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195号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2021年 3月 1日(月)08時18分26秒
返信・引用
  A部門 全87句

01●朝霞ぬけてぶつかる山のいろ
02●一木の白梅清し月宮殿
03●鶯や屋根裏部屋はがらんどう
04●梅の香や陽光浴びて色気立つ
05●麗らかや紫煙遥かに消えてゆく
06●女形の指の先まで春めきぬ
07●帰る鴨まだしばらくをこの町に
08●踵上げてゐる早春の深呼吸
09●陽炎や覚悟もなしに高齢者
10●風光るサイクリストの流線形

11●ガマ仙人虚空の中で桜待つ
12●亀鳴いて亀仙人の目覚めけり
13●亀鳴くや探し倦ねる本籍地
14●ガンダムのフィギア動き出す朧
15●寒暖差つと踏み外し病ひ床
16●曲水や梅とウグイス競演す
17●草萌や北山杉の膨らみぬ
18●校庭のトーテムポール木の実植う
19●紅梅や願かけるごと枝に満ち
20●紅梅やぴしと嵌めこむ空の青

21●声すれど姿の見えぬ春の鳥
22●囀や羽は何色かと思ふ
23●三川の合ふ古戦場斑雪
24●鞦韆の影くっきりと閉園す
25●住人の老ひて沈丁小さく咲く
26●十年帰還できぬ村つらつら椿
27●春光の皿をはみ出すオムライス
28●春昼のかばの欠伸を待つあくび
29●春嶺や飛行機雲の空を切る
30●醤油屋の主人饒舌古雛

31●白梅の匂へる空は水色に
32●水槽に無数の泡や春愁ひ
33●多喜二忌や苦界の闇となりにけり
34●魂の腐るが如きバレンタイン
35●探梅や縁は己れで手繰り寄せ
36●柱廊に囲碁の一団水温む
37●蝶を知る人のところへ蝶来たる
38●月おぼろ古城に錆びし稼働橋
39●土筆クン君はどこからどこへ行く
40●椿咲く作つてみようか椿餅

41●露の世を交る獣も命かな
42●掌をかくも広げて淡雪へ
43●電線の鳥の聴覚春の風
44●七色の夢の儚なけれしゃぼん玉
45●二ン月の火星の風の子守歌
46●猫の恋路地の時空のゆがみたる
47●涅槃会に年金出るしありがたし
48●念の染む円空仏や雪の果
49●初めての化粧の頬や春の風
50●母と妻と三すくみして春動く

51●春一番コロナワクチン第二便
52●春風や雲窯変し羽衣に
53●春の風邪恋の微熱に似て甘し
54●春の虹見えし機影は横田行き
55●春の星万華鏡へと紛れ込む
56●春の雪ただ唇が触れただけ
57●春萌す六年生のランドセル
58●春めきて心迷いて無為の日々
59●蕗の薹天ぷら旨しほろ苦し
60●仏間より淡きまなざし内裏雛

61●フライパン鮭一切れの余寒かな
62●フールオンザヒルと言はれし時代春の雲
63●望郷は純なる想ひ春の地震
64●頬凍つる夕映への空朱鷺の色
65●ほろ酔いでタイムトリップ雛の夜
66●水光る喫茶娘の顔白し
67●店奥の李朝の白や春浅し
68●道端のちさき手袋春の雨
69●文殊堂の子らの神妙うららけし
70●やつとこさ退院できて二月尽

71●遺言は二行で終ひヒヤシンス
72●雪降り積む街空に落ちる私
73●宵やみに響く色気や猫の恋
74●余寒なほ御所の黒猫眼のひかり
75●余震なほ春の夜更けの江戸落語
76●留守番のごとくプーさん雛の間
77●若草の山焼きにつと手を合わす
78●をさなごの描くロケット春立ちぬ
79●梅東風にだーるまさんがこーろんだ
80●朧夜や女将奢りの田舎酒

81●片付けの済まぬ研究室余寒
82●下萌や四隅の欠けしプランター
83●主人なき梅晴天へ立ち上がる
84●白梅の空へ逝きにし若き友
85●転勤と決まりし庭の梅の花
86●初めてのe-Taxや春しぐれ
87●万歳をしたるワイパー春の雪


B部門 「冴返る」」「吉」   全84句

01●あすなろの冴子の面影雪の中
02●淡雪や吉祥天の笑む寺へ
03●息を呑む切場語りや冴返る
04●凍返る海を隔てし防潮堤
05●薄氷を踏みて占ふ吉と凶
06●うつせえと歌ふテレビや冴返る
07●うっせぇわおらぶ歌い手凍返る
08●遠赤に囲はるる四肢冴返る
09●オペ室に流るるピアノ冴返る
10●御神籤を引く手吉なり春の夢

11●終わらない予算会議や寒戻る
12●影もまた猫背となりて冴返る
13●吉日に縁が結ばれ春一番
14●吉なるや宝満川の恵み春
15●吉弥結びにしどけなき春袷
16●吉祥院初音賜る宮参り
17●吉兆に似て空に浮く牡丹雪
18●吉方のそらに跳ねたる春満月
19●吉報の電報懐かし桜咲く
20●吉報は春一番に届きをり

21●吉報はまだかスマホに春の雪
22●吉報を祈る我が身と受験生
23●緊急事態延長の朝冴返る
24●雲行きて白き谷筋冴返る
25●消しゴムの消せぬ筆圧冴返る
26●剣道の深き座礼や冴返る
27●根菜のスープの不安寒戻る
28●冴返り熱きお茶の染み渡る
29●冴返る位牌あまたと棲む女
30●冴返るイやな親父になってきた

31●冴返る落ちる夕日の蜜柑色
32●冴返る片っ端から物忘れ
33●冴返る片目の猫の近寄り来
34●冴返る画布を切り裂くスクレバー
35●冴返る鬼門封じの猿ケ辻
36●冴えかへるぐつと近づく遠き富士
37●冴返る定石外す棋聖戦
38●冴返る多摩川土手の水たまり
39●冴返る千切りこんにやくひりひりと
40●冴返る超音速のプロペラ機

41●冴返る月の満ち欠けあと幾度
42●冴返るトランペットのクレッシェンド
43●冴返る脳を輪切りにする装置
44●冴返る北方便の離陸待ち
45●冴えかえる横目で過ぎる赤提灯
46●冴返る目線ふと合ふ鬼瓦
47●冴返る忘れた頃に来る余震
48●魚屋の売るクリオネの冴返る
49●酒の友は「津軽海峡」冴返る
50●佐保姫に吉祥天女舞ひ踊り

51●春宵や吉祥天に妻の顔
52●小吉の人生も善し土筆摘む
53●大吉の似合ふ一枝や春の昼
54●大吉を財布にしまふ春めく日
55●タロジロリキの見し嗅ぎしもの凍返る
56●丹頂舞ふ大大吉の鶴居村
57●中吉の文言照らす春灯し
58●朝刊の切なる見出し寒戻る
59●月朧お嬢吉三の艶姿
60●恙なく御座す父母寒戻る

61●妻が吉夫が小吉春うらら
62●定年の褒美吉野へ春の旅
63●天窓を過ぎるドローン冴返る
64●遠富士の稜線確と冴返る
65●ながながとdelete押して冴返る
66●入籍の今日の吉日蝶白々
67●花街に灯ともる頃や冴返る
68●春うららざこば南光吉弥かな
69●春驟雨冴え帰りタル冷気かな
70●半額の惣菜シール冴返る

71●ビートルズを知らない世代冴返る
72●人を食う吉四六ばなし百千鳥
73●避雷針の刺さる青空冴返る
74●復興の爆心地の夜冴返る
75●返信のしそびれしまま冴返る
76●ホチキスの針ぬきし痕冴返る
77●満月の五重の塔や冴返る
78●みちのくの茂吉の歌碑や雪解川
79●妄想は夫の真実冴え返る
80●野梅かと思へばこれは吉郎兵衛

81●吉木から阿志岐にかけて土筆摘み
82●来訪なき老人ホーム冴返る
83●立春大吉水位は我れを崩しけり
84●冴返る石塔に反る喜撰橋

http://gekkason.noor.jp/oka-asita.html

 
 

194号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2021年 2月 1日(月)05時12分27秒
返信・引用 編集済
  A部門 全90句

01●石段を冬の紅葉のなだれ来る
02●凍蝶や手紙したたむ硝子ぺん
03●凍蝶や翅の重さを思ひ知る
04●妹が家の背戸の小薮の寒椿
05●浮寝鳥前世の記憶紡ぎ出す
06●枝えだに雪の雫の咲きにけり
07●老いの目に凍てる一葉よ鳥になれ
08●大くさめまだ眠りたい眠れない
09●おっぱいをさがす赤子や冬日向
10●おはじきに微かな網目春隣

11●オリオン座無明の中に明のあり
12●書き添へしコロナてふ文字賀状来る
13●オリオンの落ち行く先の大河かな
14●悴めるメールに知れる恋の怪我
15●枯芝に凛と牙むく薔薇の枝
16●寒鴉ラヂヲは雨を伝へをり
17●寒月や怒るがごときバイク音
18●寒月や太古の光放ちをり
19●寒月や寺の興亡石畳
20●元日の静寂破る救急車

21●冠雪の伊吹水中木静か
22●寒梅の並木数へて境内へ
23●寒日和野鳥観察して和む
24●北風に負けるなチビッ子深呼吸
25●暗がりをふはふは下りる冬帽子
26●クリスタルの地球を渡る宝船
27●クレーターの影まで見える寒夜かな
28●検診の前夜のお粥日脚伸ぶ
29●心憂き風花の舞ふ身のほとり
30●ごつつんこしては笑ふ子日脚伸ぶ

