞場
33●土筆摘む外人一家都府楼址
34●土筆出て吾子は近江の人となる
35●土筆採り袴取り賃先払ひ
36●土筆野の一本づつの孤独かな
37●土筆野ややがて消えゆく筑紫郡
38●土筆生ふトロッコ列車のとおりみち
39●つくしんぼあれは幼き恋でした
40●つくしんぼ丘の校舎は二階建て

41●つくしんぼ出張先の土手ひかる
42●つくしんぼそっとおひさまかかえこむ
43●つくしんぼ摘んで故郷遠くせり
44●つくしんぼ振るや緑の粉に未来
45●つくしんぼ見つけられずに夕鴉
46●つくづくし追ひつ追はれつつんのめる
47●つくづくし恋が生み出す言葉かな
48●坪庭や陶の河童と土筆んぼ
49??鶴帰る出水の空はがらん堂
50●連れ合いがまた前に出る土筆摘み

51●出かけるとお膳にメモや風光る
52●手づくりの小鉢つくしの卵とじ
53●遠き日にさそはれて摘むつくしかな
54●遠出して春の形を見つけたよ
55??どんどんと問題解けるつくしんぼ
56●ニョキニョキと土筆軍団背~比べ
57●袴取り土筆の母子イヤンバカ
58●鉢植の土筆や宰府人の列
59●馬糞には良き土筆摘み手戦く
60●光る風三たび拙句の世に出づる

61●日の出荘お散歩道のふきのとう
62●風天の歩みを止めし筆の花
63●プーさんはいつもの出窓ひな祭り
64●筆の花いっき呵成のエネルギー
65●ふる里の思ひ出辿る雪解川
66●ベーグルのチーズはみ出す余寒かな
67●星空を早く見たくて蛇出づる
68●見送りは島を総出や卒業子
69●耳たぶを撫でる癖ありつくしんぼ
70●瞑想の出湯の猿や春の雪

71●やはらかく我を締め出す春の闇
72●山笑ふ出土の壺に耳二つ
73●夕やみの色の次第につくづくし
74●離任の日土筆の浴びし夕陽かな
75●留学の出船霞みし脊振山
76●湧き出づる手水は春の音なして
77●わり算の出来ぬ関係雛の夜


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150号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 2月 1日(水)09時59分20秒
返信・引用
  A部門  全82句
01●愛犬の逝きて八年日向ぼこ
02●あたふたと乗り込む窓に初日の出
03●銀杏枯る学徒動員ありし道
04●凍てし空水煙燻り龍なりぬ
05●凍蝶や次のルフラン声に出ず
06●うつし世の闇を吸ひたる雪明り
07●お年玉肩叩く手に渡りけり
08●鬼すべや鬼待つ人のえびす顔
09●オリオンや父ベテルギウス母リーゲル
10●過去の街三十年後の月冴ゆる

11●風花やお城の石に残る家紋
12●風花や国境の壁高く積む
13●悴める手にぬくもりや七等星
14●変わりなしと妻のメールや寒椿
15●寒月や泣く子の口に乳ぼうろ
16●寒晴れや青きシュプール目に痛し
17●寒旱磨くガラスに夕日差す
18●寒北斗連れてトンネル出でにけり
19●きのうまで荒星けふはマシュマロに
20●黄の蕊の冬椿見ゆ一人散歩

21●草なぎの剣はねむり梅早し
22●クラリネット窓越しに聞く春隣
23●クレヨンの小箱へ春の近づき来
24??校長の作りし汁粉鏡割
25●声上ぐるデモ行進や寒きびし
26●子と叩く音の大小初詣
27●言祝ぐや150迎え梅の花
28●冴え返る鉄の門扉の軋む朝
29●砂漠這う猟犬の目の鋭さよ
30●冴ゆる夜の白米の白ことさらに

31●純愛は移ろひ易すき冬の雲
32●焦点をあわす眩暈や寒昴
33●水仙や死にゆく母を見つくして
34●節分に徐々迫りて運転ず
35●大寒の上着を脱いでやせがまん
36●大寒や独居老人認知症
37●たい焼やかけらついばむ鳩の冬
38●角の先撫ぜて小鬼は春をを待つ
39●地吹雪やパンドラの箱開いたのか
40●店員の勧め上手や春隣

