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173

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 2月 1日(金)06時10分36秒
返信・引用
  A部門 全句

01●新しき御代へ目覚めの初明り
02●新たなる実りを運ぶ春一番
03●あんぱんの中の空洞初日記
04●いそいそと妻はカラオケ女正月
05●凍滝を厚き窓越し眺めをり
06●犬連れて老女嬉しや土の春
07●浮寝鳥黙の錨を下ろしけり
08●動き出すムンクの叫び冬が行く
09●腕の振り大きく歩く春まぢか
10●産土の父母眠る雪無尽

11●エンディング迫るピアノや寒昴
12●お返しにみかん戴く句集かな
13●屋上の空底抜けて深雪晴
14●落葉踏みゆくやヴェルレーヌの詩なぞ
15●賀状来る夫の記憶のぽつぽつと
16●数の子を食めば厨の朝日かな
17●風邪の子に早く来て欲しアンパンマン
18●彼女にはバレンタインが誕生日
19●枯葉おお越路吹雪よ若き吾よ
20●寒行の声破裂して湯気の沸く

21●寒椿トンネル抜けて波の音
22●寒鮒を釣る人一人釣れますか?
23●狐火は媚薬の匂ひ放ちたる
24●着ぶくれてスッキリしないティータイム
25●着ぶくれてなくせしものは土踏まず
26●獣吠ゆ吾には見えぬ狐火に
27●校長が奇声あげたる雪合戦
28●事始め駐輪場の整然と
29●作業着の深き祈りや初明り
30●寒々と夕暮れの空寂しくも

31●三が日何するもなくハガキ待つ
32●障害児作品展や春近し
33●正月の装いのままガチ登山
34●新宅に年改まる娘かな
35●神仏を抱いて筑紫の山眠る
36●水仙花斜面に無数の立ち姿
37●水仙の群れて背伸びの牛舎裏
38●水仙や家族賑はふ夕餉時
39●捨て蜜柑積まれし匂ありにけり
40●大寒や息深く吸ふ太極拳

41●大寒や視線はるかな記者会見
42●大根の土より出でて日向ぼこ
43●待春や擂粉木こんなにもちびて
44●待春や土竜の土塁ぽこぽこと
45●ダイヤモンドダスト浴びつつ図書館へ
46●たどたどしくビーズ繋ぐ子春隣
47●たんぽぽを除けて普請の轍かな
48●強き風耐へて偲んで冬の薔薇
49●氷柱折るごとにドかレかミの鳴りぬ
50●連なれし黄色の車両二月尽

51●鶴を折る人さし指の寒さかな
52●つれ合ひとげんまんキラリ春隣
53●手を挿せば吾が懐の秘かなり
54●飛梅や歓喜を謳ふ雲形も
55●泥葱の土下座してゐる特売日
56●七草や日めくりめくる四日分
57●八十は使ひ走りよ女正月
58●初仕事歳時記持って出張す
59●初富士やカップラーメン待つ青春
60●初夢を実現したし2019

61●初ヨガや空に描かるロケット雲
62●母の手で化粧施し春着かな
63●母の闇父の闇へと炭をつぐ

64●半月に冬星の友なかりけり
65●日脚伸ぶ駐車場の猫の影
66●人はみな骨になりけり百合鴎
67●ひこうき雲の二列や春の海
68●火の酒やぼんぼん時計朧なる
69●氷面鏡権力者の顔映しをり
70●訃報後に故人の文来星冴ゆる

71●冬さうび風に震へる夕まぐれ
72●冬の空ただぽつねんと見入りおり
73●冬深し半眼彼の岸見やりしか
74●べらんだに七草粥の材摘みぬ
75●本厄の子に成り代はり初大師
76●星つくる夢載せ宙へイプシロン
77●曲がり来て猫が首掻く日向ぼこ
78●マニキュアは濃いめのピンク雪を掻く
79●万回もつぶやく醪冬銀河
80●耳溶けて無音に帰する雪兎

81●娘らのミニの花咲く春を待つ
82●土竜打ち喝へ歌など声そろへ
83●薮入りの姐やはお好み焼苞に
84●雪が舞う猫も仔犬も床の中
85●雪の夜の人形の目の虚ろなる
86●雪催気の急く傘の帰り道
87●老人は眠れぬ鮫がよぎるから
88●露天風呂見あぐる先の氷柱かな
89●若き日に吐(つ)きしかの嘘軒氷柱

B部門  「書初め」「金」  全86句

01●足しびれさせ書初の体育館
02●アユタヤに金のブッダや初雀
03●一の字を書いて腕組み筆始め
04●お祝ひは八丈島の金目鯛
05●大空へ大きく書く字筆始
06●「おもてなし」とボランティアーの筆初め
07●書初めに見直す吾子の凛々しさよ
08●書き初めの墨のまだまだ薄過ぎて
09●書初の添へたる指の動き出す
10●書初の縦画長き手の震え

11●書初めや濃い字薄い字それぞれに
12●書初や最後の跳ねをしくじりぬ
13●書初めや小さき願ひまた同じ
14●書き初めや光の大小並びたる
15●書初や愉快に書けば愉快な字
16●書初めや和入り年号あれこれと
17●楽器屋に並ぶ金管日脚伸ぶ
18●家庭にも要資金繰りかまど猫
19●金沢の雪吊りの山見舞状
20●金あらば冬空の下夢を追う

21●金の無い男ふらふら小正月
22●壁紙に大きく富士と書き初めぬ
23●カリブ海の熱気を知らぬ金海鼠(きんこ)かな
24●寒明や焦げこそぎ取る金たわし
25●寒暁や位牌に金の楷書体
26●寒稽古金を目指して鼻赤し
27●寒の水かぶる金栗韋駄天へ
28●還暦の覚悟を決めし初硯
29●吉書始知らすAI墨香る
30●金色に焦がすグラタン冬深し

31●金色に光りて失せぬ冬の蝶
32●金色の折紙をまず鬼のツノ
33●金運は無し多忙なり冬帽子
34●金閣の鳳凰突く寒鴉
35●金柑のいよよ明るき寒の空
36●金婚の愉快夫婦に梅二輪
37●金字塔なりし兜太や冬銀河
38●金星だ!さよならさんかく寒雀
39●金継のかろき器や福寿草
40●金泥の余白で黙す早春の月

41●金杯の浮かぶ夜空や淑気満つ
42●金箔打つ木槌の音や雪催
43●金箔の透けて春風生まれたる
44●金無垢の冬三日月を凶器とす
45●金目の猫服着て歩く春隣
46●金曜の夜は悲しき冬の星
47●句を選ぶことより始め初硯
48●古伊万里の金の接ぎ目や冴返る
49●ことさらに半紙の白し筆始め
50●沙保里の春あまたの金に銀一つ

51●冴ゆるかな触れあふ炭の金属音
52●三歳児正坐厭わぬ吉書かな
53●下田にて金目鯛煮付け定食
54●信金の自転車魂春近し
55●しんにようのはらひはみだす筆始
56●墨磨れば森の香のして初硯
57●墨とびに生れし星座や筆始
58●墨の香を乗せて太々筆始め
59●競りの声金糸魚の保冷箱
60●染め帯の金泥うすれ夕霧忌

61●大寒を手玉にとりて金目指す
62●短冊に?の一句を筆始
63●探梅や塗のお椀の金蒔絵
64●父と子の金釘流や笹子鳴く
65●束の間の寒夕焼の金の色
66●天下人金屏風背に忍び泣き
67●天金の書を開きたる淑気かな
68●天神のゴールドラッシュ寒の内
69●床間にたなびく雲や筆始
70●年玉や信用金庫のポチ袋

71●どんど火の金色となる刹那かな
72●初硯顔思い出しポチ袋
73●初硯亡父の硯にほひ立ち
74●初刷やクリムトの金湧くやうに
75●福袋金は無くとも幸来たる
76●フリーダカーロの眉一文字筆始め
77●平成と太き二文字筆始
78●返信に力をこめて筆始め
79●弁当と白金懐炉手渡さる
80●先ず空に一筆振つて筆始め

81●まなうらに般若経あり初硯
82●マンモスの牙の髑髏と金屏風
83●立春こそ吾ご褒美に金メダル
84●蠟梅や金色の香をこぼしをり
85●若き友悼む手紙が筆始
86●和気神社狛ししの眼真直ぐ筆初


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172号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 1月 1日(火)10時07分10秒
返信・引用
  A部門 全83句

01●赤深きブルグンドてふ冬の薔薇
02●アサツキを曇る眼鏡でほうり込む
03●暖かき部屋で寒波は他人事
04●飴色の母のお椀や晦日蕎麦
05??あめつちにかくれんぼする冬の精
06●凍て星の残らず掬へさうな丘
07●お勝手のスリッパ揃へ除夜の鐘
08●おほどしの朝風呂の湯の那由多かな
09●折りたたむ彼の日彼のひと初昔
10●音量を上げて近づく焼芋屋

11●会場に沸くウェーブや淑気満つ
12●数へ日や分別ゴミの掲示板
13●寒月や誰に叫ぶか猫の声
14●還暦のタワーのあかり寒満月
15●還暦の近づいて来る炬燵かな
16●着ぶくれてコンビニで買ふフルコース
17●教会とモスクの並ぶ神無月
18●ゲルニカの贋作十二月八日
19●限定品テレビに溢れ年詰まる
20●「恋文」といふ結び帯初化粧

