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179号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 8月 1日(木)07時34分42秒
返信・引用
  A部門 全93句

01●青梅雨や畑仕事のボランティア
02●朝顔へまづコップ水話しかける
03●紫陽花のステンドグラス灯る朝
04●アスファルト灼けて佇むジャコメッティ
05●アペロールで大夕焼けを飲み干せり
06●雨蛙いのちの時を弾ませて
07●浮いて来い人は生まれて一度きり
08●空蝉となりて時空の檻に入る
09●空蝉の縋りついてる幹太し
10●鰻食ひ且つ呑み男ひとくさり

11●海沿いのチャンポンの店古団扇
12●海猫や貧しき浜に昆布干さる
13●裏庭に獣の気配旱星
14●運転手の視線ぶつかりあう炎天
15●老ゐ得ては二鉢程の日々草
16●老楽の何は扨置く昼寝かな
17●街宣に炎ゆる民衆新宿西口
18●風孕む夏シャツにモンナリーザ
19●カチコチと音のうるさき熱帯夜
20●からつぽのままの菓子鉢昼寝覚

21●傷口のぱつくり開いてゐる海月
22●餃子に歓声子ども食堂の夏
23●切りつぱなしのジーンズ氷かく
24●金星に人棲むやうな極暑かな
25●空港の足湯に並ぶ登山靴
26●熊蝉や粉末ジュース真つ赤つ赤
27●黒服のをんな五人のビアホール
28●蹴上りや入道雲の裏がへる
29●限界集落の空っぽのプール
30●交替の舁き手吸ひ込む朝の山笠

31●申年の父のたましひ百日紅
32●七月や連合チームの夢と汗
33●締め込みのどの子も親も祭り顔
34●収骨の中よりボルト梅雨寒し
35●スキップでじぃじと買い物夏帽子
36●砂粒と背中の日焼け蚊遣香
37●関取の蹲踞の像や雲の峰
38●蝉の子ら這い出てみれば樹木なし
39●ソフトクリーム新宿御苑の休憩所
40●高らかに燃ゆるカンナや空と海

41●ぢぢばばの脛の細るや夏期講座
42●突き指を冷やしてゐたる海の家
43●梅雨明けや初まご頬に陽のにほひ
44●梅雨晴れや最終検査も異常なし
45●天空に天の川架け蜃気楼
46●長梅雨に沈みし繁華「天気の子」
47●夏空や木蔭に眠る修道女
48●夏の月貴女のハートはスィートナイト
49●逃げ水を我追いかけて晩夏かな
50●日曜の朝の校庭羽抜鳥

51●凌霄花の奥に廃屋ありにけり
52●廃線の駅舎を隠す鉄葎
53●母の忌やおとうとたちと鰻食ふ
54●歯を磨く朝も早から蝉時雨
55●晩夏なり立て看消ゆる大学門
56●万緑を萎えさせている高気圧
57●ひかみなり聖獣を産むをみな在り
58●一夜さの「甘い生活」蚊火燃ゆる
59●100均の日傘の中の良いをんな
60●日焼けした脚大胆にビーチの夜

61●暇さうな外野にキャンデ―売りの鉦
62●ヒマラヤをはるかに凌ぐ雲の峰
63●向日葵や異口同音の黄信号
64●ひまわりを盗みて逃げるわらべかな
65●ヒーローの五色鮮やか日雷
66●風鈴と競演楽しむ蝉シャワー
67●風鈴のりんで忘れし事一つ
68●風鈴のリンや嬰児に片笑窪
69●ヘルパーが見違ふほどの浴衣着て
70●帽子より日傘男子のかつこよさ

71●ほほづきの市の浅草うす曇り
72●町中の植田に風の生まれけり
73●真黒な鋸岳や霧の空
74●豆飯の湯気や杓文字の切返し
75●みつ編みの少しほつれて遠花火
76●木星は瞬かぬ星バンガロー
77●木琴はさかなのかたち大南風
78●屋根までも覆ふ勢ひ夏の草
79●山滴り湖は沈沈と水を貯む
80●ややこしき恋の一句や夜の秋

81●行く夏や声なき鵙のシルエット
82●夕涼や佳人の巡る神の庭
83●夕立のにほい流れてペダルこぐ
84●夕立やフライドポテトに恵比須顔
85●よくしなる竹箸で盛る梅雨穴子
86●世直しの熱弁さやか誘蛾灯
87●雷鳥の大きな影よガスの尾根
88●霊長類ヒト科ヒト属熱帯夜
89●れいわ明け梅雨も明けて蝉の声
90●老鶯の窓辺や黄泉に向かふ人

91●老夫婦卓に冷奴は一つきり
92●わが家にてつくるトマトの厚き皮
93●ワタクシの転がってゐる夏座敷
B部門 「金魚」「地」   全89句

01●青芝の足裏ふうわり浮く心地
02●朝日射す大地育む胡瓜かな
03●紫陽花の毬と地蔵の頬触るる
04●甘酒を一気に飲み干し地平線
05●雨粒をパクッと金魚話出す
06●雨の日の金魚と子ども韻を踏み
07●蟻地獄天国に浮く雲白し
08●生きものの気配に跳ぬる金魚かな
09●一刻の天下取りかな金魚見る
10●浮き上がる金魚待ちをり隣猫

11●うつし世を歪んで見せる金魚の眼
12●憂いなく泳ぐ金魚をつかみとり
13●蝦夷の夏教科書にない地理歴史
14●炎昼や違ふはどちら地図アプリ
15●炎天の地面に消えしど根性
16●金魚売りロバのパン屋の後を追い
17●金魚飼う玉にフサモと江戸情緒
18●金魚死す逢魔刻(オウマガトキ)のさみしさに
19?金魚すくい疲れて寝る子の目に涙
20●金魚玉尾鰭のフリルゆらゆらと

21●金魚玉ひるがえる尾に小夜透けて
22●金魚鉢餌やる子供のやさしき目
23●金魚鉢待ちくたびれた待合室
24●巾着の金魚虚ろな眼して
25●黒い土を掌いっぱいの秋
26●激辛のメニューの並ぶ金魚かな
27●腰を振るキャットウォークの金魚たち
28●子の恋を知らぬふりする金魚かな
29●魚屋が金魚売りをり昨日今日
30●三代の地塘恋しと捨て子猫

31●死刑台ちらついてゐる金魚鉢
32●死ねば直ぐ補充さるるや金魚玉
33●少子化のフリマ売らるる金魚鉢
34●甚平や地質学者の鋭き眼
35●掬はれて路面電車に乗る金魚
36●空と地と私の間草いきれ
37●丈高き地蔵菩薩や立葵
38●田水湧く大地の恵みここにあり
39●地下たび重し十薬のふんぷんと
40●地形図の凸や凹やら雲の峰

41●地上波のチャンネル僅か夏休み
42●地引網掛け声引きて夏の浜
43●地ビールで乾杯したるクラス会
44●地ビールのラベルに郷の偉人たち
45●地下鉄の深き階段風死せり
46●地下街の古本まつり扇風機
47●地下で鳴るエレキギターや遠花火
48●地球から見渡す果てにかぐや姫
49●地獄絵の焼け跡にただ鳳蝶
50●地に深く根をはびこらせ草茂る

51●地の果てに咆哮のあり夏怒濤
52●地の果てをさまようごときわが人生
53●地方紙の歌壇俳壇夕端居
54●地を蹴って夕焼雲とハイタッチ
55●束の間の金魚すくひの金魚たち
56●出目金とマジな顔してにらめっこ
57●出目金に視線を合はすティタイム
58●出目金を入れて華やぐアルミ椀
59●寺多き博多古地図や山笠終はる
60●年老いて女優金魚の顔となる

61●とろとろと生きてをります屑金魚
62●夏蝶や砂に消えゆく地平線
63●生臭き金魚田の畦柔らかく
64●肉球に地の熱眼球に青田
65●熱帯夜地球の表面触れられず
66●ねむの花地下室からの子守歌
67●覗き込む猫へ悠々金魚かな
68●吐き出せる己があぶくを食ぶ金魚
69●麦秋や地平線まで続く丘
70●白地図に国境ふたつある溽暑

71●鉢の水こぼして金魚空に浮く
72●日盛の上野の山や地獄の門
73●人にみなひとつの生地竹落葉
74●一人居の眠れぬ夜や金魚の眼
75●日の影の路地に迷うや金魚売り
76●ビルの窓地球を燃やす大夕焼
77●頬寄せて更紗和金のビオトープ
78●向き合へばとぼけた顔の金魚かな
79●名人の破れポイにも乗る金魚
80●メルカリの天地の余白心太