41●灯油屋のやつて来る音寒夕焼
42●どの恋も進化の過程春隣り
43●トランプは神か悪魔か冬ざるる
44●どんどの火果てて青空人と風
45●七草や土鍋をこそげ食べ尽くす
46●波立てて三寒四温がやって来る
47●ナレーターはあの大女優淑気満つ
48●猫のゆく方がすなはち恵方道
49●猫膝に片手は猪口の寒の内
50●野良猫の硬き眠りや春遠し

51●裸木のは歯向かつてゐる空の青
52●初旅や十八きつぷの二人連れ
53●パノラマの光る稜線雪信濃
54●陽射し受け星座のごとく浮寝鳥
55●久女の忌「株式会社・女」です
56●火を囲む施設の子らよ年新た
57●冬空や枝に残れる黒き柿
58●冬蝶や客観写生てふ呪縛
59●冬の池かけやと木杭置きしまま
60●冬の薔薇昔密かにひと愛す

61●冬ぼたん五重塔の空青し
62●ブルカ越し彫りの深さや冬の薔薇
63●星の空 雪のから松林かな
64●マラソンの掛け声遠く山眠る
65??土竜打えばりんぼうの大統領
66●焼葱や一升瓶がからつぽに
67●山路越え母待つ里の木守柿

68●山深し黒白緋色寒の鯉
69●夕月の紙のごと透く三日かな
70●行き生きて碁盤の街や息白し

71●雪しずり子役十五に為らんとす
72●雪の絵の切腹の間や山眠る
73●雪深き富士山頂に観測所
74●湯けむりの合間見つけし寒北斗
75●夢ひとつ黒髪に落つ風花や
76●蓮根の香り残れる雑煮かな
77●ローソンのスイーツ前の御慶かな
78●150お粗末900我の四季
79●150号を重ねて春隣
80●ピラカンサス寒禽を呼ぶ魔法かな
81●冬萌や細道分けて曾良の墓
82●分骨の墓に虚子の字久女の忌

B部門  「三日」「和」 全76句
01●藹藹と和やかなるは初日の出
02●上がり手は平和(ピンフ)ドライチ四方の春
03●いつもごと三日坊主のダイエット
04●凍星や昭和三十五年生れ
05●ウイスキービール甘酒はや三日
06●駅伝に飽きて居眠る三日かな
07●尾道や三日の露地に迷い入る
08●風花や和菓子屋覗く舞妓さん
09●和子さんの米寿の笑顔三日かな
10●風邪癒えて三日の午後の泣き笑い

11●竈猫三和土に降りて髭ぴんと
12●川向うの草を食む鹿三日かな
13●寒オリオン三日三夜さの宿し込み
14●寒の明ワインの深紅和紙に透く
15●くっついて離れぬ血筋三日かな
16●月曜毎三寒四温巡り雪
17??琴の音のBGMや三が日
18●酒蔵の暗き三和土や隙間風
19●傘寿なる三日酒中にて終へる
20●施設より一時帰宅の三日かな

21●昭和から妖艶だとは雪女
22●霜の夜や和式便所のLED
23●新年会三代目にはをのこ和す
24●空淡き大和まほろば冬雲雀
25●大寒に沿ふや和箪笥軋む音
26●待春の指輪のやうな和菓子かな
27●托鉢の異人和尚や初御空
28●暖を取り和やかなるも震えつつ
29●妻と老ひ三日静かな時を受く
30●遠富士も少し見飽きし三日かな

31●年初め三日過ぎ行き暗くなり
32●屠蘇を酌み去年の和みを語るかな
33??飛び立つる鳥の形の和三盆
34●鳶笛の時計回りや寒日和
35●酉の図の飾り寿司巻く冬日和
36●眠る山昭和の夢を見てをらむ
37●初恋の甘味儚き和三盆
38●初孫に小梅の匂ひ和三盆
39●母好みに大納言炊く三日かな
40●はや三日朝湯朝酒いい女将