31●孤独なり枯れ葉の径を踏みにじる
32●子どもらの遊ぶ声聞き日向ぼこ
33●笹鳴くやもの狂はしき変声期
34●小夜更けて雪折れを聞く麹室
35●残照の最期の欠片凍蝶来
36●霜柱踏んで地球を軽くする
37●霜柱踏んで朝刊とりにゆく
38●白壁の街の音消す寒の雨
39●新雪のうぶな土からふきのとう
40●宣誓のケルト十字や春を待つ

41●装甲車との大綱引きや成人の日
42●大寒か寝ていよう
43●大寒の夜ひとり出て仰ぐ星
44●待春の耳を澄まして砂時計
45●待春やがしがし齧るサングァチグァーシ
46●大木の切り株二つ日脚伸ぶ
47●大漁旗鯨来る海明け染めし
48●たそがれる生命も輝く去年今年
49●魂去りて屍あらはとなる寒夜
50●探梅やこんなところに千社札

51●手のひらに初雪載せてすぐ溶けて
52●遠火事や夜を走れば夜の聲
53●遠吠えのシルエット冴ゆウルフムーン
54●なだらかな斜面は海へ水仙花
55●何食はぬ顔して膝のかじけ猫
56●眠る子のぐうやはらかし炬燵端
57●呑み鉄のふらつく背中雪風巻く
58●初詣コロナ断ち切る不動尊
59●初雪や白墨色と染まるマチ
60●初夢と現一つの旅寝かな

61●初夢は笑顔と希望それとあれ
62●花立の水凍りをり初御空
63●母のなき子に優しくて冬茜
64●母娘おしやれ揃ひのニツト帽
65●ハリエット・タブマン紙幣春近し
66●春まぢか若きリーダー登壇す
67●春を待つ十年刻む大時計
68●日脚伸ぶ地蔵菩薩の笑みこぼれ
69●弾初や意中の人と「春の海」
70●ひとつづつつららでつららはらひけり

71●ビュフェ描くピエロ見据ゑるその目凍つ
72●不意に鳴る子のオルゴール冴ゆる夜
73●深々と闇に抱かるる冬林檎
74●蒲団被る自宅待機といふ仕事
75●冬の雲破る光の理力(フォース)かな
76●帆かけ舟の白きふくらみ春隣り
77●補陀落は遠くて近く雪しんしん
78●仄赤き雨滴たづさへ枯木立ち
79●ほのぼのと餅焼く匂ひ今朝の春
80●松とれてトイレに花のない花瓶

81●娘より入籍の報春隣
82●喪正月明けてこの世の水を呑み
83●モナリザの笑みほっこりと雪月夜
84●破れたる軍手洗ひも捨てもせず
85●夕暮ははちみつ色へ春隣
86●雪すかしかくも無口にさせること
87●雪舞ふや海光いよよ眩しかり
88●夜明け前着きし列車の窓凍る
89●臘梅や門をくぐれば良い匂ひ
90●をさな子の大き拍手淑気かな

B部門 「冬帽子」「三」   全87句

01●愛犬のリード伸ばして冬帽子
02●赤き耳ひとつはみ出す冬帽子
03●あと三年あと三年とおでん酒
04●云うことをきかぬ子犬と冬帽子
05●ウィスキー舐める男の冬帽子
06●写し取る子牛の鼻紋三日朝
07●縁談の写真を返す冬帽子
08●お気に入りの風すべりゆく冬帽子
09●お新香は三切れと決めて河豚雑炊
10●おとんぼは鬼にはならず冬帽子

11●懐妊を支ふる夫や冬帽子
12●片想ひ決断迫る三学期
13●片恋や冬三日月を尖らせて
14●鴨川左岸一人遊びの冬帽子
15●寒月や三味の音消えし神楽坂
16●寒牡丹藁に語らふ三姉妹
17●寒三日月忘れられないひと言の
18●客めいて早起する子の三日かな
19●きんかんなまなま見事に転ぶ三人目
20●黒電話知らぬ若者冬帽子

21●五十年ものの冬帽ロックだぜ
22●子へ持たすサラダを三種三日かな
23●三寒の四温は遠く酔ひ早し
24●三寒の艱苦遠のく兆しかな
25●三寒の膕(ひかがみ)光集めをり
26●三寒より数一つ多き四温かな
27●三歳の姪を春着ごとダッコ
28●三十手先読む投了返り花
29●三十年経て睦まじきおらが春
30●三条より謹賀新年また夢を

31●三色の蕪のサラダや卓に咲く
32●三すくみやがて弾ける初笑ひ
33●三体の札の大小かまど猫
34●三人は密か二人で梅探る
35●三年間共通テストで仕上げかな
36●三婆もいまは昔のこたつ猫
37●三匹の猫抱いている冬日向
38●三本の燐寸束ねて春の闇
39●三門の閉ぢたるままや寒鴉
40●しづかなり孫も子も来ぬ三が日

41●三鞭酒(シャンパン)やオールドバカラ冴ゆる影
42●昭和とは母の手編みの冬帽子
43●署名拒む違反切符の冬帽子
44●すつぽりと冬帽子さてどこへ行く
45●正反対の姉妹の好み冬帽子
46●そつくりな親子そろひの冬帽子
47●第三波暴風雪のあれもかな
48●探梅の三叉路これと決めかねて
49●探梅や幟に三色団子の絵
50●躓きを素知らぬ顔の冬帽子

51●定位置のもう主人なき冬帽子
52●温め酒だんまりに酌む三人(ミタリ)かな
53●裸木に三面記事のまとひつく
54●果てしなく暖かくも有り冬帽子
55●春となり三波のコロナ移ろへり
56●パンドラの箱の底に光よ三寒よ
57●ハンフリー・ボガート大好き冬帽子
58●病室の子と共に編む冬帽子
59●ひろつぱを恋ふる三輪春近し
60●冬空に三八豪雪よみがえり

61●冬晴や三女気楽にものを言ふ
62●冬晴や声明響く三千院
63●冬帽子色にて分かる双子の名
64●冬帽子餌付けの鳥を待ち侘ぶる
65●冬帽子幼き頃に舞い戻り
66●冬帽子ここにも一人山頭火
67●冬帽子哲学の道を前屈み
68●冬帽子年のわからぬ人となり
69●冬帽子二さいと言うて指三本
70●冬帽子バスそれぞれの窓にあり

71●冬帽子母の小さき肩目立つ
72●冬帽子マスクと合わせ顔見えず
73●冬帽子目深に歩幅最大に
74●冬帽子わが青春のまぼろしか
75●冬帽に歩調を合わすレトリバー
76●冬帽をかぶり直して下山せり
77●冬帽を目深に被り街に出づ
78●榾焚いて真っ赤な嘘を三つほど
79●待合所手編み自慢の冬帽子
80●店先にただ呆然と冬帽子

81●三日はやカレーのごとく眠りをり
82●モノクロの冬帽目深一年生
83●門番は三日限りの雪だるま
84●やや嬉し年賀はがきの三等賞
85●雪だるまの小さきが残る三角洲
86●世直しの三種の神器春隣
87●リンゴ酢を三匙溶かすや寒の内



http://gekkason.noor.jp/oka-asita.html

 

193号

 投稿者:葱男  投稿日:2020年12月29日(火)07時27分50秒
返信・引用
  A部門 全句

01●哀愁の除夜の鐘には悲恋あり
02●新しき雪も積もりてご破算と
03●家々に見かけぬ男年用意
04●無花果の枝のみ残る影絵かな
05●凍星に放り出されて乳母車
06●犬と吾引いて引かるる師走かな
07●薄目あけ物知り貌の竈猫
08●駅前のツリーかそけき聖夜かな
09●エコバッグ抱きかかえるや初霰
10●大岩の落葉の滝となりにけり

11●男は黙ってクリスマス
12●おばちやんもケーキにじやんけんクリスマス
13●オリオンや三兄弟と父と母
14●風上へむかふ歩みや冬の月=水音
15●数へ日や歯科医院より機械音
16●数へ日や実家の父に買ふ灯油
17●寡黙とは時に淋しや日向ぼこ
18●感染を減らすべくいさ冬至の湯
19●着ぶくれて黒川温泉湯めぐりす
20●客寄せの声あれこれと年の市

21●九竅を閉ぢし吾が身や年の暮
22●キャンドルやつんとケーキの冬苺
23●唇は毒林檎色虎落笛=水音
24●粉雪や窓と言ふ字の恋に似て
25●子らの声待つ冬のメリーゴーランド
26●歳末や宅配我に接近音
27●山茶花や冷たき雨に紅散らす
28●サンダルの漢の並ぶ社会鍋
29●至純てふ三島由紀夫の冬の星
30●静かなる大晦日より旅立ちぬ

31●終バス無人峠より雪女
32●初対面マスクを外すタイミング
33●白葱の映へる形見の蒔絵椀
34●ずつとつづく日常なんて冬の雷
35●スノードーム雪は無重力のごとく
36●聖樹の灯ちひさく潤む円居(マドイ)の灯
37●星条旗二つに裂かれレノンの忌
38●勢揃いす赤べこあまびえ聖樹
39●声明の遠くなりゆく冬夕焼
40●瀬戸の風露地に蜜柑をほおばりぬ