81●面会日巨き金魚の姿なし
82●夕焼けに触れてヨットの地球かな
83●夕焼や丸き地球に水平線
84●蘭鋳や金魚残酷物語
85●蘭鋳や時をゆるりと伝記本
86●流木の木地のま白や雲の峰
87●路地裏へ誘なはれたる遠花火
88●湧き起こる「大地の歌」や大夏野
89●蟠りなき天地の阿波踊り




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子白さんの提言

 投稿者:葱男です  投稿日:2019年 7月 9日(火)08時27分29秒
返信・引用
  もしも、ここに安倍さんがいたら、是非、聞いてもらいたい。

「安倍さん、あんた、一体、何を教わってきたの??」

あなたは、「憲法改正、憲法改正」と言うけれど、いいでしょう。憲法論議しようじゃありませんか。

聖徳太子の作った「十七条憲法」って、知ってますよね。まだ読んでないなんてことはないでしょうね。

その第1条、「和をもって尊しとなす」。平和のワ、昭和のワ、令和のワ。

安倍さん、あなたの尊敬する東北大学名誉教授・田中英道さんもおっしゃってますよ。

聖徳太子の時代、平和のワ、令和のワは、「ワ」とは発音していませんでした。
平和の「ワ」は「ヤハラキ」と発音していたのてす。
では、「ヤハラキ」とはどういう意味なのでしょうか?
「ヤハラキ」の「キ」は、気持の「キ」、つまり、心のことです。
そして、「ヤハラキ」の「ヤハラ」とは、やわらかで、やさしいという意味です。
聖徳太子は、「やさしい心」こそ、最も尊いと言っていたのです。
仏教で言う所の「慈悲の心」です。
「思いやりの心」です。
そして、国民のことを「オオミタカラ」と呼んでいました。
つまり、国民こそが、大きな宝物だと言っていたのです。
米を作り、野菜を作る国民こそが、宝物だと言っていたのですよ。
だったら、今の憲法を改正するならば、聖徳太子の「十七条憲法」から学び、始めようではありませんか??

安倍さん、まさか、竹中平蔵さんに「憲法改正」の草案をお願いするなんてことはないでしょうね??


国民あっての国家でしょう。国民のいない国家なんて、何の意味もありません。

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178・B部門

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 7月 1日(月)06時52分10秒
返信・引用
  B部門 「香水」「薬」   全86句

01●青梅雨や薩摩切子の香水瓶
02●朝露のオーデコロンや青蛙
03●褪せたカーテン香水瓶を振ってみる
04●雨蛙血膿流れて薬塗る
05●行ってしまひけり香水の香を残し
06●いつとなく薬忘れる滋養かな
07●陰翳礼賛甘きゲランの香を残し
08●海の家レジと並んで薬箱
09●御大師の芍薬訪ね西新井
10●オーデコロン迷った挙げ句の異臭かな

11●合宿に囲む薬缶の氷水
12●眼科医に香水の名を悟らるる
13●漢方に恐竜の骨薬降る
14●漢方薬の香や梅雨寒のエレベーター
15●鏡台に残る香水四畳半
16●薬など役には立たぬ冷し酒
17●薬袋に医師の指示メモ青葉木菟
18●薬降る笑ひ絶やさぬ卒寿かな
19●怪我の無き薬指にも薔薇の棘
20●香水なぞ無用湯上がりの君よ

21●香水の香り記憶のはしにあり
22●香水の清く明るきトイレかな
23●香水の句会に潜む夕べかな
24●香水の瓶よりアラビアンナイト
25●香水やウソと真実かき混ぜて
26●香水や三面鏡のうす埃
27●香水や精神科医の眼の揺らぐ
28●香水や背伸びしてみる京女
29●香水やそしてああしてこうなりき
30●香水や目尻をきりとアイライン

31●香水や指輪の女医の聴診器
32●香水をそつと一滴客を待つ
33●香水をひと振り向かふ投票所
34●香水を纏ひ今宵はパリジェンヌ
35●香水を貰へるをんな買ふオンナ
36●香水を四つ試してデビューする
37●再会や彼の日の香水の香り
38●五月闇特効薬の夫に欲し
39●五月雨や数字書かるる漢方薬
40●芍薬や石灯籠に小さき窓

41●修復の城のクレーン十薬よ
42●十薬の結界めきて父母無き家
43●十薬の小花お詫びのやうに咲き
44●十薬の干されて枯れてそれからを
45●十薬や筋金入りの優しさの
46●十薬や不意なるもののひとつに死
47●十薬や無人の駅をたたく雨
48●十薬や予後の散歩の恙無し
49●十薬を揉んでニキビに被せたり
50●昇降機に香水の立つ梅雨湿り

51●勝負服コロンは少しはにかんで
52●背の汗にコロンの滴諫めけり
53●空深し薬草園の鳥兜
54●父の日や薬カレンダー確かめる
55●梅雨寒や日にちぐすりと言ふ薬
56●梅雨晴や一言添ふる薬剤師
57●手を振って帰ろう香水新しき
58●十薬のにほひを犬の鼻先へ
59●十薬を抜きし軍手や雲走る
60●夏風邪の薬代わりにあおる酒

61●夏雲にまたねと見上げ薬剤師
62●夏の風邪忘れ去られた置き薬
63●飲み忘れの薬の山や半夏生
64●半夏雨百薬の長辛口で
65●百薬の長を過して正覚坊
66●仏壇にちょつとおしゃれな香水瓶
67●毒(プワゾン)とふコロンを纏ひ逢ひにゆく
68●牧草は釧路の夏のオーデコロン
69●星涼し媚薬の如きアンタレス
70●短夜に薬の整理箱の奥

71●短夜や夢二の絵より媚薬の香
72●目薬の要らぬ女優や釣忍
73●目薬をたつぷり注すや梅雨曇
74●薬院の平面交差梅雨の風
75●薬剤師は若手俳人梅雨の蝶
76●薬師寺の重き瓦や梅雨長し
77●薬局のカエルを叩く梅雨豪雨
78●山の辺の光の香水傘地蔵
79●やや強き香水の波クリムト展
80●夕暮れの人の恋しや香水も

81●邪を香水瓶より1グラム
82●レジを打つ藍の浴衣の薬剤師
83●六月を溜めて琥珀の香水瓶
84●火薬庫に髑髏のしるべ仏桑花
85●香水をぬぐひて母に戻りけり
86●十薬や太田光の眉間皺

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178

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 7月 1日(月)06時51分34秒
返信・引用
  A部門 全88句

01●青梅や氷砂糖に埋まりゆく
02●阿寒湖の毬藻無口で風薫る
03●朝ドラのゆるい方言時鳥
04●紫陽花のそのまま枯れて毅然たる
05●紫陽花も朝霧纏い薄化粧
06●雨降つて紫陽花色を整へり
07●妹の描く自画像額の花
08●いらだてる氷河に注ぐ慈光かな
09●大杉はただ夏空へ根を下ろす
10●片蔭の巨大なるかなコロッセオ

11●語り部のまた一人逝き蚊遣の火
12●還暦の布団蹴りたる寝冷人
13●海月より教はりしことまだ秘密
14●栗の花たぶん私がわたしです
15●西行の花無山に虹の立つ
16●坂道を転げ落ちゆく夕立かな
17●散水のプリズム追ってはしゃぐ子ら
18●サンダルより小指はみ出す街薄暑
19●茂り葉と城見はるかすツァイスかな
20●滴りや天然石のブレス買ふ

21●斜光入るプールの底の秘境かな
22●白紫陽花そつと祖父母の骨を撒く
23●西瓜顔?緑マントに赤ら顔
24●涼し風東山にはフルムーン
25●砂粒のまぶたに当たり海開き
26●砂浜を駆くる車や能登涼し
27●堰切つて道に飛び出す油虫
28●走馬燈父母の面影手繰寄せ
29●たちまちに夏野となれる空き地かな
30●七夕やピンピンコロリと願ひ書く

31●小さき手のピアノに届く梅雨晴間
32●父の忌や夏至の朝日のあかあかと
33●父の日のフルスイングの代打かな
34●漬け梅の瓶ひとゆすり手術の朝
35●爪を切る仕事怠けて梅雨晴れ間
36●梅雨晴れの大満月となりにけり
37●点描画その一点より蚊の発ちぬ
38●溶けさうなオレンジの月梅雨の月
39●とことこと来て拾ひけり落し文
40●ところてん嘘つき通す喉仏

41●飛魚のごとき幼ら水しぶき
42●トマトから梅雨入り宣言ヨーイドン
43●友集ふ釧路の夏の夜熱し
44●夏雲を駆け抜け銀のオートバイ
45●南天の花のぼやけてのほほんと
46●西日なり忘れ去られた文庫本
47●入梅や暗中模索の日曜日
48●入梅や虚空遍歴終わりなく
49●合歓の花咲きて大木発見す
50●バス停を降りて五分の五月闇