41●春隣和綴じの本の赤き糸
42●晴れの日も三日ぼうずで雪が降る
43●抽斗にジョーカー戻る三日かな
44●氷面鏡三日坊主と言はれても
45●夫婦まだ相和してゐる三日かな
46●福寿草のレジ横にある和菓子店
47●冬凪や昭和の人と括られて
48●冬日和宙を吸ひ込む河馬の鼻
49●ブラックの珈琲にする三日かな
50●文庫本手に馴染みゐる三日かな

51●平和の字大きく子らの筆始
52●平和呆け気づかぬ人ら初恵比寿
53●舞ひ降りしつがひの凍鶴平和なり
54●またしても三日坊主とや雪催い
55●まだ三日帰京の吾子のもう三日
56●松過ぎの和服着て行くクラス会
57●ミシン踏む昭和の母のちゃんちゃこ
58●味噌和へにしてみたき草春近し
59●三日かな配達人の小走りに
60●三日経てばみんな忘れて寒の木瓜

61●三日はやスーパーのレジ混み合ひぬ
62●三日はや性善説を捨てさりぬ
63●三日はや永久の形に眠る猫
64●三日はや揺るるハートのマグカップ
65●もう一度札並べたし三日の夜
66●屋根の角無くす三日目朝の雪
67●雪合戦に交じつてゐたる和尚かな
68●リビングに和を設ひて初硯
69●ルパンはや徘徊しだす三日かな
70●和菓子屋のま白き暖簾冴え冴えと

71●和ダンスの傷を数へて春隣り
72●和の一字総てを包む雪の国
73●倭の和の輪の國や初富士ゆるぎなし
74●繋がらぬ襷に涙する三日
75●鳶の声和む公園春近し
76●楪の末広がりぬ三日かな

 

149号 A部門

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 1月 1日(日)07時50分38秒
返信・引用
  A部門  全67句
01●あと三年あと三年とおでん酒
02●アロエ咲く海の向かふに伊豆諸島
03●逝く年や回転寿司の皿の山
04●銀杏落葉帽子に乗せて句の敵
05●凍空や前あし太き野良の猫
06●いのちてふ言葉の重さ冬満月
07●美しき喪服の人や冬木立
08●うつし世の闇深ければ冬の雷
09●薄暮れにネオン揺れ舞ふ冬の雨
10●枝先の撫づる水面や浮寝鳥

11●大晦日あわてて走る餅と鰤
12●大晦日あわてないない一休さん
13●踊り子や花水仙の匂ふ駅
14●思い出に時を忘れる大掃除
15●数へ日のするりと指を抜け落つる
16●傍らにややこの寝むる聖歌かな
17●枯野原凪いでいのちの白さかな
18●雲の間に光漏れ降る冬の夕
19●クリスマス唐揚鶏(チキン)の後に泣くテナー
20●クリスマス行列できるワンタン屋

21●クリスマスケーキをふたつ買ひに行く
22●けふもまた枕うばひに雪をんな
23●光年と言ふさざ波を冬銀河
24●木枯や膝を取り合ふ子が三人
25●去年今年サザンの曲に浸りつつ
26●歳徳神丸三角に四角かな
27●山茶花や明日砂漠へ旅立てり
28●三匹の犬に引かれて息白し
29●城門の数の子形の注連飾り
30●水中の豆腐ゆったりとして師走

31●煤払い猫の眼の大きさや
32●戦争を知らぬ世相や寒紅梅
33●砂時計逆さに流る冬銀河
34●雪原を一輌の良き津軽かな
35●丹精の冬菜畑より今朝の富士
36●手の大き小さき音して初詣
37●照らされて青き砂紋や冬の寺
38●冬至点増す光寒慰める
39●灯台に背を向け揺れる野水仙
40●年越しのライブ会場黙の時