41●対面の最終講義年の果
42●鯛焼やマスクずらして頬張れり
43●ちろちろと届く訃報や散紅葉
44●土の道のずつとつづいてゐる小春
45●年越に帰れぬ娘より保命酒
46●年の瀬や茶柱にさへ祈る母
47●友多き八十路の幸や賀状書く
48●ドラマの来春みんなマスクを外してた
49●長き影体躯くの字や杖の先
50●賑やかに機械餅つく二人かな

51●虹色の魚泳ぐ夢年惜しむ
52●ぬる燗や森の香りの牡蠣フライ
53●濡れ落葉二輪操り横滑り
54●白髪の奏づヴィオロンクリスマス
55●這ひ這ひで何処まで行ける冬の虹
56●裸木の立ちやう影の尖りやう
57●母も厭き冬至カボチャの残りをり
58●晩年は余生に非ず冬薔薇
59●陽だまりに一人は淋し枇杷の花
60●ひのもとの心うつなり除夜の鐘

61●ビル風の行き着く先や寒夕焼
62●梟の見つめる闇の深さかな
63●富士山を夕日の染める冬至かな
64●冬茜浴びてビル群ゆるみけり
65●冬桜父の仕草の乗り移り
66●冬の雲故郷の山に落とす影
67●冬の果一ツもぎとる窓の星
68●冬の星大三角と大河かな
69●星の夜や床頭台のミニ聖樹
70●街歩き子らも集まる焚き火あり

71●舞ひ上がる落葉に一打猫パンチ
72●店終い虎河豚およぐ繁華街
73●目を見張る幼や柚子のぷかりぷかり
74●木星に土星寄り添ふ寒暮かな
75●餅を焼く父母の茶の間を思ひつつ
76●屋久杉の歪む年輪冬座敷
77●火傷跡のうつすら残る年湯かな
78●湯布院のにごり湯温し冬の朝
79●雪虫や自在に吾の指躱す
80●逝く年や繰り返し聴くアヴェ・マリア

81●陽光のいささか眩し冬日向
82●輪島より届く干物と雪便り
83●綿虫とはぐれしよりの一人かな
84●ワンカップぐびと北行く暖房車
85●女道に銀杏散り敷く山の寺
86●街路樹は裸になりて風寒し
87●この庭の静寂の醸す冬の情
88●真如堂左に菩提樹右に沙羅
89●南天は鳥に食べられ赤裸
90●仏心を醸す静寂や冬の寺

B部門 「障子」「水」   全句

01●皸を突き刺す水で顔洗ふ
02●吾子のごと水仙起こす掌
03●熱燗や泣き上戸なる水瓶座
04●雨戸引くバケツの水に薄氷
05●尼の寺障子のうちの恋語り
06●主亡く愛犬ひとり障子張る
07●あるじ留守障子冷たく脚で開け
08●何処より聞こゆミとレの冬の水
09●いたずらつ子障子破りも豪快に
10●凍月やドラキュラ憂ふ水鏡

11●色落葉水底に為す万華鏡
12●海に焦がれて水仙のエトランゼ
13●起き上がり小法師微笑む白障子
14●お通しの小鉢は雪花菜白障子
15●海峡よ清水沢から渡り鳥
16●寒中の水琴窟や障子越
17●キッチンに昨日の鍋の水菜屑
18●黒猫の影かと思ふ白障子
19●咲き初めし水仙の黙藪の中
20●戯言に本音の透けて白障子

21●粛々とおおつごもりの水の惑星
22●障子開く刹那女の影ゆらぐ
23●障子開けお針仕事の祖母がゐし
24●障子紙引き手ついでの穴隠し
25●障子貼る記憶の欠片割烹着
26●白々と破れ障子に星貼りぬ
27●水彩に不向きなのよとポインセチア
28●水仙の色あつめたる水辺かな
29●水仙の香に包まれし終着駅
30●水仙や海に沈んだ者たちへ

31●水仙や畳の縁の濃紫
32●水滴や物干し竿に凍てつきて
33●聖樹の灯人影まばら水の星
34●その昔障子破りの冬至光
35●訪ね来る人影もなし白障子
36●「盾」の医と「矛」の商ひ水涸るる
37●短日やボルガの水の凍りたる
38●探偵の引きこもりたる白障子
39●父母の団欒の声する障子
40●散り残る色葉を透かす障子窓

41●手洗ひの等閑となる冬の水
42●天国の父母懐かしむ障子かな
43●滔滔と光を研ぐや冬の水
44●読経の小さき抑揚破れ障子
45●独酌の鼻唄軽ろき花障子
46●鳥影の忙しき一日白障子
47●人形を閉じ込めてゐる白障子
48●猫消えて障子のすみの揺れてをり
49●馬鹿ばなし葛湯ふぅふぅ水入らず
50●蓮枯るる水の地球の枯るるごと

51●初氷水に流せぬ禍よ
52●一人寝る障子の内の安けさよ
53●百畳の障子明かりとなりにけり
54●梟の水面からダイブする夢
55●冬ざれの雲低く水墨画めく
56●冬の月水平線の先は支那
57●冬の水しびれるような甘い罠
58●降る雪に障子の軋み孫の声
59●フレンチに梅の箸置新障子
60●牧水の旅恋ふる歌冬茜

61●瞼より障子に耳当て時を読む
62●豆柴のところどころにゐる障子
63●丸障子峠をのぼる終列車
64●水色の機体吸い込む冬の空
65●水音を少し零して冬の滝
66●水涸れて果実のやうな落暉かな
67●水涸れる夜に読む詩の左川ちか
68●水清く彼女の小指に冬も来ぬ
69●水切のぬめり存ぜぬ蕪かな
70●水たまりにいのちの一つ冬晴れる

71●水ときに舞ひたくならん浪の花
72●水鳥の流されてゐて流されず
73●水鳥や三台並ぶ献血車
74●水引きの聖樹となりぬ老舗宿
75●水引きもテレビ電話で年用意
76●元カノの鼻打つ奇襲水仙花
77●銛の如く水鳥迅し水のなか
78●破れ障子ドラえもん来て穴ふさぐ
79●山眠る流しの水の出づつぱり
80●山の水引いて古寺冬に入る

81●ややもすれば水に倒れて障子張り
82●行く年や男やもめの水仕事
83●立冬の水神様に鳥の糞
84●凜とした白寿の尼僧白障子
84●蝋燭のごと灯りたし白障子
86●臘八や水ひとしずく惟みる

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192号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2020年12月 1日(火)06時19分7秒
返信・引用
  A部門 全句

01●青空や踏んでみる枯葉の音
02●新しき夢を謳いて冬も来ぬ
03●嵐山マスクばかりが蟻の様
04●アンコールはすべてアカペラ冬館
05●銀杏落葉路肩に風を集めけり
06●凍蝶のやすらふ黙や尼の寺
07●畝上げやマスクに轍乾びをる
08●オカリナの穴の凸凹冬銀河
09●オセローのごとき客席十二月
10●思い切りマスク外せば鳥の声

11●女寺ここぞと燃ゆる冬紅葉
12●粕汁や四半世紀のNostalgi
13●風花をなおいまだ見ず師走かな
14●風を読む獅子の尾岳より立冬
15●枯園や安全地帯の影淡き
16●寒林を彷徨ふ死者の木霊かな
17●北風に向かう子猫のあはれなり
18●狐火にをんな指環を失くしけり
19●恐竜を倉庫に入れて冬銀河
20●欠礼来角の更地の冬ざるる

21●広告の少ない電車神無月
22●黄落の三ノ輪橋行き都電かな
23●小春日や足湯に混じる女子男子
24●小春日や猫の正座を拝見す
25●小春日や法然院の鐘の声
26●小春日や我のいないということを
27●こりこりと首を回せば冬茜
28●コンソメを足して調ふ冬夕焼
29●魚屋のマスクに鱗冬に入る
30●笹鳴や抽斗引けば母の帯

31●山茶花や母とふたりの七回忌
32●サバランのラム酒沁み入るクリスマス
33●晒さるる妖怪絵巻神の留守
34●残照やけやき紅葉のコンチェルト
35●七五三短気な父のカメラマン
36●シドニーへ自慢とすなら紅葉なり
37●支払は電子音にて小春風
38●霜しんと大根葉にも夢模様
39●シャッター音響く境内木の葉舞ふ
40●鐘楼に大綿宿る知恩院

41●信越に木枯し吹いて友は逝く
42●新聞の堅き手ざはり今朝の冬
43●咳三つ待合室の視線かな
44●田ン神さあに深ぶかと礼冬の婆
45●地下鉄の車窓片手袋の行方
46●石蕗の花ばあばの足にあし絡め
47●つはぶきの花に語りし誕生日
48●吊革に身を捩(ヨジ)りたる十二月
49●定年の迫る勤労感謝の日
50●手探りのランダム・ウォーク冬の蝶

51●冬暁やもうすぐ逢へる母の星
52●冬麗の枯山水に石の船
53●酉の市かっこめかっこめ時の運
54●庭いぢる妻の背中の白婆
55●初めての猫やはらかし冬日向
56●バス停に老婆復活冬の朝
57●バス停の手作りベンチ冬ぬくし
58●裸木に内緒話のひつかかる
59●初雪やRunway歩くキタキツネ
60●初孫をただ抱くだけよ暮早し