21●極月の礼拝堂に一人なる
22●山茶花の微笑している家出時
23●白湯供ふ義士討入りの日なりけり
24●静かなるマスクの中の子供部屋
25●死に場所をひたすら探る冬の蠅
26●しみじみと昭和語るや榾明り
27●殉教者増ゆる世界やクリスマス

28●小康の寝汗をぬぐう冬の虹
29●錠剤の朝昼晩や日短
30●しらたきの解けてゐたる霜夜かな

31●不知火の海こそ良けれ初日抱き
32●ストーブに張りつく父の髭や濃き
33●煎餅屋の醤油の香寒昴
34●千両の雪の赤き実暖かし
35●洗礼者ヨハネのこゑや冬の鵙
36●抱けば子の顔歪みたるちゃんちゃんこ
37●溜息の消ゆる地下牢蝶凍つる
38●単線の一輌電車冬紅葉
39●蝶々座は蠍座に添ひ冬銀河
40●通勤のラッシュのやうに干大根

41●手や腋や柚子の香ほんのり湯屋の夜
42●伝言は十五の我へ冬鷗
43●冬至受け92歳の大往生
44●冬帝や等圧線を統ぶる術
45●特等の席から見える冬の山
46●年越しの玄関灯と息子待つ
47●年の暮テレビは夢を伝えてる
48●年の暮何するもなく座りおり
49●年の瀬や今さらながら独り者
50●とんがつてやつて来る鮫目は優し
51●啼きおとす寒鴉一声そして闇
52●ナベサダや冬の流星見にゆかん
53●日日を好日として年暮るる
54●二年ぶり元気ですよと賀状書く
55●温め酒手と相性のよきお猪口
56●肌寒や鬼神の住まふダリの家
57●初雪に知らず両手を合わせけり
58●母倒れ噂が走る師走かな
59●母逝きて師走の向こう空の上
60??ふくろふ啼く佳き知らせほうほうほうと

61●仏像の母なる丸太冬夕焼
62●冬うらら古刹にジャズのラヂオ音
63●冬の朝平成見届け母も逝く
64●冬の暮玄関に起つ母の下駄
65●冬晴れや磨きし窓の駄賃かな
66●古里の山茶花胸に降り積る
67●プラットホームの肩で息するコートかな
68●平成を勤め上げたる柚子湯かな
69●閉店の小さき貼紙笹子鳴く
70●ぽつぽつと陽だまりを食ふ冬の山羊

71●ぽつねんと静まりかえる冬座敷
72●またひとつ老いしサンタクロースかな
73●眉月の残る朝なり歳つまる
74●実万両政治枯れ行く音の有り
75??眼の開かぬ仔犬のやうな大つごもり
76●焼鳥の一串ごとの煙かな
77●夕暮れてグランドの縁石蕗の花
78●雪女最終バスを見送りぬ
79●雪掻きのスコップの跡一人親
80●ゆく年を枯山水に置いてみる

81●寄せ鍋ややはりよき友よき地酒
82●ランタンの灯す右手と寝酒かな
83●綿虫やいのちの重み抱へたり

B部門  「一月」「器」  全79句

01●熱々を器用に食べる冬さかな
02●青竹の花器となりたる時雨かな
03●熱燗を器用につかみまあ一献
04●一月の阿吽のごとき欠伸かな
05●一月の朝べらんだの草摘ぬ
06●一月の海煌めけり旅の島
07●一月の思ひ行き交ふ読書灯
08●一月の顔や晴衣やクラス会
09●一月の片付けられない症候群
10●一月のカレーライスは具沢山

11●一月の坂の頂上はるかなり
12●一月の朱塗り竃の伊勢茶かな
13●一月の空に五欲の文字浮かぶ
14●一月の墓前一対づつの供華
15●一月の指やはらかき整体師
16●一月の私のココア甘くない
17●一月も肩凝りほぐし喪に服す
18●一月や一病ありて此の歩み
19●一月や海を見に行く事始め
20●一月や乾いた枝に日の名残

21●一月や小さき蕾のそこかしこ
22●一月や鎮座している遠き富士
23●一月や箍の緩みしまま仕事
24●一月や縄光りたる夫婦岩
25●一月や披講のこゑのうらがへる
26●一月やひよいと顔出す鳩時計
27●一月や廊下は校舎貫いて
28●一輪の花器こぼれたる淑気かな
29●大欠伸男やもめの初の月
30●おせち盛る器の龍も老ひにけり

31●火焔土器発掘されし山眠る
32●加湿器の風のやさしき待合室
33●加湿器の機関車のごと吐く蒸気
34??カステイラ葉つぱの中に一月
35●数へ日や恭しくも黒器出づ
36●語り草のデュシャンの便器鮫来たる
37●神様のご加護と言いて寝正月
38●空つぽの空の器や冬ざるる
39●器量とは心のすがた初鏡
40●蔵出しの漆器に映ゆる雑煮かな
41●古伊万里の鶴首の花器や春を待つ
42●木枯らしに神器を携え母の空
43●此処彼処に災い残し一月来
44●古来よりの器の町に淑気満つ
45●今度こそ一月からは早起きを
46●さあ食べよ器に盛りしおでんたち
47●山茶花や大器晩成まだ成らず
48●潮騒と加湿器の音聞き分けて
49●静かに眠る一月のビオトープ
50●十二月一(ひと)月の早さ二(ふた)月分

51●正月も忘れし母や初電話
52●正月や受話器の向こう母の声
53●聖火台めく火焔型土器冬青空
54●石膏像の一月の白さして
55●染付けの器の清し寒の内
56●それぞれの器の旅を去年今年
57●大器未だ成らず今年も日記果つ
58●大器晩成の少年山眠る
59●電熱器ひとつの下宿生活です
60●年越しの蕎麦を見守る食器棚

61●年を越す鐘そうそうの器かな
62●屠蘇の器に一妙きらり存へり
63●長き夜に陶磁器の旅夢うつつ
64●熱気球一月の気の満ちみち
65●箱膳にかをる漆器や年新た
66●晩成とならぬ器や寝正月
67●美顔器の微かな波動冬の星
68●一つ減り器は二つおでん盛る
69●日向ぼこ猫にも有りし器順
70??不器つちよな切株ひとつ年流る

71●不器用と器用の握手悴めり
72●不器用に生きたる蝶の凍て始む
73●不器用に老いて今宵の根深汁
74●梟や無用あまたの食器棚
75●振り返る好きな器で大晦日
76●兵卒の食器野ざらし冬離島
77●北欧の器によそふ冬至粥
78●ボードかかへ立つ一月の沖へ向き
79●まんぷくの大器晩成山眠る




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171号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2018年12月 2日(日)11時57分33秒
返信・引用
  A部門 全80句

01●足踏みて鳴らすオルガン冬夕焼
02●熱燗や星影揺らぐ日本海
03●雨もよい炬燵は私の安定剤
04●生け垣の南天此処を正月に
05●一団のゼミ学生や落葉中
06●銀杏踏む鳥の形の金色を
07●うつし世に未練の多し冬もみぢ
08●枝打の枝造作なく堆く
09●横穴(おうけつ)に腰屈めたる落葉かな
10●オリオンのぴっと肩上ぐ藍の空

11●郭然と人の想いは冬木立
12●火山性地震百回片時雨
13●風邪薬提げて舞ふ雪暗き道
14●兜町のビル跨ぎ来る冬将軍
15●紙袋ごと鯛焼にあつたまり
16●寒月光差し込む鏡の間に王妃
17●寒昴母には告げず夢精の朝
18●寒林や言葉ではなき言葉持つ
19●狐火や身内にほのと灯るもの
20●気持ち良し小春日和をつつがなく

21●草枯れし野良猫の走る速さかな
22●葛湯吹くわが息少し頼りなく
23●黒猫の尿する猫の墓小春
24●蜘蛛の国の風に疲れて冬となる
25●懸崖の潮風を抱き鶴來(きた)る
26●ごぶごぶと鳴る排水や冬の夜
27●転びさうで転ばぬおさな銀杏黄葉
28●山茶花のべンチを見つけ昼餉とす
29●さんずいのやうに弾ける波の花
30●参道のかなたこなたにお茶の花

31●散歩道冬めく日々に陽が注ぐ
32●白露や猫を探せば山羊の声
33●寿司皿の聳ゆ勤労感謝の日
34●スピーチの枕詞に石蕗の花
35●聖書手に殊勝なわれや風邪の床
36●晴天を一気呵成に紅葉山
37●生と死の囁き合へり寒の月
38回●背をまるめ祈る嫗や冬紅葉
39●千枚田一枚ごとに黄落す
40●大根の端にちよろんとダリの髭

41●旅の宿加賀大根を頬張りぬ
42●茶の花や岩田由美さんくしゃみせり
43●ちんまりと八百屋のレジの聖樹かな
44●ツイツイと賑やかしげな百舌鳥の朝
45●爪先に凍蝶の粉振り撒きぬ
46●棟梁のまづは落葉を掃きにけり
47●袴着に玉砂利駆けるスニーカー
48●掃く音に生まるるリズム鵙の声
49●裸木と聖樹の枝の触れ合へる
50●初霜や猫犬までも引き籠り