41●穫りしあと戰さ場のごとブロッコリ
42●二代目の頼りの名医年の暮れ
43●白濁の温泉湯豆腐蜜の味
44●初空や朝風呂窓を開放す
45●一人めし諸行無常のクリスマス
46●河豚喰ふてもう戦争はいりませぬ
47●札納痛い所に付ける丸
48●冬薔薇猫踏んじゃった繰返す
49●冬の朝首痛堪え掃除する
50●冬の薔薇昔密かに師を愛す

51●頬杖の背の丸みや石蕗の花
52●またひとつ歳を洗ひて年用意
53●窓越しに寂しげに見ゆ冬の山
54●学舎に燈はのこりをり冬の月
55●病む友へ紡ぐリースや実柊
56●夕凪や鴨川渡る虹の橋
57●雪しまき橋杭岩に渡したき
58●留守番の五匹の猫や年守る
59●わが文字のこんがらがつてゐて師走
60●若者へマイク手渡す聖夜かな

61●忘れ柿ケタケタ笑ふ師走かな
62●過客なる聖夜ゆつくり明けにけり
63●呼気吸気動脈静脈去年今年
64●泣くための体力実南天零れ
65●母呼べば万両の実の見え隠れ
66●ヒーローの同じ世代と年歩む
67●水餅や遊び疲れて眠るやう

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149号 B部門

 投稿者:葱男  投稿日:2017年 1月 1日(日)07時49分35秒
返信・引用
  B部門  「笹鳴」「幸」 全60句
01●鮟鱇鍋幸も不幸も煮込みけり
02●えべっさん幸の字形に宝船
03●欠番
04●重ね着をして幸せの乳母車
05●クリスマスプレゼントに幸ありて
06●喧噪の合間合間を笹鳴けり
07●幸不幸脱けし山棲み笹子鳴く
08●欠番
09●去年今年貫きたきは幸と福
10●これからの幸を数へる柚湯かな

11●幸ひの時手のひらの六花
12●笹子鳴く分校跡に碑の一つ
13●笹鳴きに樹影仰ぎ見春来たれ
14●笹鳴きに近づき過ぎた漢かな
15●笹鳴くや昔密かに師を愛す
16●笹鳴のけものめく声ややもする
17●笹鳴へ踏み込んでゆくハイヒール
18●笹鳴や色とりどりのラタトゥイユ
19●笹鳴や懐紙にこぼれたる黄粉
20●笹鳴や銀のスプーンのお食ひ初め

21●笹鳴や植物園のスエコザサ
22●笹鳴やたしかここらに秘密基地
23●笹鳴や筑波颪の遠慮して
24●笹鳴や改札ピツと無人駅
25●笹鳴や大仏の背に小さき窓
26●笹鳴や二円切手を貼り足して
27●笹鳴や乳飲児に鼻寄せてみる
28●笹鳴きやピアニッシモのエンディング
29●笹鳴や光一筋相和して
30●笹鳴や呼出し音の消えてより
31●幸あれと聖樹華やぐ女学院
32●幸あれと歳末募金思い込め
33●幸うすき日記を燃やし日記買ふ
34●幸の「ち」は命の「ち」なる柚子湯かな
35●幸問はば即答したる晦日蕎麦
36●幸なるや筑波の耳の年の暮
37●寒き日に幸せかなと問ふ君ぞ
38●幸せさう園長先生落ち葉掻き
39●幸せな犬ね毛皮の人の言ふ
40●幸せの微かな予感年の暮れ
41●幸せの重さはたしか冬林檎
42●幸せをお裾分けしてクリスマス
43●幸せを確かめ聖樹点灯す
44●獣魂碑の祈りにも似て笹子鳴く
45●除夜の鐘幸多かれと来たる年
46●除夜の鐘幸多かれと鳥墓標
47●除夜の鐘幸多かれと渡る鳥
48●隻眼の福達磨据ゑ幸福論
49●遠く見ゆ幸せ誓ふ冬の山
50●難民の声なき声や笹子鳴く
51●廃線の幸の文字雪もよひ
52●廃の危機雪の幸福駅昔
53●欠番
54●河豚喰ふて戦争の無き幸を
55●冬暮れに幸福感が漂いぬ
56●冬花火ひとりぼつちの幸不幸
57●雪の精幸子の肌に棲みつきぬ
58●わき腹のたるみ少々笹子鳴く
59●笹鳴きやこの世の友の増えてきし
60●笹鳴きや光の粒を撒くごとく
61●笹鳴くや耳立てしまま猫眠る
62●幸せや鍋の白菜煮崩れて
63●貧乏は時に幸せ日向ぼこ