61●花八手厨の土間に母の影
62●母と子の揃ひの帽子落葉踏む
63●一文字やハワイが好きな高倉健
64●ピラカンサ渡り鳥待つ祖母の庭
65●昼酒の大義名分小六月
66●冬桜すきまに高く空のあり
67●冬の梅利休の庭の目覚めけり
68●冬の日の静かに積もる甕の底
69●冬薔薇のなお満開のけなげかな
70●冬旱兄と年忌の話しなど

71●冬満月白壁に落つ己が影
72●古りし写真の乙女らの今小春日
73●ホットワイン「Moon  River」を聴きながら
74●またの名を冬将軍襲ひ来る
75●舞ひ落つる訳詩のことば枯葉かな
76●水鉢の底に生あり初氷
77●水底を飾る光芒色落葉
78●無限かな夢果てしなく木枯らしも
79●無人駅降りれば故郷忘れ花
80●紫に滲む帳や冬の宿

81●山眠る孤村の星の無尽蔵
82●山の端に凛と遠富士冬うらら
83●逝く秋の能登の棚田の曲線美
84●行くすゑの拳のなりや冬薔薇
85●ラ・フランス子の指跡のくつきりと
86●ラーメンの真中に小さき葱の山
87●立冬の氷の爆ぜるウイスキー
88●路地路地のいづこもゆかし京の冬
89●綿虫や初心はすぐに見失ふ
90●神の旅さざ波の如棋士の皺

B部門 「笹鳴」「曲」   全句

01●朝ドラの名曲に酔ひ冬ぬくし
02●一日に二便のバスや笹子鳴く
03●一切の曲線入れず冬青空
04●落葉スキーする分校の子ら笹鳴けり
05●落葉道曲がりくねった悩みの襞
06●オリオンや下りて来るらし曲づくり
07●折れ曲がる天守への道落葉中
08●神渡しとやウィリアムテル序曲
09●着膨れの僧の説法鼻曲る
10●旧道のくねくね曲り冬帽子

11●曲学を退けぐいとおでん酒
12●曲芸人笑ひて悲し神の留守
13●曲芸のごとく熱燗こぼさざる
14●曲線は風の意のまま枯尾花
15●曲律の不意に山茶花あかりかな
16●曲者は二度現るる神の留守
17●喧噪の合間合間の笹子かな
18●五拍子の笹鳴止みぬ午下り
19●笹子鳴くスイッチバックの無人駅
20●笹鳴に守屋浩の曲出づる

21●笹鳴の遠く近くに惜みなき
22●笹鳴きも無言マスクの虫々よ
23●笹鳴や合わぬ靴の傷み耐え
24●笹鳴きや石の声聞く穴太積
25●笹鳴や男ばかりの赤提灯
26●笹鳴や茅葺屋根の屋敷林
27●笹鳴やくせの付きたる庭箒
28●笹鳴や暗がりにいるあらいぐま
29●笹鳴や少子のうちに生まる孫
30●笹鳴や青年はゆつくり歩む

31●笹鳴や箏曲集の斗為巾
32●笹鳴や佇みて聴くひとりぼち
33●笹鳴や母なき母の家に寝て
34●笹鳴や抽斗引けば母の帯
35●笹鳴きやひとつのこゑに四方つ風
36●笹鳴やフルーツサンドの断面図
37●笹鳴やフルーツパフェの崩れさう
38●笹鳴や祠の扉あけ放ち
39●笹鳴やホールインワンのその先へ
40●笹鳴やミームてふ語の閃きぬ

41●笹鳴や未来日記の字の踊る
42●笹鳴やミルクこぼしたやうな空
43●笹鳴やロルカの歌は空に消ゆ
44●笹鳴や轍も草の波に消え
45●笹鳴や悪だくみする主夫二人
46●笹鳴を追う口笛の見事なり
47●笹鳴を聴きゐる老のながき昼
48●笹鳴くや昔この家に三姉妹
49●笹鳴けりどこ吹く風の鴉かな
50●サスペリアの曲に憑かるる寒夜かな

51●寒々と曲がりくねりし歩く道
52●霜柱崩す行進曲清し
53●するすると抜けゆく記憶笹鳴けり
54●千貫水で淹れしコーヒー笹子鳴く
55●漱石の曲芸を読む冬の月
56●ただ元気曲がりなりにも豆ラガー
57●檀家たった五軒の寺や笹子鳴く
58●短日や曲りしっぽの猫走り
59●てのひらの片道切符笹子鳴く
60●天狼の流れてゆきぬ千曲川

61●冬耕や腰は曲ぐれどまつ直ぐに
62●何も良きことなく笹子鳴くときへ
63●日光を折り曲げているかへり花
64●野火止の土手の草むら笹子鳴く
65●登りきる十三曲冬紅葉
66●爆音の冬の紅葉の七曲
67●剥げかかる遊具のペンキ笹子鳴く
68●初霜や背筋の曲がりチェックする
69●初雪やお湯にのぼせる曲げわっぱ
70●人波の消えし参道笹鳴けり

71●ひと休みせよと百段笹子鳴く
72●冬ぬくし曲線ばかりの競馬場
73●欠番
74●へそ曲がり一葉残し冬支度
75●星冴ゆるロマ音階の狂詩曲
76●曲玉のごと寝相そと毛布かけ
77●曲がり角出会い頭の冬の虹
78●曲がり角の家あの犬いないね凩
79●曲淵水満々と冬化粧
80●曲り家の馬の睫毛に柿落葉

81●曲屋の厩に飛べる雪婆
82●曲がり屋の煤逃げといふパチンコ屋
83●曲り家の藁のしとねの時雨けり
84●ミサ曲の沁み込んでゐる聖樹かな
85●紅葉散る曲がり角行く旅衣
86●幽谷の願かけ不動笹子鳴く
87●ラジオより陽水の曲冴ゆる月
88●ランナーの脚の線美や冬ぬくし
89●路地曲る処に居場所河豚提灯


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191号

 投稿者:葱男  投稿日:2020年11月 1日(日)06時08分27秒
返信・引用
  A部門 全93句

01●青北風や片流れ屋根鋭く見えて
02●秋風に歌う尺八閻魔堂
03●秋蝶の幻のみが空を舞う
04●秋の夕おはら鹿児島花電車
05●秋の夜や赤き火星の自己主張
06●朝顔や在宅勤務継続中
07●十六夜に肥薩おれんじ再開す
08●いつもごと誰も採らなき柚子ありて
09●稲藁の匂いいつぱい犬と歩く
10●いびつなる孤独のまろみくわりんの実

11●印鑑じやなくてサインを秋の暮
12●うそ寒やひとり布団を慈しむ
13●馬肥ゆる神代の文字のやはらかし
14●大甘な男でござる柿をむく
15●大風が来るよ梢の鵙の声
16●置物の駱駝の木目や秋惜しむ
17●落葉掃く僧の衣は朝の露
18●音立てず波は寄せ来る月明り
19●万年青の実母の荷物を持つは父
20●骸骨の弦勇ましきハロウィーン

21●柿熟るる賑はひ戻る中華店
22●風吹けば金木犀の雨となる
23●学級の日誌にハート秋うらら
24●合掌が猟のはじまり鹿の道
25●鴨来るほこり被つた旅鞄
26●簡単に言葉にならぬ十三夜
27●菊の花運んで久し菊電車
28●義太夫の泣き節冴へる暮の秋
29●茸飯よそへば遠く筑波かな
30●銀杏を集め売る子らと先生

31●鶏頭花邪心憚ることなかれ
32●黄落や大樹の幹に風の錆
33●黄落や茶屋がねぐらの太き猫
34●子狐が散歩してゐる土手の秋
35●腰掛けのお役切り株に落ち葉舞ふ
36●言葉より確かなダッコ赤まんま
37●コーナーでまはす右の手天高し
38●この木もその木も木犀歩幅延ぶ
39●小春日や記憶のなかで眠りをり
40●さやうならの背に泡立ち草の綿毛

41●三輪車引く母親や秋夕焼
42●爺婆で守る里山鶴渡る
43●十三夜丹波の豆を供へけり
44●秋思なり角丸まつた積み木なり
45●白露と遊んでみたきたなごころ
46●新蕎麦の香り食べれば疲れとぶ
47●水彩画絵の具の悩み薄紅葉
48●少しづつ遠のく虫の声淋し
49●秋天を震わす開脚ソーラン節
50●秋麗やチーズ事典にボナパルト

51●少年死す一夜劇なり月の毒
52●不知火や千年のちの火は青し
53●滑り台に靴の片方赤とんぼ
54●そぞろ寒爪半月の波のかた
55●ぞみぞみす月光樹々に波立ちて
56●空耳の厨の音や柿熟るる
57●代筆の問診票や暮の秋
58●魂の小さな叫び吾亦紅
59●電線の額装もまた後の月
60●届く荷は大空匂ふ今年米

61●ドナテッロのマリアの気魄月満る
62●知盛のこゑの海鳴り十三夜
63●どんぐりのキリなき袋園とほし
64●永らへて今日は落葉の中に有り
65●七竃焼け出されしと六文字で
66●なにもかもおまへのせゐだそぞろ寒
67●波音は短音階に冬近し
68●猫じやらし次から次に風を生み
69●寝袋に体温のある夜寒かな
70●後の月雲間に追いてひとり酌む

71●廃屋の庭に群れ立つ麒麟草
72●母方の家系図辿る花野かな
73●ハリーポッターの魔法薬や菌狩
74●晩学の学成り難たし小鳥来る
75●晩稲のそよぐ故郷に知る人もなし
76●ひとつづつ団栗洗ふぐりとぐら
77●ひと時の月見でありぬ酔ひながら
78●日び新た人は流るる柿熟るる
79●貧血を治療するべし草紅葉
80●伏線の多きミステリ藪枯