51●遥かなる思ひ出あるや七五三
52●毘沙門堂知る人ぞ知る紅葉道
53●一つ思ひ一つ忘れて日向ぼこ
54●響くのは玉砂利ばかり秋の蝶
55●ひよいひよいと懐手にて友来たる
56●ビル風の攫つてゆける木の葉かな
57●仏像の胎に仏像山眠る
58●冬色の鋏の滑り落つるかな
59●冬うらら富士のふもとの古電車
60●冬ざれや「今夜は鍋」といふ報せ

61●冬の運河コンビナートの火は消えず
62●冬の星座恋ほしく写す上布かな
63●冬晴を丸ごと喰らふ散歩道
64●冬日向趣味仰雲の友とゐる
65●平成の最後を綴る日記買ふ
66●ホットワイン森の香りの湯気たてて
67●歩道履く掃除婦の背に舞ふ枯葉
68●まるく寝る猫に共振冬の朝
69●丸虫は子どもの友達柿日和
70●見てくれの悪しき蜜柑や美味の声

71●むささびになつて眠りのなかを飛ぶ
72●室咲の花はぶつきらぼうに散る
73●目覚めればまだ生きている寒さかな
74●メタセコイア短く切られ冬に入る
75●物陰に一人遊ぶ子石蕗の花
76●雪吊りとことじ灯籠と自撮りする
77●より深き闇へ分け入る冬の星
78●綿虫をはつしと睨み太極拳
79●吾に来る冬の鴉よ来て笑へ
80●ワンコールカット睫毛の冴ゆるやうである

B部門  「セロリ」「守」  全73句

01●熱燗は人肌にして妻の留守
02●愛おしきセロリとセロリのやうな人
03●色づくマロニエ一編の子守唄
04●囲炉裡火や酔へば「赤城の子守唄」
05●畝間からサラダが美味とセロリたち
06●乳母車セロリ一束のみの客
07●エコバックよりセロリの葉かほを出す
08●おいしいよ苦手のセロリ隠しつつ
09●音高く齧るセロリー合宿所
10●御守りを開運魔除冬構え

11●齧りたるセロリの青し平成ゆく
12●がぶりがぶりせるりを食めば波遥か
13●神の留守漢方薬を吹き溢す
14●枯蘆の着き場分け入る渡し守
15●カレー皿セロリ一本横たはる
16●木守や川向うより打球音
17●凶と出づ思はず拝む神の留守
18●京の紅葉江戸の黄葉や鎮守さま
19●金商法違反のニュースセロリ噛む
20●校章にセロリ遇らふ創立者

21●木枯の吹く山揺れる子守唄
22●琴の音の遠くにありてセロリ噛む
23●木の葉髪守るべきか攻めるべきか
24●小春日に要人守りピリピリと
25●小坊主のセロリ嫌いや法善寺
26●狛犬の雄雄しく見ゆる神の留守
27●子守唄めきて枯野に吹く風は
28●薩摩守キセル携え初時雨
29●しぐるるや式守伊之助うつちやらる
30●しぐるるや関守石に紐のなき

31●守護神は普賢らしきや冬うらら
32●守護神も落ち葉布団で昼寝中
33●守護霊と対で酒酌む炭焼小屋
34●白黒のイタリア映画セロリ噛む
35●シンプルな人生セロリ齧りつ
36●透き通る青き血管セロリ食む
37●スープ煮るルクルーゼよりセロリの香
38●寂然とかつ燦然と木守柿
39●セロリ噛む急逝の師を偲びつつ
40●セロリ噛む子にたしかむることありぬ

41●セロリ噛む藤田嗣治の猫を見て
42●セロリ食ふパリー遠しと思いつつ
43●セロリ好き半分成人祝う娘や
44●セロリーのサラダ大好き隣の子
45●セロリ食むキスしてはまたセロリ食む
46●セロリ巻く肉の旨さは冬の味
47●走攻守揃ひし妻や雪合戦
48●立ち尽くす守衛の背に舞ふ枯葉
49●竹林の奥のざわめき神の留守
50●夫留守の二泊三日の隙間風

51●夫の留守今朝の落ち葉の赤きこと
52●伝道の人に居留守や石蕗の花
53●とこしえに遠ざかる星セロリ食む
54●年寄りのセロリー薄く細く切り
55●友達に食べて貰ひしセロリかな
56●悩ましく襞を寄せたるセロリかな
57●二十年経たる再会神の留守
58●歯切れよきタンゴのリズムセロリ噛む
59●初恋の眼真つすぐセロリの香
60●英彦山の秋の神事の火を守る

61●吹雪夜の燈台守に遠き海
62●冬の風邪守り抜きたし我が妻を
63●ベネチアングラスいつぱいセロリ挿す
64●星の謎二センチ角のセロリかな
65●ボジョレーや林檎とセロリとオリーヴと
66●頬杖の留守居の夕べ漱石忌
67●待ちぼうけセロリの口にほろ苦く
68●守君が先に逝くとは雪催
69●守るべき矜持有り無しちゃんちゃんこ
70●みづみづしセロリコツプに差しておく

71●耳掻の端に梵天木守柿
72●雪吊りの守り人ありて歴史あり
73●楪や平安名崎の灯台守





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170号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2018年11月 1日(木)10時26分47秒
返信・引用
  A部門 全81句
01●紅き赤小樽運河の蔦紅葉
02●秋しぐれ301に引越し屋
03●秋白しつんつん尖る八ヶ岳
04●秋澄むや今日はゴミの日ゴミ当番
05●秋蝶の風のまにまにワルツかな
06●秋灯し父の形見の萬年筆
07●秋の夕整骨院で眠りこけ
08●朝寒や開けっ放しのクロゼット
09●安達太良に集ふ小鳥や原発忌
10●石段をホップステップ木の実降る

11●無花果やアフリカを出しわが祖先
12●無花果や胎内にゐて独りぼち
13●いつまでも青春気分万年青の実
14●出雲なる神在月に縁結び
15●稲干すや胸にずつしり日の匂ひ
16●いわし雲五島より来る伝道師
17●狼のまつり楽しむ聲がした
18●大花野人それぞれの背中持つ
19●丘の上の我等若し運動会
20●奧の間の般若の面や十三夜

21●男ひとりせめて今宵はむかご飯
22●尾花散る色無き風に乗せられて
23●悴むやハンドルバーは手に余り
24●かりがねやわが優しさの病んでゐて
25●刈穂田の藁山放つ暖かさ
26●榠樝の実硬き形に色づきぬ
27●観劇や居眠りをする秋袷
28●神無月出雲大社の氏子なり
29●霧晴れて羊蹄山を仰ぎ見る
30●草紅葉匂ふ遠出の程の良き

31●草紅葉老いゆく吾の悪しからず
32●首長の恐竜食むや羊雲
33●玄圃梨(けんぽなし)囲む大人の食談義
34●黄葉やテニスボールの消えし先
35●黄落や不動の眼ふと和み
36●黄落や耳立てしまま犬眠る
37●児の洟を拭く母若し秋深し
38●このままで終はりたくない薄紅葉
39●小春日やあかごが寝付くほどの風
40●ゴミ出しでベランダ寒し秋の夜

41●古民家の店へと続く草紅葉
42●小娘に惚れて入れ歯の秋の暮
43●逆さまに貼りし切手や蓮の実
44●散髪の小さき庭に小鳥来る
45●授業時の小春の校庭静まりぬ
46●浄生院義誉理順居士鳳仙花
47●修道院の塔を遮て柿熟るる
48●芒が原一生分の風を聴く
49●霜降の阿蘇の原野に星を見る
50●空晴れて猫の欠伸や稲の道

51●石蕗の花古希となりても母恋し
52●手から手へ渡す大きな通草の実
53●天を突く仏舎利塔や鷹渡る
54●途切れなく手を振る尾花ハイウェイ
55●長き夜に掃除中途の読書かな
56●長き夜や古き写真に糊の痕
57●投げ銭を待つ死神やハロウィーン
58●廃線のレール遥かに蔦紅葉
59●櫨の実の青き天井より垂るる
60●火恋しや若きロルカのゐし舞台

61●英彦山のすすき原野に紅葉狩り
62●一口の番茶の熱き秋日中
63●故郷の山粧いて水清し
64●ブローチのピエロの涙秋の海
65●ポケットに探るのど飴文化の日
66●ボランティアガイドいきいき庭の秋
67●勾玉の記憶に月の都かな
68●マリンバの美しき撥にと木の実降る
69●水木の実三つ拾いて掌に
70●明治とはきのふのことよ露の玉

71●紅葉待つ暦たよりの一葉かな
72●矢印を辿りて秋のみづうみへ
73●湯煙のゆらりゆらりと星月夜
74●ゆふらりとバランスボール十三夜
75●ラフランスどこからメスを入れやうか
76●レジ篭を斜交ひに座す深谷葱
77●老境は幼なに似たり猫じゃらし
78●頬を打つ秋風受けて目が笑ふ
79●居酒屋にゾンビの集ふハロウィーン
80●銀匙に葉のレリーフや小鳥来る