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148号・A部門

 投稿者:葱男  投稿日:2016年12月 1日(木)06時04分16秒
返信・引用
  A部門  全81句
01●一塊の押しくら饅頭として級友
02●凍て空や涅槃に住まふひとの影
03●腕抜きの出納係の大くさめ
04●落葉掃く静かに微笑(わら)う古老かな
05●落葉より地霊囁き且つ呻き
06●お茶の花染め歩きして四の坂
07●風花やおうなの瞳光りたる
08●片側へ傾ぐ吊橋冬もみぢ
09●涸池のそこにムンクの顔のある
10●枯蟷螂けふの居場所の定まらず

11●枯葉舞ふその一瞬のエクスタシー
12●気嵐や錆ているもの多き陸
13●ギター背負ふ初老のデニム冬日影
14●休館のロープ幾重に冬ざるる
15●銀色のシェーバー唸る時雨かな
16●金粉を散らすネイルやクリスマス
17●グァルネリ弾く指たくましき寒北斗
18●くまモンに笑顔戻るも霜注意
19●黒七味探して京の片時雨
20●けあらしの海や眠らぬ桜島

21●欠礼の葉書の重さ木の葉髪
22●恋話の尽きぬ真相室の花
23●木枯らしに熊本城の天守閣
24●木枯らしや山椒ちりめん売る親父
25●木枯や風化を急ぐ虫の骸
26●木枯やひとりの宿にひとり酌
27●越したる日四方の隅に夜冴ゆる
28●この星に放り出されて枯葉ふむ
29●騒ぎたる血中のあを皇帝ダリア
30●霜の夜の眼つむりて聴くハープ

31●信仰の人は神なり冬木の芽
32●ジンジャーの花の白き香冬を待つ
33●新蕎麦や足しびらせて待つ座敷
34●水族館の玻璃よりあふれ冬の海
35●スーパームーンオリオンシリウス一直線
36●絶望も希望もなくてなめこ汁
37●そちこちに聖樹立ちたる誕生日
38●大根を洗わぬ妻と三十年
39●丈強し皇帝ダリア花遥か
40●脱糞の盲導犬や冬木立

41●誰しもが願つてゐたり赤い冬
42●短日や母の背と子の平らかに
43●釣瓶落としイートコートに本忘れ
44●天窓に空の貼りつく寒暮かな
45●冬耕の老夫婦肩並べゐる
46●季節(とき)ならぬ躑躅咲きたる新嘗祭
47●床の中雪見障子をそっと上げ
48●鳥の羽ほどの残光冬木立
49●何度でも燃えつきるまで冬紅葉
50●二冊目のお薬手帳寒波来る

51●野火止の用水澄みて紅葉散る
52●バカボンのパパ揺るる街冬うらら
53●初孫に学業守り七五三
54●初雪の第二楽章始まりぬ
55●晩秋の手のぬくもりやサイン会
56●火に触れておいでよ僕は落葉掻
57●火の恋しシヤブリにソーダ水を足す
58●船となるまで火を浴びて薄紅葉
59●踏みしだく音も光も朽葉色
60●冬の雷三面鏡に黒子の背

61●冬紅葉窓外ちらり歩く傘
62●冬を越す覚悟の蛹くの字して
63●風呂吹の箸はすとんと落ちにけり
64●平林寺七色仮面の冬紅葉
65●星空へ流るる祝詞神の旅
66●待つことにすると焚火に独り言つ
67●武蔵野の広き古刹や冬紅葉
68●紅葉かつ散る古き団地の迷路かな
69●山姥は鬼にはあらず秋の暮
70●山霧に私は灰舟は白