51●ぱつと照る軒の外灯濃紫陽花
52●初夏や結婚写真に犬も居て
53●初ものや友の呉れたる鮎ニ寸
54●花石榴見てよと朝を鮮やかに
55●花弁の鰓呼吸する水中花
56●羽抜鶏やや高みより舞い落ちぬ
57●針金のごときキャベツをほほばれり
58●半夏雨降るなら降れと傘持たず
59●引き潮に転がる貝の涼しかり
60●筆洗に一滴の青夏祓

61●ピンホールカメラ逆立ちのさくらんぼ
62●風鈴のリンや二度寝て三度寝て
63●蛍や月の卵の孵る刻
64●干し篭の青梅日々に錦成す
65●蛍の予感始まったばかりの夜
66●ぼーっとして生きております夕焼雲
67●煩悩の数は百八ところてん
68●まだ風邪の治りきれずに薄暑かな
69●「真夏の果実」夕焼の波に聴く
70●真夏日や烏騒げばなお暑い

71●眉寄せて御輿に力移しけり
72●回り出す三連水車ひでり梅雨
73●短夜やシニア復た事故耳につく
74●水しぶき上げて離陸や迎え梅雨
75●身正して夏越しの祓い小豆食む
76●みちのくに令和の蜻蛉生れけり
77●蜜蜂のUFOの如く飛びにけり
78●耳で飛ぶ象愛らしや風薫る
79●目を凝らす人の集りや蛍の夜
80●喪の家の安らぎめきて釣忍

81●痩せ細る紫陽花晴れの日は続く
82●夕立のスポーツジ厶を包みけり
83●ヨット出航夢見る風に出会ふため
84●来年を交はす指切蛍舞ふ
85●ラワンブキ阿寒の友は雄々しく
86●ロマンスを語る古本梅雨の星
87●わが裡の波の高まり麦の秋
88●和をもつて尊しとせず薔薇真紅

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177号・清記

 投稿者:葱男です  投稿日:2019年 6月 1日(土)09時52分0秒
返信・引用
  177号


01●青時雨ひじ付く天使見上げをり
02●あおによし大和まほろば走り梅雨
03●開けられぬデジタル遺品遠き雷
04●朝風にカッコウ鳴いて草引きす
05●あぢさゐの色づきそむる朝の雨
06●厚盛草寺の庫裏かげ尊けれ
07●アマリリス何処にも属さない私
08●アラスカへの航路をなぞる指薄暑
09●ヴィーナスは泡から生まれ巴里祭
10●哀れなり母なき子猫の潰れし眼

11●苺ミルクすべてを潰すまで待って
12●梅ちぎりワクワクとドキ梅酒まで
13●英国数早弁体育若葉風
14●帯締めはト音記号よ夏は来ぬ
15●柿若葉折れ枝そのまま残りをり
16●風薫る袴の紐の十文字
17●鑑賞の先生の声樟若葉
18●キャンプの火消えて高まる瀬音かな
19●教卓に置き去りのペン風死せり
20●桐箱の夫婦茶碗や若葉冷

21●草刈の後のすずめの慌ただし
22●蜘蛛の囲や殺気に満ちし振動数
23●海月ならきつと分かつてくれる筈
24●黒百合を野付半島奥密か
25●薫風や眠る娘のふくらはぎ
26●薫風や太き手足のチアガール
27●顕微鏡の古りし北里文庫初夏
28●交番に十円届く夏帽子
29●小雨降るばら園のばら黄や白も
30●木の下の闇を抜け出づ車椅子

31●狛犬の四肢凛々と楠若葉
32●死者に幼時のモノクロ写真豆の飯
33●湘南にヨットの舳先卯波立つ
34●女子会へ牛蛙の声吹きあがる
35●神域に出入り自由青蜥蜴
36●新樹光空を飛び来る団子喰む
37●新緑や揺れる絵馬には勝の文字
38●台湾の空の匂ひのバナナかな
39●蒲公英の絮天へ吹く広野中
40●父の座にうなだれてゐる扇風機

41●沈黙のほどけて白い朴の花
42●痛風の足に優しき青嵐
43●手を振って歩こう躑躅満開に
44●点滴のぽたりぽたりや窓若葉
45●同窓会天神交差点薄暑
46●どくだみや犬も食わない喧嘩して
47●何処へでも行ける切手や雲の峰
48●心太余生に役目ありてよし
49●鳶の影植田の水を袈裟懸けに
50●夏雲やペダルに鍛ふふくらはぎ

51●夏燕道々ハモる女学生
52●夏帽子最初の一こぎ踏み出せず
53●何度目の禁煙宣言夏の風邪
54●農協の太きビル映ゆ青田かな
55●残されし白き一本葱の声
56●初蝉や耳掻き棒に金の鈴
57●母の日の野菜畑でひと休み
58●母の日や靴箱探すローヒール
59●ハミングの音符散らばる苺畑
60●薔薇に雨今宵酒乱を許されよ

61●春の星闇を切り裂くわが悲しみ
62●万緑や母が愛してくれたこと
63●光薄き海の番所や蝦夷の夏
64●日盛や街のしづかに溶けはじむ
65●一息に沈下橋行く葎かな
66●日向夏実家からのと配る嫁
67●ひらかなのうまれてひとりしずかかな
68●ふるさとの橋の復興鯉のぼり
69●ブロンズ色の脚の現わる夏ドレス
70●ぶんぶんと乗る高速エレベーター

71●宝満も山滴るとなりにけり
72●豆飯や母の匂ひの一膳を
73●マンゴーのとろりとろける薄暑かな
74●身勝手な風の帆となるアロハシャツ
75●ミケランジェロ偲ぶ通りに白雨打つ
76●向い合ふ距離の遥かの夏の月
77●麦嵐じっと耐えてる学生帽
78●麦の秋隣田掻きに主人待つ
79●モスキート吾を愛して紅いキス
80●夜光杯かざすオアシス星涼し

81●山道にりすの現はる若葉晴
82●友禅を抜け出でしかに大牡丹
83●雪解富士五合目ほどまで消えかかり
84●酔いたまえ芋焼酎と麦の秋
85●緑雨かな排水溝が水琴窟
86●わが死後もなお咲き誇れ杉の花
87●若葉どき縄文美人に恋をして
88●大雨を待つ紫陽花の二三輪
89●からからの紫陽花数多見る不穏
90●禁煙の世界一周初夏の旅


  B
01●青紫蘇の衣からりと揚がりけり
02●赤土を熱き新茶で観戦す
03●憧れに似て初夏の旅衣
04●新しき茶箱に詰めて夏来たる
05●幾度の挫折の果てや新茶汲む
06●異国一人雑踏をゆく夏衣
07●伊勢参終えて飲みたる新茶かな
08●淹れ方を毎度説く母新茶の香
09●色多きスクラブ白衣夏の空
10●薄雲をかきかき分けて新茶かな

11●嘘つきの嘘は真実蛇の衣
12●帯替へた女(ひと)の淹れにし新茶かな
13●帯忘れ腰ひもだけの単衣かな
14●更衣シルバー席が空いてゐる
15●更衣日々の疲れや先送り
16●更衣まだ靴下は履いてをり
17●更衣ミントを摘んでリモンチェッロ
18●風薫る衣透けたる生春巻
19●かの母の愛にこたえる新茶かな
20●衣擦れのジューンブライド父こわばる

21●衣擦れを遠くに聞きて躍る胸
22●気紛れな5月や上衣の所在無し
23●霧香る五木の新茶届きけり
24●串カツの衣外れし鯉のぼり
25●結局は昭和つ子なり古茶新茶
26●鯉幟旅の衣の句作人
27●古茶新茶寺の隣に住み古りぬ
28●古茶新茶母の繰り言聞きながら
29●衣更ふ鏡の中に古稀の母
30●衣替へタンスの中に整列す

31●小夜更けて浴衣の糊のなじみけり
32●小説に挑む尼僧の更衣
33●紳士売り場の「メタボ」マネキン更衣
34●新茶淹るる夫婦湯呑や無風の夜
35●新茶躍る有田汲出古郷かな
36●新茶くむ舌にコロコロ銀の笛
37●新茶汲む古女房となりにけり
38●新茶の香恋ひて絵葉書走り書く
39●涼しげにくまモン白くま衣替え
40●水筒の新茶をふふむ峠かな

41●世界遺産羽衣纏ふ五月富士
42●銭湯の開く三時の夏衣
43●脱衣所の柱は真竹滝の音
44●脱衣場の一服長き釣忍
45●知覧嬉野新茶合戦八女星野
46●店頭の新茶の幟古茶を買ふ
47●常滑の急須ちんまり新茶かな
48●中山道わがふるさとの新茶かな
49●夏衣箪笥に秘める権利証
50●夏衣の中一人だけの学ラン