81●紅葉かつ散り店先に金剛杖

B部門  「囮籠」「筆」  全75句

01●朝ぼらけしじまに囮の声高く
02●秋草の庭に向かいて筆をとる
03●秋寒し一筆箋に走り書き
04●秋の宴久しき友へ筆を取る
05●秋の宿その名は父の筆による
06●秋深し鉛筆転がる音のあり
07●兄たちとかすみ網張り囮籠
08●一筆の濃き新婚の賀状かな
09●後ろ姿の吾を知らずや囮鳴く
10●恵比寿さん何故に鯛やめ囮籠

11●鉛筆の削れぬ子等や秋祭
12●囮かご一本道の途切れたる
13●囮籠置いて人影なき山河
14●囮籠壊れて残る納屋の棚
15●囮籠スマホの写真指でひらく
16●囮籠扉の遅さもどかしき
17●囮籠水谷豊のしたり顔
18●囮とは知らずに入る囮籠
19●囮鳴く遠き青空見上げつつ
20●囮皆われは囮と鳴いている

21●柿たわわ絵筆の先の夕日色
22●寒月や筆ペンにして封二枚
23●機上より一筆書の秋の川
24●帰省子に筆書き残す旧校舎
25●草の実や句帳に朱筆の多かりき
26●木漏れ日や囮の鳥のよく唄ふ
27●校正の赤鉛筆や紅葉散る
28●三筆や金風わたる比叡山
29●しばらくはのたうちまはる囮かな
30●自筆なる喪中の知らせ長き夜に

31●秋声や筆走らせる老詩人
32●秋霖や不一の文字の筆かすれ
33●深秋や頬へふうわり化粧筆
34●ストレスてふ金糸雀の啼く囮籠
35●セルロイドの頃の筆箱色鳥来
36●磔刑の如き小鳥や囮籠
37●達筆の席札嬉し秋の宴
38●注目のイノシシあはれ囮籠
39●月代や筆ペンの墨涸れてゐし
40●洞窟に住まふ老爺の囮かな

41●閉ざされし悲恋の窓や囮籠
42●団栗や一筆箋にみすゞの詩
43●蜻蛉来る散らばつてゐる色鉛筆
44●花すすき赤んぼの髪筆となる
45●針金のちとも震へず囮かな
46●ハロウィンや禍福吉凶囮かな
47●筆圧のチャコール薄し小鳥来る
48●筆順の分からぬ文字や木の実落つ
49●筆舌に尽くし難きは北の秋
50●一筆で稚内枕崎秋の汽車

51●鵯鳴いて鉛筆削りと良い勝負
52●便箋に残る筆圧秋の雨
53●ふつつりと鳴き声の止み囮籠
54●筆擱けば闇を深むる虫音かな
55●筆が立つをとこは寡黙濁り酒
56●筆先の白き短冊秋ともし
57●筆使ひ少し荒目に秋の雲
58●筆止めて頬杖となる秋燈
59●筆箱に楓の一葉納めけり
60●筆箱のシールわけ知らず冬隣

61●筆不精詫びて届けり柿一枝
62●筆まめに叶わぬ逢瀬十三夜
63●筆まめになりたしとふと秋の夕
64●筆を取り友を思って秋の日に
65●曼珠沙華 絵筆丸めて咲きにけり
66●虫の声薄墨の筆震えたり
67●桃食ふや絶筆なんぞほど遠く
68●指先の回す鉛筆いわし雲
69●レモン絞る筆記体なるエアメール
70●若き日に囮をかけし秋の野辺

71●代筆もはや八年目おけら鳴く
72●爽籟や木地のあらはな色鉛筆
73●筆塚の傍らに色変へぬ松
74●松茸の香の残りたる一筆箋
75●寄り道の落ち葉にあるよ囮かご


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169

 投稿者:葱男  投稿日:2018年10月 1日(月)08時35分23秒
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  A部門 全84句

01●秋茜群れて忠魂碑の孤独
02●秋うらら忍者列車の切符買ふ
03●秋風や揺れる船上レストラン
04●秋雨に断捨離まずは一袋
05●秋雨の明朝体をつづりをり
06●秋雨や犬と猫とのいる暮らし
07●秋澄むや幼な子話す中国語
08●秋の風目を細めつつ感じ入り
09●秋日ぽかぽか三面鏡を置きし場所
10●秋夕焼け駅から遠き保育園

11●朝靄の庭や黄色い秋の蝶
12●アンテナを宇宙へ広げ曼珠沙華
13●一日中ウインクをしてゐる案山子
14●いふなれば星に恋する虫のこゑ
15●美味さうな紅い茸でありにけり
16●鱗雲クルーズ船より人の波
17●大風のさなかも虫は鳴いている
18●大空を千の風なり星月夜
19●倣る安部落城までは後二年
20●自づから秋風を呼ぶ馬上かな

21●喝采の一枚桜紅葉かな
22●勝手から人来たるらし秋風鈴
23●雁渡し手拭ひっかけ野良仕事
24●銀漢を残らず映しとり神戸
25●九月尽はるか御嶽山の尾根
26●熊手して朝の目覚めの音を寄す
27●黒潮へ空を広げる鰯雲
28●後円の崩れし古墳曼珠沙華
29●コスモスの匂ひ人参大嫌ひ
30●木洩日の濃く浅くして朝の秋

31●秋刀魚焼く風は天下の回りもの
32●秋気澄む「余市蒸溜所限定」
33●秋天や数珠だけ持ちて旅に出る
34●少年が兄となる日や草の絮
35●新涼や女車掌の声白し
36●新涼や自転車並ぶ塾の軒
37●水平器付きの文鎮月を待つ
38●素通りの宅配便や敬老日
39●ストレスを吐き出しもせぬ彼岸花
40●底紅や真つ赤な嘘を吐くをんな

41●静けさの森に落葉と暮るる日と
42●釈迦牟尼は美男供物の桃ふたつ
43●秋声やこの世に人のあらずとも
44●台風は列島荒らしひとり勝ち
45●台風の目に気を取られ風危ふき
46●鷹渡る五島のすべて見下ろして
47●立てて良し一本ごとの秋刀魚かな
48●小さき嘘大きな嘘となる夜長
49●中秋の望まれぬ空国の先
50●月今宵野暮な電線避けて撮る

51●月代や魔女の箒のスタンバイ
52●月の夜弧穹の軌道確とあり
53●露草の道より萩の道に入る
54●露草や半分青い朝の道
55●天高し練馬アメダス観測所
56●唐黍食む水平線を巻き込んで
57●読書の灯消して始まる夜長かな
58●飛び立ちもシャッター嫌ふ帰燕かな
59●苦瓜の葉裏に暮らし人嫌ひ
60●野分去る倉庫の土間に小さき穴

61●墓洗ふ飛沫ぴしりと頬を打つ
62●蓮の実の飛ぶ妖精のちりぢりに
63●初紅葉庭師の作務の休まれり
64●鼻折れし鞍馬天狗や野分立つ
65●花野来てゆふべの夢へ戻りゆく
66●ばんざいは寝落ちのサイン涼新た
67●番屋ありエゾタンポポのあちこちに
68●蜩の消えて山葵田に降る雨
69●冷やかやじろじろじろと巻く竜頭
70●病院に病気友達秋うらら

71●ふるさとは時の止まりし星月夜
72●蛇穴に人は布団に世は静か
73●暴風の晴れて田んぼに曼珠沙華
74●満月の波動マグマに満ちゆかむ
75●曼珠沙華夜明けの土手に整列す
76●椋鳥や防犯カメラ作動中
77●虫の音に聞き耳立ててもの思ふ
78●ムスリムのガイドもゐたり月の酒
79●名月や君の心の晴れたから
80●もう髪は染めない星がとんだから

81●郵便受に遺る父の名秋の虹
82●宵闇に滲みゆくなり水平線
83●ラジカセのテープの弛み運動会
84●六道の輪廻を尋ぬ曼珠沙華

B部門  「天の川」「番」  全78句

01●秋暑しホームの端のゼロ番線
02●秋の日に番号当たれ宝くじ
03●秋彼岸私の番は考えまい
04●温かき番茶の香り天の川
05●熱きもの手に乗せるがに天の川
06●天の川秋の夜空を見入りおり
07●天の川粋な話は御用済み
08●天の川エゴを宇宙の塵とせん
09●天の川幼馴染と橋の上
10●天の川五線の音符を追ふごとく
11●天の川そのまた向こう黄泉の河
12●天の川旅のラストを飾りゆく
13●天の川土偶の尻の丸々と
14●天の川「何もしない」をした日なり
15●天の川ナビは踏切予告する
16●天の川へその緒は綿に包まれ
17●天の川まだ青春を止めずゐる
18●天の川われらまさしく宇宙人
19●腕枕恋せよ乙女天の川
20●家々の蝶番飛ぶ月今宵

21●家出して珈琲当番も出来ず
22●一陣の風に出番や猫じゃらし
23●一枚のトランプを待ち天の川
24●一身を委ねる海や天の川
25●色変へぬ松や番犬注意書
26●老いらくの恋は秘むべし天の川
27●男と女分かつ番台ちちろ虫
28●落ししは宇宙飛行士天の川
29●傾ぎつつ皆で見上げ天の川
30●この夏は赤き一番星のファン