81●冬支度無縁美(ちゅ)ら島月の浜
82●風呂の中へ仔犬飛び込む秋の寒
83●プロペラ音の果てたる空や暮の秋
84●ポケットに団栗三個郷土史家
85●星満つる甲斐の盆地や豊の秋
86●ボジョレーヌーボー乾杯は湯宿のバー
87●杜鵑草今さら帰る家もなく
88●牧野植物図鑑開きて草の花
89●道端に一つ転がる富有柿
90●夢魔の去る目覚めの朝や金木犀

91●もう迷うことなき秋思かな
92●吾が影の色なき風に攫はるる
93●和の巧み昔なつかし菊人形


B部門「ナナカマド」「史」   全88句

01●アイヌの地にしたたる真紅ナナカマド
02●秋猛る人それぞれに有る歴史
03●イケメンも美女も素敵さナナカマド
04●うそ寒や開拓史とは侵略史
05●追ひつめらるる猫の跳躍七竈
06●老ひの坂灯火の一冊歴史なり
07●大伯母は史子の日記酔芙蓉
08●落人の姫の遺髪やななかまど
09●衰えし指にマニキュアななかまど
10●改札を出れば古里ななかまど

11●風騒ぎ車窓を埋めるナナカマド
12●語られぬ史実携へ後の月
13●かりそめの史記の香りの李陵かな
14●涸沢を一気に目指す七竈
15●枯蓮史跡の風にあるがまま
16●神無月日本国史を読み返す
17●郷土史に母の父の名むかご飯
18●郷土史の講師暮秋の石仏
19●口開けて見る大空のナナカマド
20●くちずさぶ北大寮歌ななかまど

21●月明や谷に貼りつく七竈
22●古代史の鬼道の呪具や月青し
23●木の実降るこつんと歴史資料館
24●颯爽の言葉の響きナナカマド
25●史実より美化さるる劇神の留守
26●自分史の起承転結夜ぞ長し
27●自分史の最終章を草の花
28●自分史の最終ページましら酒
29●十三夜バリトン凄む歴史劇
30●昭和史の中ほどに生れ柿を干す

31●女性史に合掌土偶おぼろ月
32●新月や歴史は夜に謀らるる
33●真実と史実のはざま鵙猛る
34●すずなりの柿には柿の歴史あり
35●すれ違ひに山の挨拶ななかまど
36●世界史の授業抜け出す穴惑
37●全山を焼き尽くすかに七竈
38●早暁を浴びてすがしや七竈
39●それぞれの秋はドラマの青春史
40●大宰府の史跡巡りて秋時雨

41●谷川のせせらぎ聞こゆななかまど
42●ツブツブは魚卵のごとしナナカマド
43●吊るしたる鹿を解体ななかまど
44●ナナカマド赤い頬っぺたと昌子ちゃん
45●ななかまど怒りの矛先吾に向く
46●ナナカマド痛き心に雨容赦なく
47●ななかまどいぶりがつことラオホビア
48●七竈軍靴の音の近づきぬ
49●ナナカマド古代ケルトの守護樹暦
50●ななかまど坂の小樽の多喜二の碑

51●ななかまど里の鐘鳴るところまで
52●ナナカマド定山渓に根を張りて
53●ナナカマド三和土でじゃれる子猫たち
54●ななかまど団地の朝は立ち話
55●ななかまど父の形見の万年筆
56●ななかまど峠越えれば我が故郷
57●ななかまど被災地描くこうの史代
58●ななかまどフォーティーエイト集まれば
59●七竈分水嶺を分かたずに
60●ナナカマドもっとも清き青空へ

61●根の深いいじめの歴史とろろ汁
62●残る蚊の微かに触れし史料館
63●日時計は青銅の色ななかまど

64●日の鳥のけふの食事はななかまど
65●凡庸な自分史だこと天高し
66●本物の一次史料や冬隣
67●卑弥呼てふ史上のおなご谷紅葉
68●史ちゃんへお元気ですか秋の花
69●眦に宿るわが史や金木犀
70●実石榴や父には父の歴史あり

71●道なりにゆけば分校ななかまど
72●光秀の史実わずかに草の花
73●胸の奥の火種大切ななかまど
74●目瞑れば歴史の溝へ木の実落つ
75●物置の閂固しななかまど
76●モノクロの写真カラーにな丶かまど
77●八十路かな自分史綴る月の宿
78●山影の迫る湖ななかまど
79●夕さりて赤い駄菓子屋ななかまど
80●愈史郎の呪符の文様急ぐ秋

81●行く秋や訛憎めぬ郷土史家
82●湯の神を祀る温泉ななかまど
83●葉脈の夕陽に透けてナナカマド
84●ライチョウの歩みはのろし七竈
85●歴史こそ基本と教へ秋の月
86●歴史書にある終末やななかまど
87●歴史なぞ糞くらえと夜寒かな
88●忘るまじアイヌの哀史七竈

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190号

 投稿者:葱男  投稿日:2020年10月 1日(木)06時05分38秒
返信・引用 編集済
  A部門 全句
01●青空やまあるく反れる曼珠沙華
02●赤い秋稜線越えて燃える道
03●秋涼や我が頬そつとさはる朝
04●秋茄子を食べて愁いの手を合わす
05●秋水やナルキッソスの如く鳥
06●秋の風強き日差しと鬩ぎ合ふ
07●秋の風プロコフィエフの寺ピアノ
08●秋の土ドッジボールの子ら眩し
09●蘆の穂をゆらすポンポン船の水脈
10●新走り宅配びとへ奨めたき

11●一兵卒になりきる決意小望月
12●稲の花お宮参りの大家族
13●鰯雲暮るるうちにぞ散る尻尾
14●岩村藩土佐屋の蔵の藍の花
15●引率の先生の声秋うらら
16●牛連れて少年帰り来る山霧
17●絵硝子の聖母ふくよか銀杏散る
18●大井宿には大津屋の栗粉餅
19●OKGoogle雲を払って!月今宵
20●贈られし遺作エッセイ水澄めり

21●尾つぽから崩れゆきたる鱗雲
22●肩の子のさらに手伸ばし秋の空
23●カッターの滑りなめらか豊の秋
24●鍬いじり雨もまたよし竹の春
25●京の町萩の花咲く分離帯
26●キリシタン武士像月影に窶る
27●グレコ死す流星の炎(ヒ)を見届けり
28●鶏頭を束ね手品師鳩を出す
29●堅実は刀自の矜持実紫
30●コオロギやしばらくあの貌見ていない

31●コスモスや影は光のことであり
32●コスモスやマヤ文明の黙を解く
33●この際の坊主頭や昼の虫
34●さみしさの胸に落ちゆく秋の水
35●さよならの今宵はジャズに秋暑し
36●山中に迷ひ果てなき芒道
37●「ざんねんな生き物」事典泡立草
38●自粛下の家族のかたち秋しぐれ
39●静かなる秋の送別ZOOMから
40●ジュリエット・グレコがゆくよ天の川

41●尻大き梨大山の水吸って
42●新酒注ぐ柔道耳の漢かな
43●新任と連れ立つ昼餉マスカット
44●すがれおひトンバイ塀を超え消ゆる
45●すがれ虫米とぐ水のひんやりと
46●好きといふ手話を教はり酔芙蓉
47●健やかに少女はのつぽ竹を伐る
48●鈴着けて登る山道涼新た
49●ダム湖の底丸きポストや鮠の群
50●地球まだ持ってゐるよと渡り鳥

51●ちちろ鳴く闇がうれしいのど自慢
52●追憶の欠片を纏ふ秋の蝶
53●通過儀礼なのかもしれぬ檸檬投げ
54●月明かり静夜の雨の降り止みて
55●天高しゆつくり剥がす窓の×(バツ)
56●遠富士の初雪都庁展望室
57●栂池の木道の隅桔梗咲く
58●トスカーナの波うねる丘馬肥ゆる
59●取り忘れのテレフォンカード雁渡し
60●長き夜の窓に虫の音黄泉の人

61●長き夜を回し読みせし恩田陸
62●廃線の無月の森に根を下ろす
63●バスの秋スマホが作る猫背かな
64●初秋刀魚庶民の味は遠かりし
65●腹八分を知らぬ雀や稲刈る日
66●万能感いつより失せて星流る
67●彼岸花どこへ続くか黄泉の国
68●灯(ひとも)して夜寒のブラックチョコレート
69●ヒマラヤを見下ろす岳父天高し
70●漂泊の詩人幾人(いくたり)秋の雲

71●夫唱婦随軌道の見えぬ秋茜
72●ぷりぷりと鯉の洗ひや秋の水
73●プロペラの旋回音や空の澄み
74●箒あとなぞる西風野分あと
75●干し竿に雫の列や秋の光
76●ほつぺたにあんこの乾く星月夜
77●真白な桔梗を胸に倍返し
78●待宵や卵はほのと光りだす
79●窓に聴く雨音甘し秋燈
80●俎板をゆうにはみ出す太刀魚よ

81●名月を待つ名山の頂で
82●モビールのやうな家系図ちちろ鳴く
83●ゆふぐれのふとした不安秋の虹
84●ゆるやかな低空飛行秋の蝶
85●黄泉からの誘い断り秋のどか
86●楽園を追れるふたり銀河濃し