51●女御更衣その大御時こそ我ら
52●農薬を使わぬ工夫新茶かな
53●ばあちゃんの好みし色や藍浴衣
54●羽衣のやうな白さの七変化
55●走り茶の香り漂ふ宇治十帖
56●肌色を上から染むる更衣
57●はためける令和の文字や新茶聞く
58●花は葉に吾が吾でありし白衣脱ぐ
59●母に菓子新茶を添へて祝ひけり
60●母の忌や今も箪笥の夏衣

61●ひととせの急ぎ足なる新茶かな
62●広縁を揺るる日の斑や新茶汲む
63●ひろびろと元号あらた伊勢新茶
64●封筒を鳴らし新茶の届きけり
65●ふくよかに香り澄み切る新茶かな
66●仏壇を手仕舞ふ話新茶汲む
67●振り切りし衣笠打法汗は空に
68●蛇の衣もう一度解く問題集
69●ベランダにはためく産衣聖五月
70●返礼に新茶届きて故郷香る

71●宝瓶の備前と新茶まりあーじゆ
72●ポンヌフをゆく黒髪や夏衣
73●水出しの新茶の透ける船の旅
74●短夜の葬り(はぶり)黒衣の黒真珠
75●眼の玉の跡を残せし蛇の衣
76●野心家の我をあらわに更衣(ころもがえ)
77●宿酔の五臓六腑へ新茶かな
78●八女へ来て新茶を言へり旅の人
79●ユニクロのチラシの赤や衣更ふ
80●湯のみ揺らして新茶飲む母一周忌
81●リモコンを冬から夏へ更衣
82●緑蔭に憩ふ白衣の実習生
83●ればたらの別な生き方衣更
84●わが母校茶摘み楽しき子供たち
85●奥八女に卑弥呼伝説新茶の香
86●更衣よりも先取りクールビズ
87●新緑の衣を纏ふ脊振山

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176号76

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 5月 1日(水)06時52分51秒
返信・引用
  A部門 全88句

01●明け方の夢の疲れや春疾風
02●老いぼれてたまるか登る花の山
03●朧夜のバンドネオンの吐息かな
04●顔のなき小さき小法師や養花天
05●鍵付きの中世の書や鐘霞む
06●陽炎や地球は大き玉手箱
07●風光る少女の足へ水かげろふ
08●神田川渡る都電や飛花落花
09●乾杯を赤と黄のチューリップにて
10●キャンディの溶けゆく時間花の時

11●競技場の文字盤時計風光る
12●ギロチンへ向かふ心地や新樹光
13●茎立ちや愛がちりちりひからびて
14●警策の響く僧堂鳥交る
15●元号が変はるよ蝶が生まれるよ
16●鯉もまた悠々と春行き淀む
17●古書店に学ラン一人花の雨
18●古代アンデスのチチャ注ぐ音や貎よ鳥
19●護摩祈願の読経流るる牡丹園
20●囀りのいよよ高まり令和来る

21●囀りや既読のあとの沈黙に
22●坂本の旅人伝説またも夏
23●桜しべ降る何処からか水の音
24●桜散り哲学の道ガイジンばかり
25●桜散る野心無き身をもて余し
26●ジェンダー論の祝辞東大入学式
27●四月馬鹿かつぽれ道場覗き見す
28●10連休息子帰ると夏も来ぬ
29●春暁の吐息は時代またぎけり
30●少女らの夢の語らひ八重桜

31●ジョーカーを爪で弾いて春深し
32●巣燕を守りし夫婦の老いにけり
33●スマホよりガラホが好きで鯉のぼり
34●晴天や残雪の白を踏みゆく
35●清流や夢に向かひて花一輪
36●迫り来る令和歓喜の躑躅かな
37●洗礼を受くるごと桜トンネル
38●誰が弾く桜月夜のフォークギター
39●蒲公英と猫の領分わが屋外(やど)よ
40●テロリストの卓布は真白朝桜

41●友よ来よ今散る花と酒五合
42●鳥の影追ふて自転車日永かな
43●逃水や宛名漂流郵便局
44●残されて一本白き葱の声
45●燥い(はしゃい)でも孤独は孤独告天子
46●花筏母ゆふらりと振り返る
47●花筏ボートの水脈にまた寄りぬ
48●花菜雨隣の家の「猫忌中」
49●花の雨潮の香りの文学館
50●花の夜や工事了へたる男酒

51●花は葉に友は千鳥と風になる(5月1日・白鴨忌)
52●花冷や採血の針沈みゆく
53●花冷や酒がおいらの愚痴相手
54●春おぼろ島より見ゆる原子炉よ
55●春北風赤きほつぺで門くぐる
56●春の山涙腺ゆるむことばかり
57●春の闇迷彩服のぬっと出る
58●馬鈴薯の強き芽二つづつ残す
59●飛花落花熱く語れる昭和の輪
60●飛花落花何に目を剥く阿修羅像

61●曳かれゆく波の爪痕さくら貝
62●広野来て蒲公英の絮空へ吹く
63●吹かば吹け強き心に春疾風
64●蕗味噌と黒豆もらい一人飯
65●富士山に雲ひとつなし桃の花
66●筆筒にその日を収め啄木忌
67●ふらここの持つ手はぎゅっと一年生
68●平成の記憶残して春行かむ
69●平成の最終日なり春の雨
70●平成の生を令和も昭和の日

71●包丁の切れ味鈍り長閑なり
72●ほんわかと素朴な老夫山笑ふ
73●瞬きの中をつばくろ雨来たる
74●豆むすび祖母と頬ばる田中かな
75●満開の桜をダウンロードする
76●道草の菜の花摘みや数へ歌
77●見舞つては見送られして燕の巣
78●免許証令和元年五月晴れ
79●八重桜潮見櫓のお堀端
80●山の峰吹雪いた花のその先に

81●夕刊を取り忘れたり暮れかぬる
82●行く春の北より寄する波頭
83●ゆつくりとはづす眼鏡や四月尽
84●UFOのまなざしに触れ花の塵
85●よもぎ餅予約してなほ買ひにゆく
86●伶人の両性具有春の月
87●分去れの片方想ふ春愁い
88●「をみな」てふ謎めく仮名(かりな)さくら餅

B部門 「桜東風」「愛」   全86句

01●愛子から仙山越えてさくらんぼ
02●愛子より令子和子と夏薫る
03●愛してるのサインコサイン日うらうら
04●愛称で届く訃報や花の雨
05●愛情の詰まりしほつぺチューリップ
06●愛想なき「いらつしやいませ」花は葉に
07●愛と憎すぐ裏返るつばくらめ
08●愛の歌隅で聴きゐるサングラス
09●愛のくらし鏡に春の虹入れて
10●愛の暮らし菫の花を瓶に挿し

11●「愛の讚歌」繰り返し聴く春ひとり
12●閼伽桶のずらりと干され桜東風
13●インコ語も電話口より愛鳥日
14●薄桃に染まる遠山桜東風
15●産土の海一望に桜東風
16●襟元をふと掻き寄せる桜東風
17●大橋のテープカットや桜東風
18●駆け寄りて花びら浴びる桜東風
19●かげろふや愛せし人を赦せしか
20●渇愛や四月の雪を顔に受け

21●吉報と思えば然(さ)なり桜東風
22●凹まない空の青さや桜東風
23●クリムトの愛の遍歴夜香蘭
24●ケアハウス愛染かつら春の風
25●囀りや遺愛の琴の薄埃
26●桜東風愛称のまま五十年
27●桜東風愛の賛歌の掠めけり
28●桜東風君の上にこそ渦巻かん
29●桜東風口々に出る開花予想
30●桜東風尻よりかじるチョココロネ

31●桜東風に吹かれて渡る墨田川
32●桜東風ぬつと出てくる自撮棒
33●桜東風猫背で歩く影法師
34●桜東風初めましての通学路
35●桜ごち蜂の羽音と青空と
36●桜東風蛤御門に武者の影
37●桜東風孕んで騒ぐワンピース
38●桜東風ビル群矩形に暮れ泥む
39●桜東風ふりまき来たるエースかな
40●桜東風三月かかつたエアメール

41●桜東風やケアーハウスの灯りたる
42●桜蘂降るや寡黙な愛煙家
43●桜もち愛の形といふものは
44●シクラメン真綿色した愛数多
45●自転車の立ち漕ぎ軽し桜東風
46●自転車は押して行こうよ花に東風
47●純愛は片想いなり桃の花
48●乗船券飛ばされぬやう桜東風
49●職人の「ちょいと一杯」桜東風
50●親愛で止まる縦書き花水木