31●木の実踏んでふんで銀河を近くする
32●希林さん死んで番(つがひ)の秋の蝶
33●銀漢や古稀の顔みな集ひたる
34●銀漢や五輪記念の古銀貨
35●銀漢やト音記号に螺旋形
36●キャンプファイア消えて銀河の溢れけり
37●交番の屋根の鋭角小鳥くる
38●首こりも仕事も忘れ天の川
39●海猫(ごめ)のこゑ身に入む番屋ヤン衆部屋
40●最終を待つ身にさやと天の川

41●さわさわと瀬音星音天の川
42●漆黒の海突き抜けて天の川
43●秋霖やきしむ手足の蝶番
44●上甲板より天の川へと入水す
45●水平線の裏へ豊かに天の河
46●鈴虫のBGMと留守番す
47●背番号24付け来る野分
48●蝶番軋み正して風涼し
49●父母と孫の再会天の川
50●使ひ切る人生のあり天の川(樹木希林を悼む)

51●月落ちてゴビより銀河立上がる
52●月の座に元番長の来てゐたり
53●鉄条網此れより淋しき番外地
54●トワ・エ・モワのジャケット古りし天の川
55●当番で回覧回す秋の夕
56●ナナハンを駆る女番や天の川
57●新潟行き夜行列車や天の川
58●二番手は勇気は要らぬ無月なり
59●離れ業決める番の蜻蛉かな
60●早も来て番の鴨の月に寝る

61●貼り紙と猫が店番運動会
62●番犬の声に躓く十七夜
63●番号で呼ばる受付秋暑し
64●番小屋の朽ちた扉や秋の昼
65●番長は花屋のせがれ運動会
66●番台の左に秋気溢れをり
67●ひそやかに天の川へと糸電話
68●陽だまりを浴び番ひ合ふ秋の蝶
69●人に語る言葉もなくて天の川
70●フルーツの香りのリップ天の川

71●分骨を終へて故郷の天の川
72●また逝けど未だ溢れぬ天の川
73●真夜中の龍の道なり天の川
74●ホテルのロビー銀漢の匂ひして
75●モンローをまねて5番や流れ星
76●闇雲に暗証番号秋扇
77●竜胆の蕾揃ひて出番待つ
78●輪番の溝攫ひ来し秋暑し



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187号

 投稿者:葱男  投稿日:2018年 8月 1日(水)09時26分49秒
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  A部門 全87句

01●朝顔の大輪の星風そよぐ
02●朝涼の吊広告の笑顔かな
03●幾度か一夜に秋を待ちにけり
04●幾万年古りにし貝や星降る夜
05●井守クン清流守る赤腹で
06●迂闊なり巨大胡瓜を創りけり
07●団扇風ばあばの横でやっと寝る
08●空蝉の中の時間のたつぷりと
09●空蝉や箱舟すでに岸を発つ
10●空蝉や骸の名盗る山津波

11●産土の海に水母の骨拾ふ
12●炎昼の我慢比べやブーフーウー
13●炎天下水害の町友一人
14●炎天のテニスコートに赤色灯
15●炎天の虫の居どころ頭頂に
16●炎天や道行く影の剥がれゆく
17●遠雷や湖底に眠る縄文土器
18●大夕焼鬱抱きつつも外に出づる
19●幼き日松葉ボタンが眩しくて
20●教はりし道は途切れて花山葵

21●自ずから水葬となる海月かな
22●思ひ出す夢半端なり竹婦人
23●雲の峰鷗に白き翼あり
24●カップルの揃ひの日傘バスを待つ
25●兜虫秩父盆地の空を舞ふ
26●がんばれば金魚は空を飛べるはず
27●漢ひとり丸ごと嚙る青林檎
28●木苺を食むや昭和がほのぼのと
29●ククルクク鳩のうた聴く晩夏かな
30●海月より教はりしことまだ秘密

31●黒鯛の刺し身博多に心飛ぶ
32●木下闇極楽からの余り風
33●古書店に香水かすか雨宿り
34●コヨーテの十色の咆哮夏の果
35●さくらんぼ弾むインカの音色かな
36●サヨナラのホームスチール大夕焼
37●縄文の埴輪の涙旱星
38●星雲の翳を負ひたる海月かな
39●蝉時雨青天白雲観自在
40●外暑し暑気払いは盛り上がり

41●たおやかにかくも涼しきマリアかな
42●谷底に分け入り清水へと素足
43●淡彩のひらがな縷々と星まつり
44●杖突いて一歩踏み出す溽暑かな
45●月涼し碧き目のバリトンを聴く
46●蔓に蔓こんがらがつてゐて大暑
47●梅雨明けや博多の街の山笠競ひ
48●テンポ良き須賀の甚句や夏木立
49●遠嶺より星近ければ夏の果
50●遠山の茜の空や夏料理

51●届きたる南瓜ふたつに割りてさて
52●夏草や風の行方を花に聞く
53●夏つばめ三角屋根の無人駅
54●夏の蝶グラスの雫つつきをり
55●欠番
56●夏富士の素肌に思ふコンパクト
57●夏帽子かつぱらはれて風の外
58●難解の横文字言葉浮いてこい
59●南国の花さえ萎える熱帯夜
60●寝返りをうつたびどこかで夜の蝉

61●熱帯夜冷やしてあげたし室外機
62●凌霄花やよいしょと覗く万歩計
63●博多なれ山笠の男の長法被
64●蓮池の水の沈黙重たくて
65●八月や海へと崖はなだれ込み
66●初蝉に地上の熱の重たさよ
67●初蝉や風はさわさわ川さらさら
68●ハンモック寝返る横に倫乃風
69●向日葵も顔を背ける酷暑かな
70●風鈴やひとり汽車待つ無人駅

71●昼顔の海辺に寝添え蟹の道
72●襖絵のにゃんこは虎ぞ月涼し
73●太息やきのふもけふもあすも炎ゆ
74●噴水とじゃれ合う子に笑み浮かぶ
75●星涼し岩塩削る音涼し
76●満身のエアギターなる油照
77●短夜や寝返り打ちし壁の音
78●蜜豆やジュークボックスよりタンゴ
79●虫聴きの丘に登れば江戸の風
80●桃の香や尾根の谷間で涼をとる

81●山百合や谷間の駅の行き違い
82●嬰(やや)の目にやんちやの素質雲の峰
83●夕立に雨宿り噂始まる
84●夕立に清められけり天邪鬼
85●夕凪やこころあたりのある輪廻
86●夕虹や瞳孔閉づるやう祈り
87●詠みたきダリアもう彼の人が詠み枯れり
88●わが居場所葉裏と決めて蝸牛

B部門  「蝙蝠」「知」  全81句

01●愛知県蒲郡より西瓜来る
02●青蜥蜴尾を忘れても知らぬ貌
03●赤富士や目前よぎる蚊食鳥
04●ありがとう休み知らずの扇風機
05●岩清水酌みて吾ただ足るを知る
06●傘骨を折りて蝙蝠密林へ
07●カステラ冷やし蝙蝠のロゴを見る
08●かはほりと屋根裏部屋をシェアしたる
09●かはほりの影の飛び交ふ残土かな
10●かはほりの舞や振り子のイレギュラー

11●かはほりやお寺の自動鐘つき機
12●かはほりや彼の人酒に連れ逝かれ
13●かはほりや缶蹴りの子らいつまでも
14●かはほりや逆さに戻す砂時計
15●かわほりの舞へる田に顕つ佇つ夢の父
16●旧道の暗きトンネル蚊喰鳥
17●熊?や古道をたどる知の巨人
18●暮れ方の坂をハミング蚊喰鳥
19●公園の錆びた汽罐車蚊喰鳥
20●蝙蝠が漆黒の風曳いて来る

21●蝙蝠と大南窟でにらみ合い(宝満山にある修験の窟)
22●蝙蝠にのぞき込まるる子の眠り
23●蝙蝠の如何にも妖しつばさかな
24●蝙蝠の眼下に空の深さかな
25●蝙蝠の軌跡目で追ふその不安
26●蝙蝠の気儘な円弧外灯下
27●蝙蝠の住処に幾夜耐えた子ら
28●蝙蝠の飛ぶ頃波止に舟着きて
29●蝙蝠の飛び込んで来て死んだ振り
30●蝙蝠の羽根や超音波探知機

31●蝙蝠の歯の鋭さや火星喰ふ
32●蝙蝠の独りの闇を抱きかかふ
33●蝙蝠の舞ふ空がある無人駅
34●蝙蝠のミイラ貼り付く室外機
35●蝙蝠のよぎりし月のクルスかな
36●蝙蝠は銀の湖飛ぶ午後七時
37●蝙蝠は哺乳類ぞと教わりて
38●蝙蝠や朝日を浴びて朝帰り
39●蝙蝠や会はずに済ますことばかり
40●蝙蝠や昭和に焦土ありし頃