B部門 「曼殊沙華」「髭」   全句

01●赤白の曼珠沙華咲き乱る
02●顎ひげの白きいつぽん秋湿り
03●いを群るる汽水域なり彼岸花
04●馬肥ゆる髭伸ぶる吾のややこしさ
05●姥捨の山まで白き曼珠沙華
06●柿簾くぐりて髭の大男
07●唐国にあるてふ青の曼珠沙華
08●綺麗になつた教へ子や狐花
09●空虚さを埋める刺青や狐花
10●九月尽シガーの匂ふ無精髭

11●口髭とおぼしきものを捨案山子
12●口髭の尖りて文化の日なりけり
13●黒猫の髭はお守り稲光
14●校正記号朱く撥ねたり曼珠沙華
15●五十代最後の髭や水澄めり
16●ごましほの髭整へる夜長かな
17●さみどりの茎はすべすべ曼珠沙華
18●子規の忌に萌やしの髭根むしる妻
19●十分に起立してをり曼珠沙華
20●白ばかりいつもの場所の曼珠沙華

21●白曼珠沙華手の技の神がかる
22●数独のこんがらがつて曼珠沙華
23●廃れゆく小さき集ひや曼珠沙華
24●ずぶ濡れの傘の向かうの曼殊沙華
25●ZOOMでも髭いじる癖秋の宵
26●澄む水に映りたる吾が無精髭
27●反る蕊の先まで力曼殊沙華
28●だらり帯ゆらゆら舞ふや曼珠沙華
29●父に次ぐ馬上の風や曼珠沙華
30●地底には戦の記憶曼殊沙華

31●地底より落ち武者の声曼珠沙華
32●蟷螂の首を傾げる無精髭
33●毒ありの噂に負けじ曼珠沙華
34●止まり木の髭の横貌夜半の秋
35●長き夜に髭の遺影に問ひかける
36●長々と筋引く雲や曼珠沙華
37●似顔絵の口髭ぴんと敬老日
38●猫じゃらし七変化するダリの髭
39●初恋はをなご先生曼珠沙華
40●ハンサムと言はれるをんな曼殊沙華

41●抽斗の奥まで燃やす曼珠沙華
42●彼岸花母に報告したき事
43●髭ぜんまい秋の正午を刻みをり
44●髭ダンス真似し昭和や秋夕焼
45●髭面で一人佇む秋の海
46●髭面に惚れし山頂秋高し
47●髯面のセピアの写真秋燈
48●髭伸ばし砂漠の国に咳ひとつ
49●日だまりの彼岸花好く鳥の無し
50●ひつぱり抜く藷の髭根や子らの声

51●人まばら墓地に今年も彼岸花
52●火祭りや煩悩焦がす曼珠沙華
53●貧乏神の髭湿らすや温め酒
54●紅の反り摘んでと誘ふ曼珠沙華
55●舗装路はここでおしまい曼珠沙華
56●ほの昏き横穴墓群曼珠沙華
57●マスク下伸び放題の髭の秋
58●曼珠沙あか白紅と畦の空
59●曼殊沙華紅と白とのハーモニー
60●曼珠沙華枝に腰かけ唄ふひと

61●曼殊沙華休館中の能楽堂
62●曼珠沙華ぐずぐずしてたら夜が更ける
63●曼珠沙華五百羅漢の笑ひ顔
64●曼珠沙華コロナと遠慮し咲き渋る
65●まんじゆしやげ里山までは一直線
66●曼珠沙華大悲の風に身を委ね
67●曼殊沙華ちょうど程よき認知症
68●曼珠沙華終(つい)のくれなゐ賜りぬ
69●曼珠沙華摘んでは駄目と叱られて
70●曼殊沙華内緒話と紙に書く

71●曼珠沙華の犇めいてゐる古戦場
72●曼珠沙華の一枝を御神木とせん
73●曼殊沙華のらは野良でも生きたしと
74●曼珠沙華一塊りの孤独かな
75●曼珠沙華百万人と行く浄土
76●曼殊沙華約束反古にされにけり
77●曼殊沙華われ男根を持ちにけり
78●虫の音やぴくぴく動く猫の髭
79●虫の夜の女に髭を擦りつける
80●群れ咲きてどれもひとりや曼珠沙華
81●名月や髭のポアロの脳細胞
82●もやしの髭残さず取りし秋彼岸
83●山里に血の通ふごと彼岸花
84●山近き秩父の棚田曼珠沙華
85●悠久やマリア観音曼珠沙華

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命の選別という政治問題について

 投稿者:葱男  投稿日:2020年 7月17日(金)12時44分39秒
返信・引用
  今回の大西つねきさんのいわゆる「命の選別」問題で「れいわ新選組」は今、大きな課題に直面し、政党存続の危機に晒されているようにも感じます。

太郎代表の「弱者に対する熱い思い」は変わることはないのですが、この、ある意味情報災害とも思われるコロナ禍において、日本のみならず世界の経済が大きな転換点を迎え、大不況に陥っています。

大西さんの除籍処分は大変残念です。

命の選別の問題は、単に優生思想だからダメだという考え方では単純すぎる。
「死」は、個人が自分の思い、決断を持って、みずからが選びとるべきものです。
たとえ家族でも、ましてや医療機関でも、いわんや政治政党がその選別を云々するようなものではないはずです。
延命治療や安楽死、命の尊厳の問題は個人個人の哲学が一番に重んじられるべきテーマです。

「個人の死生観」を家族の感情や世間体、組織の思惑や利権がらみで上から押し付けることには全く反対です。 個人の死生観ぐらい、多種多様なものはありません。それは文化によって、家族関係や社会環境によっても大きく違い、自らが愛する相手に命を差し出す、例えば「楢山節考」のような行動も、状況によっては美しい人間同士の感情となるはずです。

ただいま、未曾有のコロナ災害の中で、経済的な大混乱、大不況の中で職場を失い、希望を失い、自殺する若者がたくさん出ていることが懸念されるなら、若者たちの命と彼らの生きる喜びを奪わないための経済政策が必要です。 そのために高齢者の感染者がたとえ増えることがあったとしても、ONかOFFかを決断するときがいつか来ると思います。

映画「ソフィーの選択」のような過酷な現実が眼前に起これば、映画と同じように、なんらかの選別をしなければ、母親は自分の子供をすべて失うことにもなるのです。

コロナの災害はある意味では感染症の災害ではなく、情報の災害です。 PCR検査の技術がなかった何十年か前なら、コロナとインフルエンザの区別は明確にできず、結果として、インフルエンザと変わらない社会規制しかとられていなかったはずです。
欧米のウイルス株と南アジア、オセアニアのウイルス株がどれほど違うのか分かりませんが、事実、日本におけるコロナ感染後の重症率、死亡率などをみれば、肺炎で死にいたる高齢者の数と、社会に絶望して自らの命を断つ健康な若者たちの数には大きな開きがあるのではないでしょうか?

このような課題を乗り越えて、れいわ新選組はトップダウンではなく、民意が反映される、真の民権政治を実現していただきたく思います。

そのためには私たち自身が個人個人で自ら正しい情報を取捨選択し、自己の哲学を形成し、なおかつ他者の異なった思想信条を理解できる能力をたかめてゆく努力が必要だと思います。

今の日本は、戦後のGHQの教育(3S政策などの)によるものなのか、残念ながら衆愚政治と言わざるをえません。
 

189号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2020年 7月 1日(水)09時09分32秒
返信・引用
  A部門 全84句

01●赤ちやんを抱きしめ茅の輪くぐりけり
02●雨蛙負けるなマムシ狙い打ち
03●洗ひざらひ包み隠さず浮いてこい
04●いつまでも大人になれず巴旦杏
05●園庭にうごめく帽子梅雨晴間
06●沖縄の砂のびん詰南風
07●穏やかに心に灯り梅雨の入り
08●学ランに揺らがぬ団旗雲の峰
09●カサブランカリリーやボガードバーグマン
10●河渡る裾野は広し五月富士

11●閑古鳥あの木この木と町内に
12●切手を切り離す微音や含羞草
13●客待ちのお化け屋敷の扇風機
14●教壇のフェースシールド玉の汗
15●気を抜くな諭す泰山木の花
16●蜘蛛の囲の向こう無音の室外機
17●昏き絵の掛けられてゐる夏館
18●黒南風は夜の街にも隔てなく
19●今朝もまた晴れで始まる梅雨日和
20●夏至過ぎて早苗の水面に風が泣く

21●古書店に過去に彷徨う夢と舞う
22●この道を辿れば湖へ月見草
23●これと決めし熱帯魚直ぐ見失ふ
24●コロナ禍に灰色の空声も無し
25●珈琲屋へ百八十歩風薫る
26●子等の声少し戻りて芋の花
27●再開発の地響き伝ふ冷し酒
28●さくらんぼ頂き物の甘きこと
29●サリンジャー閉ぢて溢るるソーダ水
30●白き糞落とす鴉や梅雨曇

31●白抜きの日灼けの跡の眠りたる
32●白南風や父が背負ひし戦傷
33●白薔薇の溢れて恋は未遂なる
34●心拍数ゼロほうたるの火の軌跡
35●爺ちゃんの白髭きりり山法師
36●杉戸絵の涙のやうに涸れて海霧
37●センサーライト蜘蛛囲に影のあるを知る
38●線描の円き軀や月涼し
39●その事は聞かない事に明易し
40●空と海混ぜてコップのソーダ水