71●夕映に艶めく君よ冬紅葉
72●逝きし人へブルーベリーの冬紅葉
73●雪の夜の鏡ひたすら闇流れ
74●雪紅葉季節被りに漫ろなり
75●夜明け前自重無きかな雪の精
76??秋深し一人ぼっちの仕事場で
77●木枯しや鬼の抜けたるかくれんぼ
78??帰り途嬉しくなりぬ暮れの秋
79●極楽も地獄も忘れ日向ぼこ
80??窓越しに寂しげに見ゆ秋の雲

81●梟の後ろ姿を誰も見ず


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148号・B部門

 投稿者:葱男  投稿日:2016年12月 1日(木)06時03分8秒
返信・引用
  B部門  「小春」「守」 全72句

01●熱燗や守る誓ひの何も無し
02●尼寺を守る土塀や寒椿
03●あんこジャムのやうな顔なり小春よし
04●居眠りの頬杖外れ小六月
05●芋虫も蛇も横切る小春かな
06●運転手の巻き髪光る小春の日
07●江ノ電が小春日和を連れて来る
08●縁側に小春日和の高気圧
09●大筒に撃たれし天守冬の陣
10●落葉焚きばあばの嗄れた子守唄

11●思ひ出は小春の湖を輝かす
12●終わらざる占守島(シュムシュ)や霧と浜菊の黄
13●鍵開かぬ父のトランク神の留守
14●神の留守ボンレスハムを厚く切り
15●枯尾花ひかり放ちて天守かな
16●願かけの男と女神の留守
17●観音の手のひらほどの小春かな
18?今日まさに雪絵の咲くや小春日に(結婚式の挨拶句)
19●九条は専守防衛冬麗
20●ケーブルカー琵琶湖の近し小春かな

21●小春日のからりと揚がるパンの耳
22●小春日の鎮守の森や平林寺
23●小春日のブランコ漕げる老夫婦
24●小春日やアスパラガスは壜の中
25●小春日や笑み絶やさずに石地蔵
26●小春日や縁側は留守ラジオ曲
27●小春日や皇帝ダリア仁王立ち
28●小春日や採用通知待つ娘
29●小春日やシーツの白さまぶしけれ
30●小春日や死ぬのにちょうどいい日とか

31●小春日やスワンボートの息づかひ
32●小春日や猫の居場所の自在にて
33●小春日や猫は毛を舐め飽きぬらし
34●小春日や母のコロッケ天こ盛り
35●小春日や広き書斎の古書の山
36●小春日や谷中銀座は谷の中
37●小春日や寄り添う猫の耳と鼻
38●小春日を散らす硝子のモニュメント
39●狛犬の阿吽や守り時雨道
40●三吉がくつろいでゐる小春かな

41●守護神は梟人も村も老い
42●守護天使翔び交ふアイススケート場
43●守護札に金色の帯雪もよひ
44●砂時計に時戻したき小春かな
45●それぞれに小春日和の居場所かな
46●太陽を見たき誘惑神の留守
47●たわやかにボジョレーの栓小春宵
48●出窓部屋小春を巧むおままごと
49●電話帳なき電話ボックス神の留守
50●峠茶屋留守もる神の大欅

51●難民の母子にはとほき小春かな
52●にやむにやむと猫の寝言や神の留守
53●墓守は我が代までよ柿落葉
54●裸木に守るべきもの無かりけり
55●初雪や看守の胸に金バッジ
56●暇さうなガードマン立つ小春かな
57●二駅の支線見守る宵の月
58●冬の灯やコサックの子守歌ふつと
59●冬めく日レースのカーテン子守歌
60●守るべきものも守らず柿を剥く

61●蜜柑朽つごとく御守磨減りぬ
62●守夫君こっち寒くないと夢枕
63●野菜直売猫が番する小春かな
64●やっとこさ汽車に手を振る小春かな
65●留守電のこゑのせはしき師走かな
66●子守唄少し擦り切れ寒日和
67●教室に小春の匂ひつけて入る
68??守りたし我妻老いし冬近し
69●小春日に猫の爪切る白寿かな
70??けふもまた小春日和の日暮れかな
71●身のほどを晒け出したる木守柿
72??守衛の寂しげな顔秋の雨