41●蝙蝠や奈落の底のオフィーリア
42●蝙蝠やマングローブの香を残し
43●蝙蝠や水辺に揺らぐ葦の影
44●蝙蝠や夕んべ哀しき京の辻
45●蝙蝠やランプぬらりと洋館に
46●蝙蝠やをんなの止まぬ立ち話
47●蝙蝠を咥へて猫の戻り来る
48●酷暑なり知能指数のガタと落ち
49●苔庭の一隅の涼足るを知る
50●この暑さいつからこんな知らぬ間に

51●島々を見晴らす灯台蚊喰鳥
52●島の夜の匂ひ深まる蚊喰鳥
53●知らぬこと知らぬがままに合歓の花
54●知る人に打ち水かけて苦笑い
55●知床に秋鮭一家と熊家族
56●知床の熊と戯れ夏も去ぬ
57●西瓜割り頓知の亡父懐ひけり
58●澄むほどに青く涼しき付知川
59●空知川統べる者なき炎暑かな
60●竹やぐら知るや知らずや父の汗

61●知恵あればここまで落ちず夕涼み
62●知恵の輪の丸と三角大暑かな
63●知勇なき政治屋失せよ くそ暑し
64●散ることを知らぬ虚しさ水中花
65●梅雨明けや採用通知待つ娘
66●梅雨明けや知育玩具に歯形跡
67●連れだつは先輩空に蚊喰鳥
68●転居して眺めし空の蚊喰鳥
69●認知症だつて恋する夕の虹
70●梅花藻は梅雨の終わりを知らせけり

71●初生りのいちじく知らぬ間にとられ
72●光る目がパタパタパタと蚊食い鳥
73●風鈴や知らぬを知りて栞紐
74●洞より蝙蝠どつと散らばるる
75●蝮酒になること知らぬ蝮かな
76●マンモスの甦へる知恵書を曝す
77●未知に会ふをさなの瞳貝風鈴
78●無知の知を生きて白寿の生身魂
79●物知りの突如寡黙にはたた神
80●夕暮れの空掻き回す蚊喰鳥

81●夕凪や疼き始める親知らず




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167号

 投稿者:葱男  投稿日:2018年 7月 4日(水)06時19分38秒
返信・引用
  A部門 全87句

01●青梅雨や停学の子と焼くもんじゃ
02●紫陽花の笑顔艶やか七変化
03●紫陽花の花弁の隙に受けし雨
04●紫陽花や写真にできぬ風の色
05●足下の崩れたるやう蛍膨るる
06●雨蛙宝満拝む畦の脇
07●入れ墨の腕の太さの極暑かな
08●打水や絶海となる散歩道
09●裏山に熊の足跡夏の雲
10●炎天や石の呟き父の墓

11●幼子の見詰むかたつむりの歩み
12●落つる汗下北沢の呼び込みや
13●朧げな南天の花何想ふ
14●蚊喰鳥憂き世の闇を炙り出す
15●駆け込み寺梅雨の蝶々のまとひつく
16●肩車してパンダの行列梅雨晴間
17●川音にすすむ地酒や鮎の宿
18●黴の香や父の書斎の古日記
19●眼球の奥の虹彩ルリトカゲ
20●寒山詩空に満月手に箒

21●草刈の腕を休めて汗拭う
22●草芝居狼役に梅雨明けぬ
23●梔子や輪廻転生矢のごとし
24●口笛で三オクターブ風薫る
25●口笛に駆けて来る犬青葉風
26●口紅を引くシャレコウベ蛍舞ふ
27●黒南風の砂丘に立ちて海丸し
28●香水やからまる金のネックレス
29●子ツバメの巣を日々愛でし老夫婦
30●混沌の中の一群れ濃紫陽花

31●さみだれや「拉致」ポスターの赤き帯
32●山椒魚あの清水から旅立ちぬ
33●茂り葉や水面に時を映しこみ
34●借景は伊都の遺跡ぞ白鷺よ
35●縄文の緋の漆や大地炎ゆ
36●白南風や折目正しくたたむ傘
37●白南風や庭師の貝の首かざり
38●詩を恋うて今新緑の中にあり
39●新聞配達の腕半袖の日焼跡
40●人類の始めは裸夏兆す

41●積乱雲ニライカナイはあの腹に
42●袖先を折る仕草佳き半夏かな
43●胎内に届くかぼそき蝉のこゑ
44●黄昏を串刺しにせり夏燕
45●竹林の三光鳥へ澄ます耳
46●弔旗のごと翅を曳きゆく蟻の列
47●梅雨明やぽかんと浮かぶ丸い雲
48●梅雨湿り汽罐煙るや博多港
49●梅雨になり明日も雨かと鬱気分
50●梅雨冷えに猫はお昼寝犬吠える

51●手の中に粉粉の蝶昼寝覚め
52●時々に木魚の音も濃紫陽花
53●鈍行に本読み進む夏の果
54●夏木立窓枠ありて絵となりぬ
55●夏つばき水琴窟の歌ひけり
56●夏服に着替えし頃に梅雨の風
57●七色の嘘に塗れる濃紫陽花
58●なにごとも驚くなかれ梅雨晴れ間
59●ねじれ花きれいにねじて空へ行く
60●白髪のトイレ掃除に夏の汗

61●はぐれたるほうたるぽつりなおいつそう
62●バス待つや早く来ぬかと夏帽子
63●鼻毛つんと髪は扨措き大暑なり
64●万緑の奈落や我が身縮みゆく
65●日雷ビリケンさんの金の髷
66●美女柳傘の内なる長き髪
67●一夏の麦わら帽子百八圓
68●昼寝していよよ伸びたる無精髭
69●深皿の底の河童や夏の膳
70●深眠り寝間に蛍の火を放ち

71●別姓の表札掲ぐ薔薇の門
72●ほうたるの真黒く横切りゆびのさき
73●蛍火や息を継ぐこと忘れゐし
74●本一人スマホ六人冷房車
75●まだ僕は海月の骨を探してる
76●眼閉づマイナスイオンの滝の精
77●実梅落つそろばん塾は路地の奥
78●短夜やシャガールの馬宙を行き
79●御仏と交わりし夢ネムの花
80●欠番

81●みちのくの砂の嗚咽や浜昼顔
82●目印の青きハンカチ胸に挿す
83●夕立に身を清めけり天邪鬼
84●雷鳴や木樽を揺らすウヰスキー
85●らっきょうの匂い甘酢に封印す
86●欠番
87●驚いてヤモリと私にらめっこ
88●泣きぼくろ坂駆け上がり夏に入る
89●紅型の暖簾くぐるや走り梅雨

B部門  「蟇」「道」  全75句

01●愛加那と奄美の梅雨は道の駅
02●畦の道でんと構える蟇蛙
03●牛久沼河童伝説蝦蟇鳴けり
04●炎昼や河川敷への道長し
05●江戸暑し彫り師刷り師の道具箱
06●大空へのぼる石段蟇蛙
07●怪談の噂されたる道を往く
08●帰り道ほたるを探す夏の川
09●過去生は傀儡(かいらい)の王ヒキガエル
10●肩車梔子香る帰り道

11●木々伝ふ草むらの道旅烏
12●旧道に飛脚のしるべ日雷
13●旧道の整へられて花菖蒲
14●雲の峰どの道も皆海へ出る
15●芥子咲くや旅芸人の道遠く
16●高原の朝の散歩を蟇覗く
17●この道は初めての道立葵
18●木漏れ日のひとすじの青蟇の声
19●柴山に入る道消えし盆の村
20●前世を語り始める蟇

21●田植え終え妻に知らせに帰る道
22●宝島へ片道切符南風吹く
23●近道は草の細道蟇
24●父の日やあなたの道は自慢です
25●超絶の速弾きチェロや蟇出づる
26●天地無用豊後水道大夕焼
27●跳ぶやうに見えぬ五体や蟇
28●中山道大井宿本陣の夏
29●夏立つや物の怪生るる森の道
30●夏の野を分けゆくさらの高速道

31●なりたきはボディビルダー蟇
32●庭いぢる妻の日暮や蟇のこゑ
33●熱帯夜ホラー映画へダイビング
34●合歓の花影絵館への道しるべ
35●野苺や友とさがした田舎道
36●番頭のやうに控へて蟇蛙
37●蟇イボとユーモア同居せり
38●蟇動かぬ意思の強くあり
39●蟇戒名の無き父の墓
40●ひきがへる上座の客のごとくゐて

41●蟇きみはジュラ紀を見てきたか
42●ひきがへる地震列島尻の下
43●蟇静止時流る水鏡
44●蟇の蹲う土の生温き
45●ひきがえる御笠の川の主かな
46●蟇鳴くや筑波三里の古道標
47●蟇鳴くや半眼にして石の上
48●蟇鳴くや夫婦喧嘩のあとの黙
49●蟇鳴くやマナーモードの着信音
50●蟇のこゑお客のいない終列車

51●蟇のこゑ心拍数の五割増し
52●蟇は蟇家族は家族大事なり
53●人の子の気になる小道夏休み
54●人の道外して梅雨に打たれをり
55●冷酒(ひや)酌むや廃れちまった男道
56●ヘアピンのやうに山道蛇苺
57●マンションを憮然と見上ぐ蟇
58●三毛獲りし茶の間の蟇の骸かな
59●道消えし樹海に充てり新樹光
60●道草や蜻蛉生るるを待つ野池