41●ダークマターの話は尽きぬ麦酒かな
42●父の日に呑めぬ焼酎梅を漬け
43●父の日の時間指定のクール便
44●ちゃらちゃらと雪駄のくぐる夏暖簾
45●沈々と古寺隆々と今年竹
46●月が日を食べをり夏の蝶過る
47●燕の子ステイホームも終わりだね
48●梅雨の夜にピアノの清し「春よ、来い」
49●蟷螂の子の斧細く構えをり
50●どくだみの花咲く前に引かれけり

51●蕃茄輪切りにすセラミックの包丁で
52●友逝きて三年コロナ梅雨出水(O君の三回忌)
53●採りたてのぬるき野菜や雲の峰
54●夏越の祓うさぎとなりて輪をくぐる
55●なぜかしら夜になったらガマガエル
56●縄跳びの道を打つ音涼しかり
57●二階まで届く大声豆御飯
58●虹色の道を清みたる泉まで
59●虹架かるLET IT BEのオンライン
60●日本語の聞こえる銀座五月晴

61●葉の裏に真つ逆さまの蝸牛
62●薔薇に雨何が変わったわけでなわけでなし
63●巴里祭ガレの贋作灯る店
64●半夏生草マスクで隠す無精髭
65●万緑や無住の寺へ若き僧
66●ピーナッツ畑低く飛びをり梅雨の蝶
67●仏壇に山笠中止とくとくと
68●本物か確かめてゐる胡蝶蘭
69●短夜の膨らんでゆく時計音
70●水の辺に子の世界あり夏の午後

71●南風試合終われば肘タッチ
72●みなみ吹くトイレ掃除はあとにして
73●百足虫出づ踏んでまた踏みなほ動く
74●名画座を出て黄昏の巴里祭
75●名画座を出て溜め息に買ふダリア
76●面的な川面のネオン道頓忌
77●もう一度魚が跳ねた夏至夕べ
78●物売りの声の戻りく日の盛り
79●炎ゆる道ラケット抱え黙々と
80●行く道は闇か光か梅雨の中

81●リモートのサイダーグラス気になりて
82●老鶯や水車はゆつくりゆつくりと
83●渡し舟に積み込む太鼓雲の峰
84●笑えども泣き顔になる父の日か

B部門 「雷」「目」   全81句

01●青と金の目の色の犬南風吹く
02●紫陽花や母の繰り言三廻り目
03●雨蛙降りそな雨に目が笑ふ
04●いかづちに夜半の目覚め一人床
05●いたづらつ子の上目づかひや夏帽子
06●イナヅマや神の手を持つ救急医
07●宇治橋は果てなく長く日雷
08●うつうつと牡牛の白目風死んで
09●運針の粗き糸目や半夏雨
10●炎天に目玉ひんむく仁王像

11●遠雷に心によぎる幼き日
12●遠雷になぜか和らぐ夕餉かな
13●遠雷やかつて捕鯨の町に立ち
14●遠雷や湖底に縄文土器眠り
15●遠雷や洗濯物は畳み終え
16●遠雷や父の植物図鑑重し
17●遠雷やドライフラワーに埃
18●遠雷や幕引きだけの旅に発つ
19●遠雷や列車遅延のアナウンス
20●老猫の猫股めくや霹靂神(はたた神)

21●男梅雨我とわが身の目を瞑る
22●隠る背の遠くになりてはたた神
23●カーナビ喋る今日は雷記念日と
24●雷落ちて死んだふりする2才の子
25●雷に怯えてへそを塞ぐ孫
26●雷鳴に膝に乗りけり大き犬
27●神雷に伏す場を探す山の道
28●雷のあと鳥肌の立つ冷気
29●雷門自粛の路地のあつぱつぱ
30●雷や闇夜を切り裂き七転び

31●革ジャンの背に一閃の日雷
32●軽雷や傘の花一つ煉瓦道
33●コロナ禍の目と目がぶつかり合ふ溽暑
34●心根の定まらぬ夜遠き雷
35●賽の目のぴんぞろ赤き桜桃忌
36●些細なることに目くじら栗の花
37●目尾(しゃかのお)は難読の駅梅雨じめり
38●シャワー浴ぶ少し長目のゆふぐれに
39●人類の目覚めの予感梅雨の月
40●ストーンズのライブは佳境日雷

41●絶筆の馬の目濡つ梅雨の雷
42●即売の八百屋のメダカ子供の目
43●大雪渓第三の目の開かるる
44●大地炎ゆキリン伏し目に口籠る
45●父の忌や日差し目映ゆき梅雨晴間
46●月の目にベッドの上の丸裸
47●妻と夫ちがふ常識出目金魚
48●梅雨曇色目流して傘の中
49●梅雨の雷打ち砕かれし心にぞ
50●梅雨晴の木陰の猫の薄目かな

51●手相見に眼覗かれ遠き雷
52●ででむしにかからぬやうに蛇目傘
53●手拭の藍の目に沁む野良仕事
54●時の日や変わり目ありて時を知る
55●夏草の目名を通過とタブレット
56●逃げまどふ小さき影や日雷
57●西日濃き昭和一丁目一番地
58●西日さす片目のままの大達磨
59●はたた神屋根に開きたる大きな目
60●はたた神わが胸中の地図燃やす

61●薔薇の名はプレイガールや目映かり
62●日雷応援歌無きデイゲーム
63●蟇蛙と目の合う畑仕事かな
64●ヒト避けし目高の学校オンライン
65●一目だけ逝く梔子の花の錆び
66●本日の感染者数日雷
67●まな板の柾目くつきり五月晴
68●目白啼く閉店中のレストラン
69●目高飼ふ夢の中まで泳がせて
70●目の奥を見つめられたるソーダ水

71●目のヨーガ荒梅雨の音聴きながら
72●山小屋の裸電球はたた神
73●雷雨来てなお凛たる薔薇の花
74●雷神の一撃に遭ふ天邪鬼
75●雷蔵の名画モノクロ梅雨深し
76●雷遠し男やもめの昼の酒
77●雷鳴にピノキオ涙こぼしけり
78●雷鳴の響き会議の終了す
79●雷鳴や福祉バス待つ母の影
80●雷鳴や仏間逃げ込む大型犬
81●落雷や雷鳥招く雷山に

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188号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2020年 6月 1日(月)07時03分14秒
返信・引用
  A部門 全90句

01●梧桐や部員二人のチューニング
02●青空を十字に裂きて親燕
03●青梅雨の涙活といふ癒しかな
04●青葉風きつとファクターXを
05●朝倉のラー麦ちょいと求めおり
06●あふまがときのてんたうむしをふまぬやう
07●水馬瞬間移動す二寸ほど
08●犬逝きて紫陽花の花今日開く
09●うず潮に幻見ゆる芙美子忌か
10●鬱然と自粛酒酌む緑夜かな

11●卯の花腐し会見のカタカナ語
12●海遥か卯月の野辺に酌むワイン
13●裏木戸の開いて卯の花の腐たしかな
14●SLに生気再び新樹光
15●枝と葉と画面いつぱい夏欅
16●大口やマスク要らずの鯉のぼり
17●オカリナはキスするやうに南風
18●弟を亡くした話薔薇ひらく
19●お前とは誰のことかぇ?蛇の衣
20●折紙のぶきつちよ兜風薫る

21●オリーブの葉のさやさやと五月の庭
22●介護する父のおねだり燕の子
23●快速で毛虫に突進する毛虫
24●家系図を閉じて家解く麦の秋
25●過去未来みんな幻し新樹光
26●カーブ多き峠帰省の明るさよ
27●カミュ描く疫病の町海霧深し
28●記念日や40回目の薔薇の花
29●キャンパスのさつき満開一人占め
30●蜘蛛の囲の散々となる悲哀かな

31●クローバー白し広野の明るさに
32●黄金虫切り裂かれつつ空を舞う
33●こども祭じやぐじやぐ食らふポテトチップ
34●ゴンドラの窓迫りくる大雪渓
35●サイダーに気合を託しわが身体
36●さくらんぼ小粒に熟れて幼な日よ
37●時疫来て雨降り止まず七変化
38●自治会の訃報の掲示柿若葉
39●自販機の並ぶ茶店や花樗
40●島の子の見はてぬ夢や卯波立つ

41●上流に父母の墓あり河鹿鳴く
42●新月の髭の手触り蛙鳴く
43●新緑や氏神さまに槌の音
44●ステイホーム八十八夜の風愛す
45●ストレートフックアッパー青嵐
46●酢漿の花車窓に一人見送れり
47●スマホ鳴って友の死を知る夜の新樹
48●聖五月川の底まで日の届き
49●空青く強き勇気の麦日和
50●竹落葉来世に会はむ人のあり

51●誰もゐない湘南の海若布干す
52●梅雨寒の古書を開くや煙草の香
53●梅雨冷やひねもすマリオの電子音
54●出入りのたびの消毒街薄暑
55●飛び魚や夜が朝へと変わるとき
56●夏空やほったらかしの眉太し
57●夏はじめ朝の烏よ語ろうか
58●夏始ライブカメラに鳥の声
59●夏蜜柑ビールにも似たるほろ苦さ
60●夏めくや木陰辿りて散歩道

61●日曜の水澄む夕べ蚊喰鳥
62●糠漬の蓋開く今朝の夏デジャブ
63●抜衿の夢二のをんな黒揚羽
64●寝転びて棒グラフみる団扇かな
65●麦秋に一陣の風渡る波
66●母の日の定型文に一語入れ
67●薔薇崩れ眠れぬ夜のなまぬるき
68●薔薇の花そよ風吹いて散るばかり
69●はるかなる戦後よ父母よ麦の秋
70●髭面の吾とわが婿こどもの日