51●新刊の万葉集や桜東風
52●スキップを競ふ少女や桜東風
53●スルーする恋愛運や花は葉に
54●聖鬼魔Ⅱの叫びは愛か桜東風
55●惜春や亡き博堂の愛聴盤
56●外濠に浮かぶカフェの灯桜東風
57●他愛なき母の繰り言薫風に
58●対岸に先輩の影桜東風
59●退路断つ花嫁のれん桜東風
60●チューリップ家族の愛のまなざしに

61●散り散りに列島巡るや桜東風
62●手を振つて歩こう今日は桜東風
63●猫の子の声の沁みこむ愛読書
64●野いばらや未だ愛されし日のベーゼ
65●軒下で愛を育む燕の巣
66●花散るや愛憎我に御し難し
67●花びらの付きたるままの愛車かな
68●ハナミズキ福原愛も二児の母
69●ひとひらの花びら旅す桜東風
70●雲雀東風坂ひと息にピーチユルル

71●無愛想なアスパラガスを塩茹です
72●ぶかぶかの保母のエプロン桜東風
73●ふくよかに愛好崩す躑躅かな
74●ふくれ面可愛くはじけてしゃぼん玉
75●不死鳥の音なく逝きぬ愛鳥日
76●吹っ切れし愛や雲呼ぶ桜東風
77●平成のラブソングかけ四月尽
78●塀の上の鳥の求愛春の昼
79●ヘビメタを聴きつつ走る桜東風
80●骨となり灯籠提ぐ愛朧

81●みだれ髪乱るるままに桜東風
82●夕東風や遠く近くに豆腐売り
83●ランドセルの鈴音聞こゆ桜東風
84●浪人とやつとオサラバ桜東風
85●若葉山朧に遠く鳩の恋
86●わが町の西行庵へ桜東風




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175号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 4月 1日(月)05時36分33秒
返信・引用
  A部門 全86句

01●朝風に笑顔こぼれて桜道
02●朝日差し誰も無口に蜆汁
03●幾春を愛でて長寿の5元号
04●居酒屋のちぎつただけの春きやべつ
05●今がもう老後アネモネ折りとりて
06●今さらに涙球春のファンファーレ
07●麗らかや空のタクシー2台過ぐ
08●うららかや餃子のひだに等差列
09●うららけし賑はふ母の高島屋
10●起きしなのコップ一杯春障子

11●穏やかな日もある能登や雪割草
12●落椿地球に赤きカーペット
13●朧夜や通らぬ糸をにらみつつ
14●海底に眠る軍艦花盛り
15●崖にみる地球の履歴つくしんぼ
16●火星への移住計画目刺焼く
17●蝌蚪の紐ペットボトルに絡まりぬ
18●雉子鳴くや片付け上手探し下手
19●行儀よく鴉止まれる初桜
20●胸中に一本の虹老いゆくか

21●京の町上がる下がるの花万朶
22●空海の立てたる杖や山椒の芽
23●啓蟄や町工場から月目指す
24●源じいの桜看取りて仁王立ち
25●耕人の背(そびら)に伝ふ初音かな
26●桜二分キッチンカーの新メニュー
27●桜より明けゆく谷の湯宿かな
28●囀りの在来線に海を見て
29●さへづりや去りては人の来るベンチ
30●囀りや投函口に銀の屋根

31●春愁や二人芝居の長台詞
32●春昼や花眼は活字置き去りに
33●春風に法然院の鐘の声
34●定跡を踏まぬ一手やあをきふむ
35●新人のナース全身春の色
36●沈丁花の香りに亡き母思う
37●昭和とはきのふのことよ春炬燵
38●棄て去れぬ名刺の重さ雁供養
39●生前葬のいのちの在り処亀鳴きぬ
40●種選りや母の字薄き茶封筒

41●乳搾り愉しくてかなしい味の春
42●ちはやぶる四代対決梅開く
43●椿一つ莟ひとつの日暮かな
44●夫殺しの浄瑠璃粛と忘れ雪
45●手の平の雪虫を見る拡大鏡
46●電線の地下埋設や春の風
47●外つ国の人も交じりて花遍路
48●鳥帰るコミック本の束ねられ
49●鳥風や展望台に望遠鏡
50●鳥雲に夜はたつぷりとカレー煮る

51●鳥毛立女屏風図大桜
52●とんがつた怒りを春の炉にくべて
53●妻の愚痴聞き流しをり桜餅
54●亡き人と巡り会ふ日や星朧
55●波の来て舟の軋むよ島の春
56●涅槃西終の棲家を建立す
57●伐採の年輪正し春時雨
58●花追ひて知らぬ道へと出でにけり
59●花時のヘルパー花の匂ひして
60●花の風ひかる素足となりにけり

61●花冷や伽藍の夜の鯉静か
62●花笑ふ人に目と口鼻と耳
63●春の風ひらひらひらと花粉飛ぶ
64●春北風や土の香りの備前焼
65●春疾風三小節のピチカート
66●春めく日第二ボタンにときめく日
67●春めくや窓辺の母の夢うつつ
68●左手が他人(ひと)の手めきて花の冷
69●妃殿下を名で呼ぶ民や風光る
70●拡げつつ卒業証書見せに来る

71●父祖の地にフレコンバッグ囀れる
72●平成のラストを飾れ桜吹雪
73●紅椿一葉旧居跡に井戸
74●“勉強しなっせ”先師の声が春の句碑
75●忘却の花びらの舞ふ余光かな
76●北東にジェット機を追い鳥帰る
77●褒めそやす人の声こそ花見かな
78●まんまるの卒業写真ブーフーウー
79●店じまひしたる豆腐屋鳥ぐもり
80●緑の火点して島の芽紫陽花

81●宿の宴了りし広間の古雛
82●山笑ふ三十年越しの告白
83●夜更けてや保健室守るヒヤシンス
84●リラの香や均一棚に初版本
85●ロザリオをそつとまさぐる春袷
86●私を切ってごらんなさい春の苦みが迸る

B部門  「山椒の芽」「頭」   全84句

01●頭から尾へと光の雉ほろろ
02●家移りの荷に祖父の文机木の芽和
03●一頭の初蝶一頭の牛の背に
04●一頭の紋白蝶の知る対馬
05●一品はすぐに出てきて芽山椒
06●浦道を抜くる汐風山椒の芽
07●大阿蘇の木の芽田楽囲む宿
08●大盛りの牛丼アタマうららなり
09●おぼろ夜の理科室に在る頭蓋骨
10●おぼろ夜や夫の頭に棲む他人

11●おぼろ夜や指輪の裏の頭文字
12●街頭の署名活動鳥雲に
13●街頭の騒々しきや花の冷え
14●香りたつ緑の大気芽山椒
15●風と来し寺ににこにこ芽山椒
16●蝌蚪の国覗く毬栗頭かな
17●紙テープ濡れゐる埠頭水温む
18●クラス会禿頭会となる花見
19●九頭龍の口より出づる春の水
20●経理課の隅の禿頭(こくとう)春睡し

21●頭垂る白木蓮のさやうなら
22●こころにも穴あいてゐる山椒の芽
23●ご馳走は土饅頭なり花の昼
24●強面が赤子に破顔山椒の芽
25●囀やマザー・グースの頭韻詩
26●酒酌めば卓に木の芽の香かな
27●サーファーの崩す春日の波頭
28●佐保姫や頭のものの可愛らし
29●山椒の赤き芽やがて若葉色
30●山椒の芽揚羽の子等の舐め尽くす

31●山椒の芽ギャラリー傍に居ますよと
32●山椒の芽きらりと光る糸切り歯
33●山椒の芽今宵の酒は生一本
34●山椒の芽ピリリと香る憎いやつ
35●山椒の芽吹き小枝も艶めきて
36●山頭火分け入る山の青さかな
37●シシ神の頭ころがる花明り
38●師の凧を越えて頭角現せり
39●重箱の巻頭飾る芽山椒
40●寿司桶の錦糸卵に山椒の芽

41●頭痛忘れボール蹴りゆく春の風
42●菫さん頭脳明晰桜咲く
43●擂鉢を支ふる役目山椒の芽
44●先頭に勇姿を見たり帰る雁
45●大試験了へて空への頭突きかな
46●叩かれし頬の記憶や山椒の芽
47●誰にとも向けぬ怒りや山椒の芽
48●摘まぬまま母は逝きしか山椒の芽
49●手仕事の丸き小鉢に山椒の芽
50●天麩羅は塩で召しませ実山椒
51●頭数を亡父で揃へた花見かな
52●踏青やまだ見ぬ嶺を山頭火
53●泣き寝入りの児の目ちりちり山椒の芽
54●何も無し全て離して山椒の芽
55●肉親と苦み味わふ山椒の芽
56●乳頭の山湯に浸かり春を見る
57●女房に頭あがらぬ四月馬鹿
58●のどけしや頭上に遊ぶ鳶の笛
59●呑み交はす娘婿との木の芽和
60●白隠の鬼味噌無邪気山椒の芽