61●道真さん飛梅守りは梅の種
62●道の駅一筆書きの夏休み
63●道灼けて我が棒切れのごとき影
64●道をしへ消えて行方の定まらぬ
65●メロン抱き畦道走る女の子
66●もぎたてのトマトめがけて道の駅
67●夕焼や尾道をゆく撮影隊
68●寄り道をしても家路や夏の月
69●緑陰や石と見紛ふ道祖神
70●禄高の三石ほどや蟇
71●我が道を思い起こしてまどろみぬ
72●わが姫はつひに来ぬまま蟇
73●風邪ひきぬ日がな一日蝦蟇のごと
74●帰宅難民蟻の如くに道塞ぐ
75●蟇はねたる時はひょうきんに


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166号

 投稿者:葱男  投稿日:2018年 6月 5日(火)11時00分32秒
返信・引用
  A部門 全90句

01●青時雨ゆめかうつつか幻か
02●朝練の清々しきや夏燕
03●ありのままそのまま泰山木の花
04●息つかす城の石段青葉闇
05●いつまでも立ち尽くすまま五月晴れ
06●裏の田の宅地申請蝉生る
07●A列車万緑の旅始まりぬ
08●お太鼓のぴたりと決まり初夏の風
09●己が影抱へて歩む蜥蜴かな
10●音楽も苺も二人分けあつて

11●かくれんぼ茂りの中に鬼を置く
12●菓子箱に丸窓のあり若葉風
13●風強しされど噴水たる飛沫
14●カルメ焼の膨らんでくる祭笛
15●「かわせみやませみ」木(もく)を香らせ梅雨に入る
16●「かわせみやませみ」蓮の畑を
17●起重機てふガンダムの角(つの)灼けてをり
18●教室にペン音満つる風薫る
19●熊楠の曼荼羅蔵す青嵐
20●黒南風や端から焦ぐる目玉焼

21●薫風やルイボスティーの透ける紅
22●薫風を背中にそらすあくび猫
23●薫風やどつぷり漬かる露天風呂
24●声のくぐもり丑三つの不如帰
25●五才児の恥じらい楽し更衣
26●子に戻りうきうき眺む柏餅
27●悉く島の若葉や唐津沖
28●ごめんねを明るく介す青簾
29●五月晴れ運動会もくたびれた
30●五月雨の雫と連打メトロノーム

31●さよならが言へぬ滝音うるさくて
32●潮騒や砂糖に青き梅埋め
33●島に嫁ぎ潮騒を聞く金魚かな
34●仕舞ひまで嘘つき通す心太
35●人生の長き画巻や青時雨
36●水平線一直線に夏の色
37●空見上げ濡れても良しと五月雨
38●大学の産科病棟聖五月
39●滝涼し真面(まとも)にをとこ立ちにけり
40●筍を湯掻くや夜の割烹着

41●ただ白きハンケチ母は無口なる
42●ダービーや耳に赤ペン赤ら顔
43●杖突いて歩くリハビリ緑濃し
44●梅雨なれば傘もささずに雨蛙
45●天国は晴れて広々麦の秋
46●店頭に新茶所望の百匁
47●答案の返却ゆらり夏の昼
48●時を止め沖の夕焼(ゆやけ)に泳ぎ入る
49●土手を漕ぐ赤銅色の裸かな
50●寅さんの昼寝のベンチ汽車がゆく

51●とろうり光る桜の脂や聖五月
52●泣き叫び両手あげたる丸裸
53●夏空や織り成す雲の絹と綿
54●夏の灯の照らす古仏の榧衣文
55●夏めきて化粧に慣れし吾が娘
56●夏めくや期限気にしてラベル見る
57●麦秋に腰を降ろして青い空
58●麦秋の低き山並み広き空
59●バトンパスのやうにバナナを渡しけり
60●花みかん岬まで行く島のバス

61●母の日にヒロイン集ひ若返る
62●母の日の小雨の午後となりにけり
63●万緑や膝に抱きし父の骨
64●光る風茶葉の開くを待つ間
65●単衣着て声なまめけり屋形船
66●枇杷を捥ぐ今日はショパンのピアノ曲
67●便箋の過日は遠き麦の秋
68●ピンポン台立夏立夏と弾む音
69●風鈴のリンの乱れや嬰笑みぬ
70●噴水や子の国となる青き空

71●ベラスケスの前を過ぎ行く薰衣香
72●べらんだに鳥とわれ浮く端居かな
73●方形の空一輪の薔薇ほの甘く
74●呆けぶりを笑ひ合ひつつ宿浴衣
75●マカロンの転がるやうに若葉風
76●松虫てふ小さき寺こそ子規
77●幻の機影知覧の夏空に
78●短夜のチヤツトは妻に背を向けて
79●店先に並ぶぐい飲み花山椒
80●麦嵐野は一斉に黄金に

81●麦の秋まつすぐ走る大牟田線
82●もう噴かぬ噴水ふちに鳥遊ぶ
83●物の怪の生きる森なり春終る
84●約束の蛍となりて現れたまふ
85●柔らかき雨に色増す五月かな
86●雪解富士大沢崩れぱっくりと
87●ランドセルの色とりどりや街薄暑
88●瑠璃色の木漏れ日拾ふ聖五月
89●レモンスカッシュ白黒写真の空の色
90●若葉山空の青さを深呼吸

B部門  「苺」「汽」  全89句

01●青嵐給水タンクと汽車鎮む
02●朝採りの葉の逞しき苺かな
03●いいことの何もなき日や苺食ぶ
04●苺描きクレヨンの先丸くなる
05●苺狩りこつそり食むる堕落論
06●苺ジャム香る厨の至福どき
07●苺その野性の黄色藪の中
08●イチゴ大福選びし母の笑顔かな
09●苺摘みハウスの中の季節感
10●苺摘む母の願いを蹴飛ばして

11●イチゴつむ不意に振り向く妻の顔
12●苺食む一期一会の一語はも
13●苺欲しくない苛めて欲しくない
14●いにしへの恋文辞書に苺の香
15●海の青濃き糸島の苺狩り
16●海鳴りに汽笛かぶさる五月闇
17●うは事に苺の名前喋る姉
18●映像の汽車に魅せられ大井川
19●エバの摘む苺を食むる失楽園
20●炎昼や汽笛遠くに目を細む

21●大粒の苺考妣(かうひ)に供へけり
22●沖近き明治の汽船の煙かな
23●ががんぼや夜汽車の窓の夢現
24●覚醒を促しつづけ蒸汽船
25●欠番
26●飾られる時逆立ちの苺かな
27●木苺の舌に残りて懐かしく
28●木苺や虚空の空の青深し
29●汽缶夫のかひなの皺や玉の汗
30●汽罐車の黒き煙や駅薄暑

31●汽車ポッポの絵本広げて昼寝の子
32●汽船からクロコダイル釣る夏の旅
33●口に余る巨きな苺兜太読む
34●薫風や通過待ちする汽車に立ち
35●下校時枝を片手に蛇苺
36●国会中継歯間の苺つぶ
37●五月雨船の汽笛に涙ぐむ
38●五月晴れ汽車の窓を過ぎる過去
39●散歩道なんと紅色へび苺
40●少女来てワンカラットの苺摘む

41●少年に挫折の夏や遠汽笛
42●セロハンに青空の波路地苺
43●鮮血の如く熟せし苺食ふ
44●台風の荒ぶる海や汽船宿
45●立山に夜汽車の記憶忘れ霜
46●釣具屋に汽笛はるかや青簾
47●Tシャツの色褪せ気になる苺狩
48●透過篭押し合ひ圧し合ひ粒苺
49●途中下車朝どり苺を頬張りぬ
50●トンネルへ夏の汽笛の夜汽車かな

51●夏帯や汽水にくだる淡水魚
52●夏木立弁当を受く汽車の窓
53●夏草やスイッチバックの汽車喘ぐ
54●夏衣や気の向くままの汽車の旅
55●夏の月二人を結ぶ夜汽車かな
56●夏帽子抱ふ夜汽車の女かな
57●虹橋を潜り抜けたる汽船かな
58●入梅雨や汽笛潤ほせ給水塔
59●庭苺摘むよ小さき膝小僧
60●欠番

61●野苺や学生村のありし頃
62●野苺や禁じられたる遊びまた
63●廃線の汽笛かすかに遠青嶺
64●麦秋の丘静寂を割く汽笛
65●函の苺抱へし子らの過ぎにけり
66●欠番
67●肚にどんとフェリーの汽笛月涼し
68●春の日に苺ミルクに舌鼓
69●万緑の動き始める汽車弁当
70●一粒の苺抱へたまま眠る

71●一人の夜天の川なる父の汽車
72●ふくらみし汽水かわせみ急降下
73●ぷちと鳴る小さき悔恨いちご食ぶ
74●故郷の汽船の旅の波の跡
75●星涼し追憶の汽車登るかな
76●本閉じるショートケーキは苺でしょ
77●本牧の薫風にのる汽笛かな
78●まおちゃんの色のハミング苺畑
79●真暗な口に真赤な苺かな
80●真つ先に苺ほほばるミルフィーユ