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147号・A部門

 投稿者:葱男  投稿日:2016年11月 1日(火)07時37分25秒
返信・引用 編集済
  A部門  全78句
01●秋風に蝶の様に舞う鳥の羽
02●秋桜これでよかったこの恋は
03●秋蝶や風も退く影のあり
04●秋なのに積雪便りの北の国
05●秋深し信越本線行き止まり
06●飴色に紅玉を煮る十三夜
07●無花果を食む少年の喉仏
08●いつの間に布団を重ねし寒き夜
09●稲刈りを窓からのぞく乗馬ウマ
10●上風(うわかぜ)に遅れしたがふ尾花かな

11●円柱は裸身のごとし冬の月
12●お地蔵は独りがお好き小鳥来る
13●貝殻に残る香りや秋深し
14●風の尾か龍の尾なのか芒原
15●壁越しの歌声やまぬ夜長かな
16●軽々と宙を駈けるや運動会
17●欠番
18●餃子の皮破れ釣瓶落としかな
19●銀杏のペイント弾に路肩染む
20●金木犀白杖の道曲がり角

21●雲流れ葉叢に光る夜露かな
22●栗の実のはじけて空は遥かなり
23●月光の胎児まばゆく眠りたる
24●絹雲や地球の裏の空模様
25●黄落期ひとつずつ過去捨てにけり
26●梢より桜紅葉のたけなはに
27●コスモスの日輝けるカレンダー
28●コスモスやエリゼの為に祈る曲
29●木守柿老母を叱るつまのこゑ
30●渾身のキャラ弁当や栗爆ぜて

31●作業着を脱ぎ秋冷のシンデレラ
32●ざらつきは胸さわぎとも梨を剥く
33●三山の揃ひ踏みなる天高し
34●焼香や闇の深さのかねたたき
35●少子化の続く彼の国柿たわわ
36●城跡の高見故郷に霧の海
37●欠番
38●芒原とは人つ子一人いない駅
39●爽籟やニュージーランドに行く話
40●欠番

41●台風禍もいつもと同じ宮仕え
42●黄昏て侘しき風ぞ暮の秋
43●ただ寂しそんな日もある衣被
44●地球儀のソビエトたどる秋の夜
45●鳥獣も尾花担ぎて鬼ごっこ
46●月天心山々の声谷の声
47●月の下般若心経心空に
48●連なれる列車のやうに秋の雲
49●等伯の屏風閑や暮れの秋
50●どの恋が本当で嘘で猫じゃらし

51●どんぐりを載せて仏のたなごころ
52●緞帳は久留米絣や小鳥来る
53●長き夜や喪中はがきのあて名書く
54●汝が呉れし玻璃の酒杯や十三夜
55●熱情を奏でる少女ななかまど
56●能の云ふ人間(じんかん)輪廻秋暮ぬ
57●ノーベル賞取ると言ふ子や芋煮会
58●櫨紅葉「けしけし山」の麓まで
59●パソコンに牛馬の育つ夜長かな
60●羽ばたけばカラスとなりてすさまじく

61●ハロウィンの仮装多数派交差点
62●ハロウィンやカボチャの馬車も高値かな!
63●ハロウィンや舟にあまたの楽器積み
64●晩秋の運指頼もし禰宜の宿
65●表現は恋創作は愛そして月
66●ふはふはとメリーポピンズ大花野
67●ボブ・ディラン貧しき庭に万年青の実
68●真っ青な空を転がる秋の風
69●窓際に檸檬をひとつ置いてみる
70●稔り田を見守ってゐる鳥居かな

71●零余子飯自然薯かけて姉妹丼
72●むく犬と道を歩いて踏む落葉
73●椋鳥のねぐらやかまし秋の暮
74●鵙日和スマホで写す己が影
75●もどかしき想いや栗を剥いてをり
76●森の香を水の香に溶くもみぢかな
77●病伏す友の笑顔に秋陽差す
78●柔らかき人集まりし新松子
79●銀杏のペイント弾に路肩染む
80●能の云ふ人間(じんかん)輪廻秋暮ぬ
81●晩秋の運指頼もし禰宜の宿
 