61●函館の春坂下り谷地頭
62●花辛夷頭とんがり明鴉
63●母まねて擂り鉢あたる山椒の芽
64●春雨や「頭の体操」一つ解く
65●春めきし赤頭巾ちやん食べられて
66●美酒一献肴に添へる芽山椒
67●飛竜頭を煮る母九十六の春
68●昼も夜も頭の中で霞立つ
69●風船に頭突きしてゐる反抗期
70●ブシムスの頭に翡翠山椒の芽

71●仏頭の眠る湖月おぼろ
72●平成の果つや鼻腔に芽山椒
73●冒頭は”ベサメ・ムーチョ”や芽立時
74●真つ直ぐに憂世を見たり山椒の芽
75●丸飯台鯛の頭はいつも父
76●饅頭に城の焼き印花吹雪
77●水温む頭領の声柔らかく
78●芽山椒ニュータウン奥迷ひ来て
79●芽山椒棘あるものの香を放ち
80●芽山椒故郷の飯にどつさりと

81●芽山椒や静かに交はす小盃
82●もこもこと頭出したり椿かな
83●我が家にも平成最後の山椒の芽

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174号

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 3月 1日(金)07時41分28秒
返信・引用
  A部門 全句

01●あたたかや突張り男のカプチーノ
02●あたたかや陽だまりを来し羽ならば
03●あみだ籤たどるがごとき受験かな
04●生くものに東風隔てなく味方せり
05●凍返るめだかよ餌に浮いてこい
06●凍解けの星や失くせしイヤリング
07●浮かれ猫闇に即興ラブソング
08●腕のない石膏像や春の風邪
09●梅真白港の音の上り来る
10●笑顔には笑顔が返り土筆ん坊

11●選りあぐむ苞の和菓子や春の雪
12●丘の上の区立梅園六分咲き
13●鬼は外にらむでもなく鰯の目
14●朧夜にラー油を少し足してみる
15●朧夜の頬杖に聴く汽車の音
16●会議室外ではちんどん節分会
17●風が鳴り春寒の外雨が降る
18●川やなぎ着物姿とすれ違う
19●木板の絵踏みのマリアうつすらと
20●教室に秘めし菓子の香バレンタイン

21●草青むトラップ仕掛け明日を待つ
22●草萌えや園児がかこむ老神父
23●暗闇に光りし殺気猫の恋
24●葷酒肉を許さぬ門や浅き春
25●繋留の舟に萍生ひ初むる
26●建国の日やヒーローの決め台詞
27●後掲の小さき文字列匂鳥
28●恍惚と昏れゆく海や春の酒
29●小刻みに河津桜の揺るる空
30●国境の壁を眼下に鳥帰る

31●冴返る監視カメラの奥の闇
32●佐保姫を迎えに鴎群れ為して
33●残雪が残りし山に分け入りぬ
34●ジェット機の余寒振り切り離陸せり
35●下萌やわが背を超える治水の碑
36●しつっこくじゃれ来る猫や春の風邪
37●しばらくは雛の視線の在りし部屋
38●遮断機の下りたるあわい寒明くる
39●しゃぼん玉刻の彼方の虚空へと
40●春耕や軽トラックに積む夕日

41●春塵や校門わきのビラ配り
42●スイトピー蝶が羽を休めるように
43●すつぴんを通し筑紫の山笑ふ
44●すべすべのベンチの木目鳥の恋
45●税務署の扉重たき春の昼
46●浅春や人来て消ゆる都府楼址
47●早春のダージリンティ似合ふ人
48●卒業の娘色気を発しけり
49●そやなあが口癖の人山笑ふ
50●大吉てふ猫はずっこけ二月尽

51●抱くやうに奏でるギター春寒し
52●ため息が白煙のごとたち消えぬ
53●たんぽぽの絮飛ぶほんのこれくらい
54●手のひらにしまふ言の葉囀れり
55●地下鉄の上に地下鉄冴え返る
56●地から湧く如き音色や涅槃西風
57●転校の今朝のためらひ沈丁花
58●浪やさし春の渚を裏返す
59●日本にも土筆ずんずん春も来ぬ
60●涅槃会や衆生本来仏なり

61●鉢植えの土のめくれや春浅し
62●嵌め殺しの窓の七色はるうれひ
63●春一番塀の烏も騒ぐかな
64●春しぐれ弁当開く廃寺跡
65●春疾風パンストの予備使ひ切り
66●春なれど倒れし幹の蒼白し
67●春は曙春はアウディ春は阿蘇
68●春めきてメトロは赤く丸くなる
69●春夕べふと駅ナカの立ち呑みへ
70●春ゆらぎヨーデルゆらぐブリエンツ

71●一つだけ小さきつぼみの落椿
72●人をればみな友春の花愛づる
73●冬の花咲かせ仕合せ不仕合せ
74●ぶらんこに腰掛けてゐるギプスの子
75●分校の子らに雪解の雫かな
76●平成終る倒木多き春の山
77●木瓜の花頬染め親も娘(こ)も孫も
78●負け惜しみ春一番のバカヤロー
79●まんさくの花より朝を告げらるる
80●目薬の鼻へと流る初音かな
81●野菜色のくわりんたう食む春の風邪
82●宿忘れ帰る瀬も無き浮かれ猫
83●夕雀信号渡れば春の水
84●余寒なほ鳥のさらひし鯉の餌
85●よく曇る電車の窓や春の雨
86●竜天に昇るミニマルミュージック
87●わらわらと春の小川に鮒っ子達
88●風に聞く椿の落花夜更け道
89●風光る車窓に駅弁売りの声
90●バス待ちのコートの陰の余寒かな

B部門  「亀鳴く」「立」   全句

01●石垣にいくつもの穴亀鳴けり
02●エプロンのパステルカラー春立てり
03●丘の上に立てば彼の日の若布浜
04●音量を上ぐるせせらぎ春立つ日
05●亀鳴いて独坐の膝を打ちにけり
06●亀鳴くや赤い目薬ひとしずく
07●亀鳴くや空き家のままの父の家
08●亀鳴くや翁媼のジムに満ち
09●亀鳴くやカタカナ多き入門書
10●亀鳴くや河馬の家族の小宇宙

11●亀鳴くやこころほのぼの一人酒
12●亀鳴くや酒一合の日を終ふ
13●亀鳴くや自動消火のガスコンロ
14●亀鳴くやタモリぶらぶら心字池
15●亀鳴くや妻の文箱にラブレター
16●亀鳴くや遠き沖ゆく貨物船
17●亀鳴くや止まれどきどき擦れ声
18●亀鳴くやどんな声かと妻が問ふ
19●亀鳴くや乗り合ひバスを乗り継いで
20●亀鳴くや発見に沸くヒストリア

21●亀鳴くや母は窓辺に昼寝する
22●亀鳴くやはやぶさ2の夢はるか
23●亀鳴くやモビールずっと揺れてゐる
24●亀鳴くや闇まだ浅き田の端に
25●亀鳴くや夢は遥かな都府楼址
26●亀鳴くやリュウグウを射る着信音
27●聞き耳を立て早春の森に入る
28●君子蘭立身出世は願わずに
29●恋猫の眼に火柱の立ち上がる
30●口角を上げる顔ヨガ春立ちぬ

31●東風吹くや立漕ぎで行く一輪車
32●献立のいつもと違う寒の明け
33●様変りしたる家並や亀鳴けり
34●地震速報なまずは眠り亀鳴けり
35●石鹸玉飛んで尻尾を立てる猫
36●殉教地探し求めて亀鳴けり
37●春興や濡れて引き立つ景もあり
38●春泥や改札横の立看板
39●春雷に素数のごとく立ちにけり
40●心字池過去いま未来へ亀も泣く

41●座りては立ちては春を待ちにけり
42●卒業や立看板の裏は虚無
43●立ち入って残雪の山彷徨いぬ
44●立ち漕ぎで歌う少年春田風
45●立ちこぎで登る鎌倉山は春
46●立ち尽くし山を見入って春寒し
47●立ち止まるひいふうみいの落椿
48●立ち飲みの赤ひ顔して春時雨
49●立雛の浅葱の帯や草香山
50●立ち読みの肩の触れ合ふ雪解かな

51●立野にも鉄路復活へ春近し
52●立つ春に背筋伸ばしてすくと立つ
53●立山へ黒部アルペン福寿草
54●煙草の火小さく灯して立子の忌
55●溜息を亀のつきたる石の上
56●父が好き母は思ひ出亀の鳴く
57●着信の唸り亀鳴く如きかな
58●彫刻の背後の無限亀鳴けり
59●妻と来し税務相談亀鳴けり
60●手品師のハットの中味亀の鳴く