81●窓越しの夜汽車のブザー青林檎
82●短夜や汽車は汽笛を置き去りに
83●剥き出しの粒は本性苺ジャム
84●逝くときは夕焼空を汽車ぽっぽ
85●夜汽車から蒼い水母が降りて来る
86●LINEには秘密と絵文字苺食ぶ
87●ランドセルの苺泥棒に恩赦
88●竜宮城に向かふ汽笛や風薫る
89●六月や眠りの隙間より汽笛
90●銀翼の灯寂しパリの苺売
91●芍薬のはらはらと落つ汽缶室
92●寝墓傍苺は太し森の風



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165/B部門

 投稿者:葱男  投稿日:2018年 5月 2日(水)19時47分52秒
返信・引用
  B部門  「蛙の目借時」「怪」  全句

01●青葉若葉一山色を得て怪し
02●阿蘇からの妖怪忍び萌える木々
03●アッという間に終着の目借り時
04●怪しげな影伸びてをり春の暮れ
05●怪しげなセールス電話春匂ふ
06●怪しげな屋台のメニュー夏は来ぬ
07●怪し火にしっぽのありて春の闇
08●磯遊びラグーンの中の怪魚かな
09●一本の髭剃り残し目借時
10●丘の上の怪人集ふ春の夜

11●オカリナのかえるの合唱目借時
12●おぼろ月笹揺れ匂う怪し夜
13●朧夜や怪しきバーのシネラリア
14●朧夜や「天井桟敷」の怪演談
注:「天井桟敷」は故寺山修司の劇団名
15●怪魚なり幼子叫ぶ磯遊び
16●怪気炎あぐる一団街おぼろ
17●怪獣たちの棲む島へ漕ぐ月朧
18●怪獣の二足歩行や春満月
19●怪人の声ろうろうと春の闇
20●怪人の微笑む客間春の闇

21●怪僧の遺しし文や目借時
22●怪童の行く末思ふ夏隣
23●怪物に追われし夢は春の宵
24●怪文書に国滞る霾ぐもり
25●怪腕の投げしボールに風光る
26●怪腕のはふる白球樟若葉
27●霞が関の怪や朧のカフェオーレ
28●紙のない会議蛙の目借時
29●郭公や旧街道の径暗し
30●神主の祝詞蛙の目借時

31●鏡中のものの怪目覚む朧の夜
32●奇っ怪と一言宣ふ蜃気楼
33●厨より作るジャムの香目借時
34●消しゴムのぽくんと折れて目借時
35●五時限目の古文蛙の目借時
36●谺するオカリナの音目借時
37●ゴンドラの櫂の伸びゆく目借時
38●酒一壺今や怪しき目借時
39●三回忌母と目が合う目借時
40●散髪の済みぬ蛙の目借時

41●シアターの闇の柔らか目借時
42●七人が決闘やめる目借時
43●執事には目借時なし目借時
44●ジェンダーレスの歌声浸る目借時
45●新聞に切り抜きの穴目借時
46●素の我やだらりとろりと目借時
47●躑躅落つガーゼに赤き膝の怪我
48●躑躅の背怪獣のリュックひょこひょこと
49●積ん読の月刊誌殖ゆ目借時
50●手からスマホ滑り落つる目借時

51●出口なきメビウスの帯目借時
52●父さんが怪獣になるピクニック
53●亡き父に名前呼ばるる目借り時
54●二上がりの調子合わない目借時
55●葱坊主怪人二十面相か
56●花咲くや林檎怪人ぞぞぞぞぞ
57●花束は猫ほど重く目借時
58●花の客は怪人なれど一面相
59●花水木しげって爽快妖怪ロード
60●春の日に蛙の目見つめにらめっこ

66●人妻と出会ふ蛙の目借時
67●「ひばり」でも聴くか蛙の目借時
68●秒針の音の消へゆく目借時
69●ほんたうのワタシ蛙の目借時
70●見比べるピザ屋のチラシ目借時

71●目借時突然妻にどやされて
72●めかり時襖の虎の目が動く
73●目借時汀を泳ぐヌートリア
74●妄想をわれに返りし目借時
75●物の怪に手を振っている春の暮
76●物の怪の消えたるそこに蝌蚪の国
77●夜半越え蛙の目借り時猫の恋
78●山桜怪しき夢の枕辺に
79●やはらかな陽射しの包む目借り時

80●夕暮の谷の怪しさ赤楝蛇(やまかがし)
81●ゆく春や永遠に怪しきふたりなり
82●夢覚ますスマホの地鳴り目借り時
83●ランチ時半ば蛙の目借時
84●龍神の瀧へ出る径轟きぬ
85●連休の狭間うとうと目借時
86●老人の定め真昼の目借り時
87●怪童と呼ばれし男夏の雲
88●歳時記の朱き書込み目借時
89●白日傘うごめく妖怪ロードかな

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165

 投稿者:葱男  投稿日:2018年 5月 2日(水)19時46分40秒
返信・引用
  A部門 全90句

01●青葉満ち空北角に残るのみ
02●朝の日に口笛ひよと夏が来た
03●あたたかや石を撫でゆく水の音
04●一瞬の目つき鋭くなる聞茶
05●引退の盲導犬や春深し
06●インテルメッツォ小雨に煙る桜蕊
07●海鳴は海の口笛白鴨忌
*2013年5月1日、白髪鴨さん、玄海に歿す
08●遠足の列に我が子を探す母
09●男手が瓶を開けたり忘れ霜
10●会話なき食卓に出る茗荷竹

11●蛙鳴き鳥鳴きときにチャイム鳴る
12●隠れたい時もありけり葦の角
13●駆ける児の一歩一歩やたんぽぽぽ
14●紙風船破れ阿鼻旨に燃え尽きぬ
15●ガリ刷りの学級新聞昭和の日
16●ガリバーにかき回されて蝌蚪の国
17●観能の居眠りをする単衣かな
18●ギター弾く人に寄り来て春惜しむ
19●キャベツ畑横目にすいと風ペダル
20●京急の駆け抜けてゆく花菜かな

21●公園に本読む夫婦しやぼん玉
22●性あらはなる彫像や山笑ふ
23●桜蘂降る方程式を解くやうに
24●桜散る小雪の如く敷き積もり
25●桜餅を半分食べるダイエット
26●五月雨の甘き雫に背伸びせり
27●自動ドアパッと開いたら桜映ゆ
28●しばらくは喃語の会話春の虹
29●石楠花に触れし指もて愛の文
30●シャボン玉ひとつひとつに子らの声

31●住宅街にパン屋の車日永し
32●出自なら薊は自虐針地獄
33●春天や黒髪写す水鏡
34●浄土への海を見晴らす躑躅山
35●昭和の日二円切手の秋田犬
36●紫蘭咲く平日の夫(つま)その名問ふ
37●棲みつかぬ獣を養ふ大手毬
38●疎に密に鴨の遊ぶよ春の川
39●宙よりの伝言ゲーム藤の房
40●チューリップ腹が立つても真つ直ぐに

41●重畳のひと日花種蒔きにけり
42●霾るや陸奥が浜辺の忘れ舟
43●手に紙を繰らぬ読書や春惜しむ
44●遠き日の告げざる恋やさくら貝
45●道化師は衣装を脱ぎて花は葉に
46●特急の通過待つ駅山笑う
47●捕らわれて上目遣ひの寄居虫(ごうな)かな
48●トロッコに散らずに舞うや花吹雪
49●夏近し交わす言葉に熱こもる
50●何もかも丸まつてゐる春疾風

51●菜畑ゆく菜の花色のつり革
52●逃水や麒麟の首のよく伸びる
53●二の腕に走る血管夏隣
54●猫の目も三日月になる鰹節
55●猫の恋見上げる空に一輪の月
56●ネモフィラの逃水となる今日の風
57●軒下に吊るす自転車夏めきて
58●化けて出る霊力強き詩吟かな
59●場所取りのブルーシートに花の屑
60●花馬酔木不良名乗りし人の逝く

61●花韮に溢れゆれをり真昼星
62●花水木願ひは天に届きけり
63●花は実に読んでは破る日記帳
64●花吹雪あつといふ間に家が建つ
65●母に似た掃除婦の背に舞ふ桜
66●腹出して起立秩父のチューリップ
67●春愁ひとえ瞼になりにけり
68●春の月真珠抱かぬ真珠貝
69●春の星指笛鳴らす羊飼ひ
70●春疾風今度は誰が攫はるる

71●春病みて水切り石の届かざり
72●蘖の健気に伸びて空青し
73●弘前の岩木山愛で花筏
74●ほろほろと初蝶来しよわが肩へ
75●南から順に橋の名花菜風
76●涅槃図は媚薬の匂ひ放ちたる
77●まんまるのオニキスのごと子猫の眼
78●黙祷の球場空に鯉のぼり
79●約束はすべて忘れて春は逝く
80●やまぶきは八重が大好き傘がない

81●龍となる飛行機雲や春夕焼
82●連弾や朱夏へと向かう風のごと
83●若き日に見た夢遠く風光る
84●若草を食む音高しヌートリア
85●山葵生う水一点の穢れ無し
86●私ゆえ仕方のないというミモザ
87●絮飛んでたんぽぽ組の頃の恋
88●藤棚や四人であやす産着の子
89●盲導犬じつと見上ぐる藤の花
90●行く春のものみな片方だけとなり

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