71●日盛りの不思議の国へ迷ひ込む
72●昼酒のとめどなくなり山法師
73●部活終へ夏の川原に点々と
74●藤の花深呼吸して遡る
75●古池やよりによっての青大将
76●螢のひいふうみいよあと満天
77●ほととぎす忘れ去られたラブソング
78●まだ届かぬマスク卯の花腐しかな
79●待ちかねし人たち樟の若葉光
80●街薄暑手作りマスクの百面相

81●ママちやりの籠に桑の実黒々と
82●丸文字の届けば父の日なりけり
83●耳の奥の海誘い出す灼けた石
84●麦浪の平野潤す風の色
85●山法師静かに揺れて太極拳
86●油断なく敵をみてゐる帆立貝
87●ヨカナーンの首より重く薔薇一輪
88●葭切やファインダーで追ふ少年
89●若葉風ざぶざぶ鍬を洗いたり
90●湧き止まぬ雲はメレンゲ聖五月

B部門 「泉」「色」   全81句

01●青芝にビブスの色にダービー馬
02●赤土にポピー点々無垢の色
03●浅葱色の半襟にする単衣かな
04●泉涸る歩きつづけて元の場所
05●泉汲む酒井駒子の少女たち
06●泉汲む父に珈琲淹れる朝
07●泉には泉の主張あるらしき
08●泉辺に憩ふキリストの孤愁
09●泉まで来て乳母車眠りけり
10●泉より岩魚生まれて渓流に

11●泉湧く生まるる星の無尽蔵
12●泉湧くかつて長篠古戦場
13●泉湧く胡桃パウンドケーキ焼く
14●頂へ力を貰ふ泉かな
15●色褪せし辞書の背表紙花卯木
16●色落ちのジーンズ叩く泉哭く
17●色深き日傘を翳す尼僧かな
18●疎なる人色褪せぬさつきかな
19●選びたる皿は藍色バルコニー
20●媼三人(ミタリ)極彩色のあつぱつぱ

21●斧その他晴子の匙も泉湧く
22●温泉に温泉卵不如帰
23●学校の留守中に湧く泉かな
24●褐色のタヒチの女ダリア咲く
25●金雀枝の黄色と暮らす二人かな
26●唐草の風呂敷の色聖五月
27●かわせみの瑠璃色矢となりひらめけり
28●君と来てふと振り返る泉かな
29●木々騒ぎ蛇の目の色空の色
30●ぎんいろの孤独な海月ばかりなる

31●草笛の奏づふるさとセピア色
32●行人の眼のなかの泉かな
33●言霊の幸ふ國の泉かな
34●護摩行の火の色に染む玉の汗
35●沢蟹や泉水よりも麗しき
36●時疫除けの紅色濃ゆき江戸風鈴
37●色紙の兜を前にテレトーク
38●自粛解く日傘に色どりマスクあり
39●島々を望み枇杷の実色づきぬ
40●芍薬の色を残して崩れゆく

41●芍薬の陰の血の色女寺
42●十七才金色の夏始まりぬ
43●白抜きのシャツの肌色昼寝の子
44●神苑の音もなく湧く泉かな
45●新緑に萌える山野は色狂い
46●人類の知恵湧くごとく泉湧く
47●滝落ちるいつさいの色消ゆるまで
48●辿り着くそこに泉の清冽よ
49●誰そ彼のうすむらさきへ泉湧く
50●地(ぢ)の人にそつと教はる泉かな

51●月も星も入れて泉は音立てず
52●つまと並び洗ふ器や泉湧く
53●ディジタルの採点了へて泉湧く
54●ドクターカーの黄色眩しき夏に入る
55●鳥どりに教へらるるや泉みち
56●泥水を泉と思うわがこころ
57●夏色のトレヴィの泉溢れをり
58●夏めくや色は明るくアゲアゲに
59●虹色のアルゴリズムの先の先
60●梅花藻の泉しづかに泡生まれ

61●薄暑光うわさに色を失へり
62●走り梅雨男の色気光りけり
63●パステル色に膨らんで飛ぶシャボン玉
64●初夏の豆腐に添へしキムチの色
65●母の日の色香漂ふ古女房
66●万緑の中や色無き風渡る
67●翡翠色に梅の煮ゑたり自粛明け
68●百色の塗り絵保護色の雨蛙
69●ぷくぷくとつつつとつつと泉沸く
70●富士に雨やがて三島の泉かな

71●紅色の緻密な花や青
72●ホテル街背高き薔薇の色競ふ
73●南阿蘇泉辺にある無人駅
74●名水の泉目指して森の中
75●もんどりを打つて流るる泉かな
76●山陰のここに幸あり泉あり
77●山襞を経巡りながら泉へと
78●湧泉に身を任せをり鮎の群れ
79●湧泉の祠に白き五円玉
80●黄泉の国見てきたやうな黒揚羽

81●我が肩に暗き貌ある泉かな

http://gekkason.noor.jp/oka-asita.html

 

188

 投稿者:葱男  投稿日:2020年 6月 1日(月)07時01分45秒
返信・引用
  A部門 全81句

01●梧桐や部員二人のチューニング
02●青空を十字に裂きて親燕
03●青梅雨の涙活といふ癒しかな
04●青葉風きつとファクターXを
05●朝倉のラー麦ちょいと求めおり
06●あふまがときのてんたうむしをふまぬやう
07●水馬瞬間移動す二寸ほど
08●犬逝きて紫陽花の花今日開く
09●うず潮に幻見ゆる芙美子忌か
10●鬱然と自粛酒酌む緑夜かな

11●卯の花腐し会見のカタカナ語
12●海遥か卯月の野辺に酌むワイン
13●裏木戸の開いて卯の花の腐たしかな
14●SLに生気再び新樹光
15●枝と葉と画面いつぱい夏欅
16●大口やマスク要らずの鯉のぼり
17●オカリナはキスするやうに南風
18●弟を亡くした話薔薇ひらく
19●お前とは誰のことかぇ?蛇の衣
20●折紙のぶきつちよ兜風薫る

21●オリーブの葉のさやさやと五月の庭
22●介護する父のおねだり燕の子
23●快速で毛虫に突進する毛虫
24●家系図を閉じて家解く麦の秋
25●過去未来みんな幻し新樹光
26●カーブ多き峠帰省の明るさよ
27●カミュ描く疫病の町海霧深し
28●記念日や40回目の薔薇の花
29●キャンパスのさつき満開一人占め
30●蜘蛛の囲の散々となる悲哀かな

31●クローバー白し広野の明るさに
32●黄金虫切り裂かれつつ空を舞う
33●こども祭じやぐじやぐ食らふポテトチップ
34●ゴンドラの窓迫りくる大雪渓
35●サイダーに気合を託しわが身体
36●さくらんぼ小粒に熟れて幼な日よ
37●時疫来て雨降り止まず七変化
38●自治会の訃報の掲示柿若葉
39●自販機の並ぶ茶店や花樗
40●島の子の見はてぬ夢や卯波立つ

41●上流に父母の墓あり河鹿鳴く
42●新月の髭の手触り蛙鳴く
43●新緑や氏神さまに槌の音
44●ステイホーム八十八夜の風愛す
45●ストレートフックアッパー青嵐
46●酢漿の花車窓に一人見送れり
47●スマホ鳴って友の死を知る夜の新樹
48●聖五月川の底まで日の届き
49●空青く強き勇気の麦日和
50●竹落葉来世に会はむ人のあり

51●誰もゐない湘南の海若布干す
52●梅雨寒の古書を開くや煙草の香
53●梅雨冷やひねもすマリオの電子音
54●出入りのたびの消毒街薄暑
55●飛び魚や夜が朝へと変わるとき
56●夏空やほったらかしの眉太し
57●夏はじめ朝の烏よ語ろうか
58●夏始ライブカメラに鳥の声
59●夏蜜柑ビールにも似たるほろ苦さ
60●夏めくや木陰辿りて散歩道

61●日曜の水澄む夕べ蚊喰鳥
62●糠漬の蓋開く今朝の夏デジャブ
63●抜衿の夢二のをんな黒揚羽
64●寝転びて棒グラフみる団扇かな
65●麦秋に一陣の風渡る波
66●母の日の定型文に一語入れ
67●薔薇崩れ眠れぬ夜のなまぬるき
68●薔薇の花そよ風吹いて散るばかり
69●はるかなる戦後よ父母よ麦の秋
70●髭面の吾とわが婿こどもの日

71●日盛りの不思議の国へ迷ひ込む
72●昼酒のとめどなくなり山法師
73●部活終へ夏の川原に点々と
74●藤の花深呼吸して遡る
75●古池やよりによっての青大将
76●螢のひいふうみいよあと満天
77●ほととぎす忘れ去られたラブソング
78●まだ届かぬマスク卯の花腐しかな
79●待ちかねし人たち樟の若葉光
80●街薄暑手作りマスクの百面相

81●ママちやりの籠に桑の実黒々と
82●丸文字の届けば父の日なりけり
83●耳の奥の海誘い出す灼けた石
84●麦浪の平野潤す風の色
85●山法師静かに揺れて太極拳
86●油断なく敵をみてゐる帆立貝
87●ヨカナーンの首より重く薔薇一輪
88●葭切やファインダーで追ふ少年
89●若葉風ざぶざぶ鍬を洗いたり
90●湧き止まぬ雲はメレンゲ聖五月

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