61●天指して梅の小枝の並び立つ
62●波立てて群るるイルカと春の雨
63●何となく春立つ日々に笑み浮かぶ
64●軒下に脚立置くまま春の霜
65●はじめてのつかまり立ちや桃の花
66●パソコンを立ち上げる間や月朧
67●母と子の遊ぶ公園亀鳴けり
68●「はやぶさ2」竜宮に着く亀鳴けり
69●春立つやオリーブオイルの白き澱
70●春立つや父の描きし水彩画

71●春立てり鴉よ何を見て鳴くか
72●春の野に反戦の唄立ち上がる
73●人見知りする子に亀の鳴きにけり
74●風葬の崖に鳥肌立つ朧
75●奉書紙の円き折り雛すくと立つ
76●放蕩の果ての落暉や亀鳴けり
77●誇らかに立ち枯るるなり黄水仙
78●ぼんやりと朝戸に立てば風光る
79●真夜中の保線作業夫亀泣くや
80●目交ぜして席立つ夫婦養花天

81●余寒なほ地下の社食の献立表
82●りうぐうにりうぐうのつかい亀鳴けり
83●立春や白く華やぐ一本木
84●老齢年金月額六万亀鳴けり
85●空港の立ち入り禁止土筆採り
86●笹舟の泊まり亀鳴く白き岩
87●立ち漕ぎの自転車日長塾帰り

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173

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 2月 1日(金)06時10分36秒
返信・引用
  A部門 全句

01●新しき御代へ目覚めの初明り
02●新たなる実りを運ぶ春一番
03●あんぱんの中の空洞初日記
04●いそいそと妻はカラオケ女正月
05●凍滝を厚き窓越し眺めをり
06●犬連れて老女嬉しや土の春
07●浮寝鳥黙の錨を下ろしけり
08●動き出すムンクの叫び冬が行く
09●腕の振り大きく歩く春まぢか
10●産土の父母眠る雪無尽

11●エンディング迫るピアノや寒昴
12●お返しにみかん戴く句集かな
13●屋上の空底抜けて深雪晴
14●落葉踏みゆくやヴェルレーヌの詩なぞ
15●賀状来る夫の記憶のぽつぽつと
16●数の子を食めば厨の朝日かな
17●風邪の子に早く来て欲しアンパンマン
18●彼女にはバレンタインが誕生日
19●枯葉おお越路吹雪よ若き吾よ
20●寒行の声破裂して湯気の沸く

21●寒椿トンネル抜けて波の音
22●寒鮒を釣る人一人釣れますか?
23●狐火は媚薬の匂ひ放ちたる
24●着ぶくれてスッキリしないティータイム
25●着ぶくれてなくせしものは土踏まず
26●獣吠ゆ吾には見えぬ狐火に
27●校長が奇声あげたる雪合戦
28●事始め駐輪場の整然と
29●作業着の深き祈りや初明り
30●寒々と夕暮れの空寂しくも

31●三が日何するもなくハガキ待つ
32●障害児作品展や春近し
33●正月の装いのままガチ登山
34●新宅に年改まる娘かな
35●神仏を抱いて筑紫の山眠る
36●水仙花斜面に無数の立ち姿
37●水仙の群れて背伸びの牛舎裏
38●水仙や家族賑はふ夕餉時
39●捨て蜜柑積まれし匂ありにけり
40●大寒や息深く吸ふ太極拳

41●大寒や視線はるかな記者会見
42●大根の土より出でて日向ぼこ
43●待春や擂粉木こんなにもちびて
44●待春や土竜の土塁ぽこぽこと
45●ダイヤモンドダスト浴びつつ図書館へ
46●たどたどしくビーズ繋ぐ子春隣
47●たんぽぽを除けて普請の轍かな
48●強き風耐へて偲んで冬の薔薇
49●氷柱折るごとにドかレかミの鳴りぬ
50●連なれし黄色の車両二月尽

51●鶴を折る人さし指の寒さかな
52●つれ合ひとげんまんキラリ春隣
53●手を挿せば吾が懐の秘かなり
54●飛梅や歓喜を謳ふ雲形も
55●泥葱の土下座してゐる特売日
56●七草や日めくりめくる四日分
57●八十は使ひ走りよ女正月
58●初仕事歳時記持って出張す
59●初富士やカップラーメン待つ青春
60●初夢を実現したし2019

61●初ヨガや空に描かるロケット雲
62●母の手で化粧施し春着かな
63●母の闇父の闇へと炭をつぐ

64●半月に冬星の友なかりけり
65●日脚伸ぶ駐車場の猫の影
66●人はみな骨になりけり百合鴎
67●ひこうき雲の二列や春の海
68●火の酒やぼんぼん時計朧なる
69●氷面鏡権力者の顔映しをり
70●訃報後に故人の文来星冴ゆる

71●冬さうび風に震へる夕まぐれ
72●冬の空ただぽつねんと見入りおり
73●冬深し半眼彼の岸見やりしか
74●べらんだに七草粥の材摘みぬ
75●本厄の子に成り代はり初大師
76●星つくる夢載せ宙へイプシロン
77●曲がり来て猫が首掻く日向ぼこ
78●マニキュアは濃いめのピンク雪を掻く
79●万回もつぶやく醪冬銀河
80●耳溶けて無音に帰する雪兎

81●娘らのミニの花咲く春を待つ
82●土竜打ち喝へ歌など声そろへ
83●薮入りの姐やはお好み焼苞に
84●雪が舞う猫も仔犬も床の中
85●雪の夜の人形の目の虚ろなる
86●雪催気の急く傘の帰り道
87●老人は眠れぬ鮫がよぎるから
88●露天風呂見あぐる先の氷柱かな
89●若き日に吐(つ)きしかの嘘軒氷柱

B部門  「書初め」「金」  全86句

01●足しびれさせ書初の体育館
02●アユタヤに金のブッダや初雀
03●一の字を書いて腕組み筆始め
04●お祝ひは八丈島の金目鯛
05●大空へ大きく書く字筆始
06●「おもてなし」とボランティアーの筆初め
07●書初めに見直す吾子の凛々しさよ
08●書き初めの墨のまだまだ薄過ぎて
09●書初の添へたる指の動き出す
10●書初の縦画長き手の震え

11●書初めや濃い字薄い字それぞれに
12●書初や最後の跳ねをしくじりぬ
13●書初めや小さき願ひまた同じ
14●書き初めや光の大小並びたる
15●書初や愉快に書けば愉快な字
16●書初めや和入り年号あれこれと
17●楽器屋に並ぶ金管日脚伸ぶ
18●家庭にも要資金繰りかまど猫
19●金沢の雪吊りの山見舞状
20●金あらば冬空の下夢を追う

21●金の無い男ふらふら小正月
22●壁紙に大きく富士と書き初めぬ
23●カリブ海の熱気を知らぬ金海鼠(きんこ)かな
24●寒明や焦げこそぎ取る金たわし
25●寒暁や位牌に金の楷書体
26●寒稽古金を目指して鼻赤し
27●寒の水かぶる金栗韋駄天へ
28●還暦の覚悟を決めし初硯
29●吉書始知らすAI墨香る
30●金色に焦がすグラタン冬深し

31●金色に光りて失せぬ冬の蝶
32●金色の折紙をまず鬼のツノ
33●金運は無し多忙なり冬帽子
34●金閣の鳳凰突く寒鴉
35●金柑のいよよ明るき寒の空
36●金婚の愉快夫婦に梅二輪
37●金字塔なりし兜太や冬銀河
38●金星だ!さよならさんかく寒雀
39●金継のかろき器や福寿草
40●金泥の余白で黙す早春の月

41●金杯の浮かぶ夜空や淑気満つ
42●金箔打つ木槌の音や雪催
43●金箔の透けて春風生まれたる
44●金無垢の冬三日月を凶器とす
45●金目の猫服着て歩く春隣
46●金曜の夜は悲しき冬の星
47●句を選ぶことより始め初硯
48●古伊万里の金の接ぎ目や冴返る
49●ことさらに半紙の白し筆始め
50●沙保里の春あまたの金に銀一つ

51●冴ゆるかな触れあふ炭の金属音
52●三歳児正坐厭わぬ吉書かな
53●下田にて金目鯛煮付け定食
54●信金の自転車魂春近し
55●しんにようのはらひはみだす筆始
56●墨磨れば森の香のして初硯
57●墨とびに生れし星座や筆始
58●墨の香を乗せて太々筆始め
59●競りの声金糸魚の保冷箱
60●染め帯の金泥うすれ夕霧忌