147号 B部門

 投稿者:葱男  投稿日:2016年11月 1日(火)07時36分33秒
返信・引用 編集済
  B部門  「菊」「信」 全73句
01●愛国心ナケレバ菊ノ香ヲ畏ル
02●秋桜故なき自信だけが武器
03●秋の夕子らの音信盛り上がる
04●秋深し友の返信途絶えおり
05●衣桁には絹地てれんと菊の宿
06●磯菊や隠れ信徒の眠る島
07●欠番
08●大菊やインバウンドの自撮り棒
09●大空へポンポン菊のブーケかな
10●菊花壇時計回りに巡りたり

11●菊焚くや言いたきことはもう言はず
12●菊二輪踊るタンゴに風優し
13●菊人形見返る額に虫ひとつ
14●菊の色薄暮に泥む小糠雨
15●菊の香や篩より砂落つる音
16●菊の香や盛塩白くひっそりと
17●菊の香や八咫の烏の眼のひかり
18●菊日和コース外れて散歩道
19●菊日和懐にある猫の場所
20●菊の香や中学生の工芸展

21●菊枕胃痛ようよう治まれり
22●菊花賞馬券買わずに紫雲券
23●京町家その奧の間も菊月夜
24●小菊さへ朝日に照れて影を為す
25●狛犬に一礼もして菊日和
26●此も信心ハロウィンじやと列渋滞
27●困るなら信じる事も野菊かな
28●さそり座のをとこ老い就く菊の秋
29●寒くなり友の便りを読み返し
30●三色の菊や水を替える母

31●信楽焼(しがらき)の里のふぐりや秋の風
32●信楽の狸の笑う秋の天
33●信楽の陶風呂にをり虫の声
34●信貴山の粧ひ錆びて毘沙門天
35●信濃路に寅さんの背中赤とんぼ
36●信濃路の地平連なる蕎麦の花
37●正面はどこか懸崖菊の鉢
38●白菊の楚々たるを選り手向けけり
39●信管を外され紅葉且散れり
40●信玄の隠し湯燕帰りけり

41●信空の潮騒聴いて夢に入る
42●信号のちかちか釣瓶落しかな
43●信号の滲みし色や暮の秋
44●審査員を睨んでゐたる菊人形
45●信実のブッダを聞いて秋深々
46●信州のリンゴいっぱい詰めたパイ
47●信心は隔世遺伝天たかし
48●少しHな菊人形の目のやり場
49●そよそろり野菊のそばへ靴の先
50●倒れたる小菊咲きけり畑の隅

51●妻の忌やしろくしづかに菊の雨
52●天上へ宛てて風信うろこ雲
53●残る菊皇居掃除のボランティア
54●信繁の策は実らず冬隣
55●信長の隠れし岩屋吾亦紅
56●背信の色なき風や鍵を置く
57●晩節は穏かに生き菊咲かす
58●ひさかたの日差し愉しむ残る菊
59●船揺れて秋鯖あたり魚信待つ
60●返信を迷うてをりぬ帰り花

61●星月夜人を信じる人といる
62●満願の刈田に滔々信濃川
63●見えざりしものを信じて鳩吹けり
64●模擬試験の結果聞きつつ菊膾
65●「山信」は手書きの句集きぬかつぎ
66●ゆく秋の車中そこここ着信音
67●夢ひとつあたためている菊日和
68●予想外し走れ走れと菊花賞
69●リクルートスーツの似合う菊人形
70●肋骨に手術痕ある菊人形

71●菊人形なか日の着替え武者笑ふ
72●きゆつと締む博多献上菊日和
73●信号は黄の点滅や秋時雨
74●大観音までくねる道の辺野紺菊
75●此も信心ハロウィンじやと列渋滞
76●そよそろり野菊のそばへ靴の先
77●信長の隠れし岩屋吾亦紅

 

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