61●大寒を手玉にとりて金目指す
62●短冊に?の一句を筆始
63●探梅や塗のお椀の金蒔絵
64●父と子の金釘流や笹子鳴く
65●束の間の寒夕焼の金の色
66●天下人金屏風背に忍び泣き
67●天金の書を開きたる淑気かな
68●天神のゴールドラッシュ寒の内
69●床間にたなびく雲や筆始
70●年玉や信用金庫のポチ袋

71●どんど火の金色となる刹那かな
72●初硯顔思い出しポチ袋
73●初硯亡父の硯にほひ立ち
74●初刷やクリムトの金湧くやうに
75●福袋金は無くとも幸来たる
76●フリーダカーロの眉一文字筆始め
77●平成と太き二文字筆始
78●返信に力をこめて筆始め
79●弁当と白金懐炉手渡さる
80●先ず空に一筆振つて筆始め

81●まなうらに般若経あり初硯
82●マンモスの牙の髑髏と金屏風
83●立春こそ吾ご褒美に金メダル
84●蠟梅や金色の香をこぼしをり
85●若き友悼む手紙が筆始
86●和気神社狛ししの眼真直ぐ筆初


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172号・清記

 投稿者:葱男  投稿日:2019年 1月 1日(火)10時07分10秒
返信・引用
  A部門 全83句

01●赤深きブルグンドてふ冬の薔薇
02●アサツキを曇る眼鏡でほうり込む
03●暖かき部屋で寒波は他人事
04●飴色の母のお椀や晦日蕎麦
05??あめつちにかくれんぼする冬の精
06●凍て星の残らず掬へさうな丘
07●お勝手のスリッパ揃へ除夜の鐘
08●おほどしの朝風呂の湯の那由多かな
09●折りたたむ彼の日彼のひと初昔
10●音量を上げて近づく焼芋屋

11●会場に沸くウェーブや淑気満つ
12●数へ日や分別ゴミの掲示板
13●寒月や誰に叫ぶか猫の声
14●還暦のタワーのあかり寒満月
15●還暦の近づいて来る炬燵かな
16●着ぶくれてコンビニで買ふフルコース
17●教会とモスクの並ぶ神無月
18●ゲルニカの贋作十二月八日
19●限定品テレビに溢れ年詰まる
20●「恋文」といふ結び帯初化粧

21●極月の礼拝堂に一人なる
22●山茶花の微笑している家出時
23●白湯供ふ義士討入りの日なりけり
24●静かなるマスクの中の子供部屋
25●死に場所をひたすら探る冬の蠅
26●しみじみと昭和語るや榾明り
27●殉教者増ゆる世界やクリスマス

28●小康の寝汗をぬぐう冬の虹
29●錠剤の朝昼晩や日短
30●しらたきの解けてゐたる霜夜かな

31●不知火の海こそ良けれ初日抱き
32●ストーブに張りつく父の髭や濃き
33●煎餅屋の醤油の香寒昴
34●千両の雪の赤き実暖かし
35●洗礼者ヨハネのこゑや冬の鵙
36●抱けば子の顔歪みたるちゃんちゃんこ
37●溜息の消ゆる地下牢蝶凍つる
38●単線の一輌電車冬紅葉
39●蝶々座は蠍座に添ひ冬銀河
40●通勤のラッシュのやうに干大根

41●手や腋や柚子の香ほんのり湯屋の夜
42●伝言は十五の我へ冬鷗
43●冬至受け92歳の大往生
44●冬帝や等圧線を統ぶる術
45●特等の席から見える冬の山
46●年越しの玄関灯と息子待つ
47●年の暮テレビは夢を伝えてる
48●年の暮何するもなく座りおり
49●年の瀬や今さらながら独り者
50●とんがつてやつて来る鮫目は優し
51●啼きおとす寒鴉一声そして闇
52●ナベサダや冬の流星見にゆかん
53●日日を好日として年暮るる
54●二年ぶり元気ですよと賀状書く
55●温め酒手と相性のよきお猪口
56●肌寒や鬼神の住まふダリの家
57●初雪に知らず両手を合わせけり
58●母倒れ噂が走る師走かな
59●母逝きて師走の向こう空の上
60??ふくろふ啼く佳き知らせほうほうほうと

61●仏像の母なる丸太冬夕焼
62●冬うらら古刹にジャズのラヂオ音
63●冬の朝平成見届け母も逝く
64●冬の暮玄関に起つ母の下駄
65●冬晴れや磨きし窓の駄賃かな
66●古里の山茶花胸に降り積る
67●プラットホームの肩で息するコートかな
68●平成を勤め上げたる柚子湯かな
69●閉店の小さき貼紙笹子鳴く
70●ぽつぽつと陽だまりを食ふ冬の山羊

71●ぽつねんと静まりかえる冬座敷
72●またひとつ老いしサンタクロースかな
73●眉月の残る朝なり歳つまる
74●実万両政治枯れ行く音の有り
75??眼の開かぬ仔犬のやうな大つごもり
76●焼鳥の一串ごとの煙かな
77●夕暮れてグランドの縁石蕗の花
78●雪女最終バスを見送りぬ
79●雪掻きのスコップの跡一人親
80●ゆく年を枯山水に置いてみる

81●寄せ鍋ややはりよき友よき地酒
82●ランタンの灯す右手と寝酒かな
83●綿虫やいのちの重み抱へたり

B部門  「一月」「器」  全79句

01●熱々を器用に食べる冬さかな
02●青竹の花器となりたる時雨かな
03●熱燗を器用につかみまあ一献
04●一月の阿吽のごとき欠伸かな
05●一月の朝べらんだの草摘ぬ
06●一月の海煌めけり旅の島
07●一月の思ひ行き交ふ読書灯
08●一月の顔や晴衣やクラス会
09●一月の片付けられない症候群
10●一月のカレーライスは具沢山

11●一月の坂の頂上はるかなり
12●一月の朱塗り竃の伊勢茶かな
13●一月の空に五欲の文字浮かぶ
14●一月の墓前一対づつの供華
15●一月の指やはらかき整体師
16●一月の私のココア甘くない
17●一月も肩凝りほぐし喪に服す
18●一月や一病ありて此の歩み
19●一月や海を見に行く事始め
20●一月や乾いた枝に日の名残

21●一月や小さき蕾のそこかしこ
22●一月や鎮座している遠き富士
23●一月や箍の緩みしまま仕事
24●一月や縄光りたる夫婦岩
25●一月や披講のこゑのうらがへる
26●一月やひよいと顔出す鳩時計
27●一月や廊下は校舎貫いて
28●一輪の花器こぼれたる淑気かな
29●大欠伸男やもめの初の月
30●おせち盛る器の龍も老ひにけり

31●火焔土器発掘されし山眠る
32●加湿器の風のやさしき待合室
33●加湿器の機関車のごと吐く蒸気
34??カステイラ葉つぱの中に一月
35●数へ日や恭しくも黒器出づ
36●語り草のデュシャンの便器鮫来たる
37●神様のご加護と言いて寝正月
38●空つぽの空の器や冬ざるる
39●器量とは心のすがた初鏡
40●蔵出しの漆器に映ゆる雑煮かな
41●古伊万里の鶴首の花器や春を待つ
42●木枯らしに神器を携え母の空
43●此処彼処に災い残し一月来
44●古来よりの器の町に淑気満つ
45●今度こそ一月からは早起きを
46●さあ食べよ器に盛りしおでんたち
47●山茶花や大器晩成まだ成らず
48●潮騒と加湿器の音聞き分けて
49●静かに眠る一月のビオトープ
50●十二月一(ひと)月の早さ二(ふた)月分

51●正月も忘れし母や初電話
52●正月や受話器の向こう母の声
53●聖火台めく火焔型土器冬青空
54●石膏像の一月の白さして
55●染付けの器の清し寒の内
56●それぞれの器の旅を去年今年
57●大器未だ成らず今年も日記果つ
58●大器晩成の少年山眠る
59●電熱器ひとつの下宿生活です
60●年越しの蕎麦を見守る食器棚

61●年を越す鐘そうそうの器かな
62●屠蘇の器に一妙きらり存へり
63●長き夜に陶磁器の旅夢うつつ
64●熱気球一月の気の満ちみち
65●箱膳にかをる漆器や年新た
66●晩成とならぬ器や寝正月
67●美顔器の微かな波動冬の星
68●一つ減り器は二つおでん盛る
69●日向ぼこ猫にも有りし器順
70??不器つちよな切株ひとつ年流る

71●不器用と器用の握手悴めり
72●不器用に生きたる蝶の凍て始む
73●不器用に老いて今宵の根深汁
74●梟や無用あまたの食器棚
75●振り返る好きな器で大晦日
76●兵卒の食器野ざらし冬離島
77●北欧の器によそふ冬至粥
78●ボードかかへ立つ一月の沖へ向き
79●まんぷくの大器晩成山眠る




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